みなさんは食器の正しい配置をご存じでしょうか。正しい食器の配置は、日本人が美徳としている作法のひとつです。マナーとしてだけでなく、食卓を美しく食事をおいしく見せる、栄養バランスを整えるなど、メリットも多いので、確実に習得しておきましょう。
「一汁三菜」が食器配置の基本フォーム
日本人の理想的な食事は‟一汁三菜”です。読んで字のごとく主食の他に、汁物1つとおかず3つが基本的な食事とされています。おかずは、主菜・副菜・副々菜に分かれているので、主食、汁物合せて合計5つの食器が並ぶことになります。それぞれの食器の配置は、以下の通りです。
こんだて | 食器の配置 | |
---|---|---|
主食 | 白米など | 手前右側 |
汁物 | 味噌汁やお吸い物 | 手前左側 |
主菜 | 肉や魚などの焼き物・揚げ物・蒸し物・お刺身など | 奥一番右側 |
副菜 | 根菜や肉・魚介類などの煮物など | 奥一番左側 |
副々菜 | 野菜類や海藻などの和え物や酢の物など | 主菜と副菜の間 |
和食の配膳は、なぜ主食が左で汁物は右?
和食器の配置は主食が左側で、汁物が右側なのでしょうか。いろいろな考え方がありますが左上位という日本伝統の作法があるため、左側に重要なものを配置します。
左側の位が高い理由は、皇帝の位置からの日の出が左側からだからです。主食は汁物よりも重要とみなされ、ごはんが左側に配置されます。
多くの方が右利きですので、食べやすさの点からも左にごはん、右に味噌汁の方がベストだと長い歴史の中で確立されたとも考えられています。
正しい配置を知るメリット
また食器の正しい配置を知ることによって、実はとってもメリットがあるのです!
- 食べやすくなる
まずは上でも述べた通り、食器を正しく配置すると食事が食べやすくなります。日本人は右手に箸を持つので、左側に茶碗があると手に取りやすくなります。 - 栄養バランスの良いメニューになる
主食の栄養素は主に炭水化物、主菜はたんぱく質、副菜や副々菜はビタミン・ミネラル類を含む食品を多く使用します。5つの食器をわざわざ配膳する理由は、栄養バランスの良い食事を摂るためでもあります。 - 美しく見せる
食事は見た目も大切で、食器を正しく配置すると食卓が美しく見えます。美しく見えるぶん、おいしさもアップします。特にSNSへアップする方にとって、魅せる食事を意識することはとても重要ですよね。食器の配置で、食卓の見栄えも大きく変わりますよ。 - 日本人が美徳とする作法を重んじることで、周りからの評価にも変化が
昔に比べると日本古来の作法に対する重要性はずいぶん緩和されてきているものの、現代でもその風潮は残っています。正しい食器の配置は作法であるがゆえ出来て当たり前だと思われているのが一般的でしょう。
万が一間違えてしまうと、‟非常識な人”だとレッテルを貼られてしまうことになりかねません。特にSNSへ食事の画像をアップする方は叩かれてしまう可能性があるので注意しましょう。
食器の正しい配置は作法だけでなく、食事しやすくする、美しく見せる、栄養バランスを整えることにもつながります。ぜひ守って美しく健康的な食卓を目指しましょう。