負担増にストップ!春の徹底節約術[前編]
株式会社LIXILが運営しているリクシルオーナーズクラブ「住み人オンラインー住まいと暮らしのレシピ集」より抜粋してお届けします。
コロナ禍の外出自粛により、光熱費の負担が重くなっているご家庭も多いのではないでしょうか。そこで、節約アドバイザーの和田由貴さんに、光熱費の見直しのためにおさえるべき4つのポイントを教えていただきました。
和田由貴さん
節約アドバイザー、消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家事の専門家として多方面で活動中。私生活では2人の子を持つ現役の節約主婦でもあり、日常生活に密着したアドバイスを得意とする。「節約は、無理をしないで楽しく!」がモットーで、耐える節約ではなく、快適と節約を両立したスマートな生活を提唱している。著書に『和田由貴のシンプル節約術』『年間50万円は貯まる チリ積も節約術』など。
もくじ
ポイント1:電力・ガス自由化で光熱費節約が簡単に
光熱費は毎月必ずかかってくる固定費です。年単位で見ればかなり大きな出費になります。「だからこそ、月々の光熱費の負担を少しでも減らすことは意味があるのです」と和田さんは言います。
「そのまま使っていても出費の感覚が湧きにくいため、普段はあまり注目しないのが光熱費。しかし、ポイントさえおさえれば、他の生活経費よりも節約しやすいという特徴があります。放置するのはもったいないですよね」
節約できる方法を知っているか知っていないかでは、大違い。
光熱費節約の鍵となるのが、「電力・ガスの自由化」です。
2016年に電力の、2017年にガスの自由化がスタートしました。
それぞれ概略をおさらいしましょう。
【電力自由化】
電力自由化とは、法律の改正により、電力を販売する企業が東京電力や関西電力など、全部で10社の旧一般電気事業者に限定されなくなったことを指します。電力自由化後に新規参入してきた事業者を「新電力」と呼んでいます。
「現在では100社を超える新電力(事業者)が参入しています。さまざまな企業が電力を販売できるようになったので、価格競争も激化しました。利用者は、価格やプラン内容を見比べて、電力会社を気軽に乗り換えることが可能になったのです」
【ガス自由化】
プロパンガスは以前から自由化されており、2017年に自由化されたのは都市ガスです。利用者は電力と同じように、自由にガス会社を選べるようになりました。
「ただ、電力に比べれば、利用者の選択肢は少ないです。なぜなら、事業者にとって新規参入のハードルは電力よりも高いからです。安全面の確保や定期的な機器の点検が必要になるので、参入できるのは、その対応が取れる事業者に限定されます。大手電力会社がガス供給に参入しやすかったのは、発電のためにガスを大量に輸入していたという事情があるのです」
電力とガス、2つの自由化の共通点は、自由に供給会社を選べるようになり、ライフスタイルに合わせて適切な内容やお得なプランを選択できる、ということが挙げられるようです。
ポイント2:電気とガスをまとめるメリット&デメリット
電力とガスの自由化以降、電気とガスがセットになったプランがよく宣伝されていますが、これは本当にお得なのでしょうか?
「電気とガスをセットにすると、年間で数パーセントの割引が適用されます。これだけでも大きいのですが、本当のメリットは別にあるといえるでしょう」
和田さんによると、光熱費をまとめることで節約意識が変わるそうです。
「電気、ガス、水道の使用状況は、基本的に連動します。特に、コロナ禍によっておうち時間が増え、それぞれの利用料金が増えている家庭は多いのではないでしょうか。
自由化されていない水道をまとめることは現状難しいものの、なるべく支払い先を一元化すれば光熱費の管理が確実に楽になりますし、利用料金の増減を連動して確認しやすくなるのでおすすめです」
ただし、デメリットもあるようです。
「単身者や使用量が少ない人は、セットプランにすると割高になるケースがあるので注意が必要ですね。せっかく切り替えたのに、利用料金が高くなってしまっては本末転倒です」
セットプランは、2人以上の家庭がお得になるように設定されていることが多いということを認識しておきましょう。
ポイント3:水道代の節約法のポイントは「お湯」
電気、ガスと違い、自由化されていない水道料金の抜本的な見直しは難しいのでしょうか。
「地域によって異なるのですが、水道は口座振替にしておくと割引になるケースがありますね。こうした場合は積極的に使っていきましょう。また、クレジットカードで支払えば、ポイント還元が狙えることも」
和田さんは、水道は契約プランによる節約が難しい分、使うシチュエーションを考えるべきと言います。
「特に『お湯』に注目しましょう。例えば、給湯器で約40℃のお湯を使用した場合、同じ量の真水と比べて料金は3倍になります。元の水道料金に加え、ガス代が含まれてしまうためです。お湯の使用頻度を少なくすることが、光熱費の節約につながるといえるでしょう。結果的にそれが節水にもつながります」
”お湯は真水の3倍”の料金という大きな事実。覚えておくとよさそうです。
また、「現状では節水も限界……」という場合は、水栓を変えるという手もあります。大がかりなように思えますが、比較的安価に交換が可能です。
LIXILの水栓は節水、節湯機能を備えているので、光熱費を節約するためには有用といえそうですね。加えて水回りが快適になることで、生活の質向上も期待できます。
ポイント4:プランを乗り換える前に比較サイトをチェック!
年単位では大きな出費となる光熱費。料金プランの見直しは、早ければ早いほど節約につながります。
「特に春は、電気会社、ガス会社共に多くのキャンペーンを実施します。これに乗らない手はありません」
そこでまずは、「エネチェンジ」や「価格.com」といった、電気、ガス料金の比較サイトをチェックしましょう。比較サイトを使うメリットは、大きく分けて2つあるそうです。
「1つ目は、料金シミュレーションにより、電力会社、ガス会社を横断的に見られること。比較サイトならではですね。注意深く探していても見つからない、思わぬお得なプランに出会えることもあります」
各社のホームページをすべてチェックするのは大変なので、ありがたいサービスですね。
「2つ目は、公式サイトで申し込むよりも、キャッシュバックや付加サービス(ギフト券など)の面で優遇されることが多いということです。特に春は各社ともキャンペーンに力を入れていますから、高額のキャッシュバックを得ることも可能でしょう。ただし、各プランの料金は、キャッシュバック等の金額が反映されて提示している場合があるので、その点は要注意ですね」
比較サイトをチェックして、よりお得なプランを選ぶことで光熱費節約の意識も変わってくるといえそうです。
後編ではより具体的に、どのプランにすれば光熱費がお得になるのか、和田さんに解説していただきます。
負担増にストップ!春の徹底節約術シリーズ記事
電気&ガスのプラン変更で光熱費を削減!お話を伺った方
和田由貴さん
節約アドバイザー、消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家事の専門家として多方面で活動中。私生活では2人の子を持つ現役の節約主婦でもあり、日常生活に密着したアドバイスを得意とする。「節約は、無理をしないで楽しく!」がモットーで、耐える節約ではなく、快適と節約を両立したスマートな生活を提唱している。著書に『和田由貴のシンプル節約術』『年間50万円は貯まる チリ積も節約術』など。
文◎熨斗秀信
撮影◎平野晋子