住み替えとは

今住んでいる家から、新しい家に引っ越すことを「住み替え(すみかえ)」といいます。
住み替えにはいくつかパターンがあり、それぞれ住み替えにかかる期間や流れが異なるため、自分の住み替えがどのように進んでいくのか知っておくことが大切です。

そこで本記事では、住み替えのパターンと方法、住み替えにかかる期間などを、用語の解説を交えながら説明していきます。

「住み替え」とは今住んでいる住居から引っ越すこと

冒頭でも説明したように、「住み替え」は今住んでいる家から新しい家に引っ越すことを指し、さまざまなパターンがあります。

住み替え方法をお伝えする前に、まずは住み替えのパターンやタイミング、住み替えにかかるおよその期間など、住み替えの基本知識をお伝えしていきます。

住み替えのパターン

住み替えには次のように、4つのパターンがあります。

  • 持ち家を売却して新居を購入する
  • 賃貸物件を退去して新居を購入する
  • 持ち家を売却して賃貸物件に入居する
  • 賃貸物件を退去して賃貸物件に入居する

持ち家を売却する場合も、賃貸物件から退去する場合も、住居を移すのであればすべて「住み替え」です。持ち家を売却して新たな住宅を購入する場合は、「買い替え」といわれることもあります。

どのパターンも“引っ越す”という意味では同じですが、持ち家の売却や新居の購入の有無によって、住み替えにかかるおよその期間や方法などが変わってきます。

住み替えを考えるタイミング

引っ越し時には、大きなお金が動きます。とくに不動産の売買が絡む住み替えの場合、「どんなタイミングで動けばいいのかわからない」と悩む方も多いでしょう。

住み替えをしたい、またはしようと考えている人たちは、どのようなタイミングで住み替えを考え始めたのでしょうか。2015年に国土交通省が行った「住生活に関する意識調査」内で調査された、「現在住んでいる住宅からの住み替え意向と住み替えしたい理由」の上位3つを見てみましょう。

  • 通勤、通学、買い物、通院等に便利な場所に住みたいから
  • 世帯人数に対し、現在の住宅が狭いから
  • 新築または築年数の新しい住宅に住みたいから
現在住んでいる住宅からの住み替え意向と住み替えしたい理由
参考:国土交通省「住生活に関する意識調査の結果概要)」

データを見ると、住み替えを検討している方の多くの方が、住環境の改善を求めていることがわかります。もし今の家に不便さを感じていたり、これからライフスタイルが変化したりする予定があるのなら、住み替えに適したタイミングと言えそうです。

住み替えにかかるおよその期間

住み替えにかかる期間は3か月~半年が一般的です。

しかし賃貸物件から賃貸物件へと移る場合は、条件に見合う物件に空室があればもっと短期間で住み替えられます。

一方で売買が絡む住み替えの場合は、住み替え期間に半年以上かかることも珍しくありません。住み替え時にとくに時間がかかるのが、持ち家の売却です。売却価格を下げれば早く売れる可能性がありますが、希望価格で売却したいのなら、住み替え期間に1年ほどかかると想定して動くのが理想です。

また、土地を購入して注文住宅を建てる場合は、建売住宅やマンションを購入するよりも時間がかかる点も注意しましょう。

住み替えの2つの方法

今住んでいる家を売却して新居を購入する場合、「売り先行」「買い先行」の2つの住み替え方法があります。それぞれメリットもあればデメリットもあるので、両者を比較しながらどちらが自分に適しているのか考えてみてください。

今住んでいる家を先に売る「売り先行」

今住んでいる家を先に売却してから、住み替え先を探す方法を「売り先行」といいます。家の売却価格が確定してから新居を探すので、資金計画が立てやすいことがメリットです。

しかし、売り先行は家に住みながらの売却活動になるため、内見のスケジュール調整や掃除などに手間がかかります。引き渡し時に新居が決まっていない場合は仮住まいが必要になり、敷金礼金や引っ越し費用など不動産の売買以外に費用がかかる点にも注意が必要です。

先に新居を購入する「買い先行」

先に新居を購入してから、今住んでいる家を売却する住み替え方法を「買い先行」といいます。買い先行のメリットは、新居探しに時間をかけられて、引っ越し後であれば内見のスケジュール調整がしやすいことです。内見の度に掃除をする手間も省けます。

ただし持ち家に住宅ローンの残債がある場合は、売却金で住宅ローンを完済できない可能性があり、不足分を手元資金から補填しなければなりません。自己資金での補填が難しい場合は新居のローンとダブルローンになり、ローンの返済が厳しくなるリスクがあります。

さらに住宅ローンは原則1軒分までしか組めないという決まりがあるため、必ずしも利用できるわけではありません。

  • 旧住宅ローンの残債状況
  • 売却金で住宅ローンを完済できない場合は、不足分への対応方法
  • 本人および配偶者など、ローン利用者の属性と収入

などをもとに銀行が融資可否を審査するため、ダブルローンを組めない可能性もあります。
そのため、現在の持ち家に対する住宅ローンが残っている場合は、売り先行で動くことをおすすめします。

「住み替え」まとめ

持ち家を売却して新居を購入する場合も、賃貸物件を退去して新居を購入する場合も、今住んでいる家からの引っ越しは、すべて「住み替え」といいます。

不動産売買が絡む住み替えには「買い先行」や「売り先行」などの住み替え方法の用語も関わってくるので、それぞれが何を指すのか理解しておくと不動産会社での相談がスムーズです。
住み替えを検討している方は、ぜひ今回説明した知識を住み替え時に活かしてください。