おしゃれキッチンを演出する、メリハリ収納5つのセオリー

おしゃれキッチンを演出する、メリハリ収納5つのセオリー

見せるキッチン、隠すキッチン[第1回]

株式会社LIXILが運営しているリクシルオーナーズクラブ「住み人オンラインー住まいと暮らしのレシピ集」より抜粋してお届けします。

念願の大きなキッチンでも、使っているうちに収納スペース足りなくなってしまったということはありませんか? 狭くて、古くて、もう使い勝手が最悪という方も、スタイリストのミヤマカオリさん流「見せるところは見せ、隠すところは隠す」という、メリハリのある収納のセオリーを実践すれば、キッチンが見違えるようにすっきり使いやすくなります!

ミヤマカオリさん

ミヤマカオリさん

収納をはじめインテリア、料理、手作り雑貨、DIYなど、生活全般のジャンルを手掛けるスタイリスト。収納整理アドバイザーの資格を保持し、雑誌・書籍で一般家庭の収納をアドバイスした企画多数。夫、息子との3人暮らし。

キッチンの収納術 見せる収納&隠す収納で快適に

キッチンの収納術

 あらかじめ備え付けられていたキッチンであれ、リフォームや新築で手に入れた念願のキッチンであれ、使っているうちに収納スペースが足りない、なんだかうまく片付かない、と思うようになる人は多いのではないでしょうか。

 包丁やまな板、鍋やザルにボウル、お玉などの調理器具、食器。それにスパイス、調味料、食品……。キッチンほどさまざまな大きさ、カタチ、素材、性質のモノが集まる場所はありません。

セオリー1
作業動線上に使用頻度の高いもの順に定位置を確保

 ミヤマさんにとってキッチン収納のベストなカタチは、「シンク→調理台→ガスレンジ」の並びに沿って、それぞれの場所での作業に必要なモノが、すぐ手に取れるようにレイアウトされていることです。

「ライフスタイルや持っているモノの分量、現状のスペースとの兼ね合いがあるので、最適な方法は人それぞれ異なると思います。ただ共通しているのは、使用頻度の高いものは、使う場所の近くで、すぐ手に取れて、元の場所に戻すのも簡単であること。特によく使うものは、ワンアクションで出し入れできると便利です」

 収納を見直すのであれば、まずはジャンル別に、日常的に使っているものと使っていないものを分類し、使用頻度の高いものから定位置を決めましょう。

セオリー2
よく使うモノは目と手の届く場所で“見せる収納”に

よく使うモノは目と手の届く場所で“見せる収納”に

ワンアクションで出し入れできる“見せる収納”は、使用頻度の高いモノの収納方法に向いているといえます。ミヤマさん宅のキッチンでは、“見せる収納”と“隠す収納”を以下のように分類しています。

  • シンクまわり
    見せる収納/食器洗い用洗剤、スポンジ、キッチンペーパー、キッチンタオル
    隠す収納/ストックの洗剤類やスポンジ、ザルやボウル類
  • 調理台まわり
    見せる収納/基本の調味料とスパイス、お玉などのキッチンツール、まな板
    隠す収納/包丁、オイル、酒、みりんなど大きいボトルの調味料など
  • コンロまわり
    見せる収納/キッチンツール
    隠す収納/フライパン、鍋などの調理道具

 “見せる収納”ではステンレス製のラックやマグネットフックなどを活用。カウンターの下やキッチンの下部や上部は、もっぱら隠す収納となっています。
「ストック食品やデザイン的に見せたくないものは、基本的に“隠す収納”にしています。中に入れたものが取り出しやすいように、収納するものに合わせて棚やカゴ、トレーなどを活用しています」

セオリー3
使用頻度によって収納する高さを決める

使用頻度によって収納する高さを決める

 モノの定位置を決めるときは、下記のように身長を基準に場所を定めるのもおすすめです。

  1. 身長×1.2=ラクに手が届く高さ(かけたモノが取れる高さ)
  2. 身長×0.8=肩の高さ(使いやすい棚の高さの上限)
  3. 身長×0.5=立って作業をするときの基準
  4. 身長×0.3=ひざの高さ(使いやすい棚の高さの下限)

「見せる収納であれ、隠す収納であれ、よく使う調理道具や食器、調味料などは“ひざ~胸”くらいの高さの間に定位置を設けるのがおすすめです。動線にそって、使用頻度に応じた定位置が決まっていれば、片付けやすく、日々の掃除もラクになります」

セオリー4
“見直し”と“更新”で最適化

食器のしまい方

 たくさん収納できればいい、というわけではありません。使ったらそのつど元の場所に戻し、使いやすい状態を維持することが大切です。使い勝手が悪かったり、つい乱れたりしてしまう場合は、見直しが必要です。

「例えば子供にお弁当が必要なときは、お弁当グッズを出し入れに便利な場所に確保する必要があります。でもその時期が過ぎると、使用頻度が減ります。たまにしか使わないのであれば、優先順位を下げ、棚の上の方や下の方などに移動することを考えましょう。
 賞味期限の切れたストック食品などが、場所をとっている場合もあります。こまめにチェックして、不要なものは捨てる決断も必要です」

 収納場所も収納方法も、これで正解!ということはありません。ライフスタイルの変化など、折々に見直し、更新していくことで、使いやすい状態を維持しましょう。

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お話を伺った方

ミヤマカオリさん

ミヤマカオリさん

収納をはじめインテリア、料理、手作り雑貨、DIYなど、生活全般のジャンルを手掛けるスタイリスト。収納整理アドバイザーの資格を保持し、雑誌・書籍で一般家庭の収納をアドバイスした企画多数。夫、息子との3人暮らし。