不動産を売却するときには必ず査定を受けますが、査定額が何を基準に決まるかご存じですか?土地査定は土地の状態だけではなく、さまざまな要素に基づいて行われます。
本記事では、土地の査定額が決まる4つのポイントをわかりやすく解説します。査定前に調べておくことや、よくある質問についてもお伝えしますので、これから土地の査定を受ける方はぜひ参考にしてください。
目次
不動産会社が行う土地査定の方法
土地の査定方法には、大きく分けて2つの選択肢があります。
1つ目は、公示地価や路線価を利用して自分で査定額を計算する方法で、2つ目が不動産会社に依頼して土地査定をしてもらう方法です。
売却時には必ず不動産会社の査定が必要になるので、ここでは不動産会社が行う「簡易(机上)査定」と「訪問査定」について説明していきます。
簡易(机上)査定
「簡易(机上)査定」は、不動産会社に土地に関する必要な情報を提供し、その情報をもとに査定額を算出してもらう方法です。不動産会社が持つ取引事例を参考にした、“おおよそ”の査定額を知ることができます。
簡易査定のメリットは、土地面積や所在地などの手元の情報からおおよその査定額が知れることです。さらに簡易査定は無料で利用できるものが多いので、費用をかけずに土地の価格相場を把握できます。
簡易査定では実際の土地の状態や周辺環境を考慮しないため、訪問査定のように実際の売値に近い査定額を出すことはできません。さらに売却する場合は必ず「訪問査定」が必要になるので、売却予定の方ははじめから訪問査定の依頼をおすすめします。
「まずはどのくらいの価格で売れるのか知りたい」という方には、SUMiTAS(スミタス)の自動査定「簡単10秒査定」がおすすめです。土地面積や所在地の情報を入力するだけで、全国のビッグデータをもとに算出された土地のおおよその査定額がわかります。
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訪問査定
訪問査定は、不動産会社の担当者が現地に訪れて、土地の状態や周辺環境を直接確認しながら「おおむね3か月以内に売れると想定した」査定額を算出する方法です。実際に土地や周辺環境を調査するので、より正確な査定結果が期待できます。
訪問査定のメリットは、売値に近い査定額がわかることです。過去データや周辺取引だけではなく、土地の状態や周辺環境をもとにした正確な査定結果を知ることができます。
また、担当者と直接対話できるため、不明点や疑問点をすぐに解消できることもメリットといえるでしょう。
ただし、訪問査定の場合は人員の確保やスケジュール調整が必要になり、査定までの待ち時間が長くなってしまう場合もあります。さらに査定結果が出るまで1~2週間ほどかかることもありますので、すぐに査定額が知りたい方にとってはもどかしく感じるかもしれません。
けれど、訪問査定は土地売却において欠かせないステップです。
土地の売却を検討しているのなら、思い立ったときに査定依頼をしておきましょう。
土地の査定額が決まる4つのポイント
ここからは、土地の査定額が決まるポイントについて解説します。
土地の査定額が決まるポイントは、主に次の4つです。
- 用途地域
- 土地の面積・形状
- 前面道路との関係
- 周辺環境
1つずつ説明していきます。
① 用途地域
「用途地域」は、都市計画や地方自治体の規制に基づいて決めた、土地の使用目的やルールがある地域のことです。用途地域は全部で13種類あり、大きく商業系、住居系、工業系の3つに分かれています。
不動産査定では、用途地域がどの種類に属しているかによって、査定額に大きな影響を与えます。
たとえば最も利用制限が緩い商業地域は、利便性の高さが抜群です。土地の不動産取引でも、商業地域は高値で取引される傾向があります。
第一種低層住居専用地域は住宅利用に特化しており、静かで教育施設も整っていることが魅力の地域です。しかしその一方で、容積率や建ぺい率、近隣住宅との距離などの制限が厳しいというデメリットがあるため、査定額は商業系の用途地域に比べて下がる可能性があります。
② 土地の面積・形状
土地の面積と形状も査定額に大きな影響を与え、基本的に土地面積が広いほど査定額も高くなります。ただし、面積が広いからといって高い査定額が必ず出るかといったら、そうとは言い切れません。
先ほど説明した用途地域や周辺環境などによって評価が高くなることもあれば、低くなることもあります。たとえば、市街化調整区域などの制限がある土地は、面積が広いからといって価格も高くなるとは限りません。
面積だけでは判断できないのが、査定の難しい部分です。
また、面積だけではなく形状も重要です。正方形や長方形の土地は有効活用しやすく、査定額も周辺相場に沿った価格を提示されることがほとんどです。逆に、不規則な形状や細長い敷地、いびつな形の土地などは建物に制約が出てくるため、周辺相場よりも査定額が下がる場合があります。
土地の面積や形状も、査定額に影響することを覚えておきましょう。
③ 前面道路との関係
査定で所有者が見落としがちなのが、前面道路との関係です。
一般的に、広い幅員の道路や交通量が多い主要道路に面している土地は、交通の便や利便性が高く評価される傾向があります。需要があると判断されれば、査定額も高く算出されるでしょう。
逆に前面道路が狭い場合には、査定額が下がるケースもあります。
車の出し入れが不便という理由もありますが、大きな理由は土地面積にかかわる理由です。
土地の利用制約や建物の規模は、前面に接面している道路の幅員(道路の幅の長さ)によって決まり、建物を建てるときには4m(地域によっては6m)以上の道路に2m以上接していなければなりません。
しかし前面道路の幅員が狭く4m未満の場合には、「セットバック」といって敷地の一定部分に建物や塀などの建築ができなくなります。さらにこの部分の面積は道路用地として提供されるため、土地としての価値も低くなってしまうのです。
実際の土地面積よりも活用できる有効面積が狭まることから、査定額も下がってしまいます。
④ 周辺環境
土地の状態とは直接的に関係なくても、周辺環境も査定額に大きな影響を与えます。周辺にある施設や環境要素は、土地の魅力や利便性を左右する要素になるからです。
具体的には、駅やスーパーマーケット、病院、教育施設など主要な施設までの距離や、道路の整備状況などが影響します。利便性が良いほど査定額は高くなり、不便な場合は査定額も低くなるでしょう。
また、周辺の嫌悪施設の存在も査定額に関わります。たとえば、産業廃棄物処理場や下水処理場、墓地、送電線、軍事基地、風俗店などがある場合は査定額が下がる傾向があります。また、日当たり・通風を遮るような高い建物や隣接地との高低差などがある場合も、周辺環境の品質や住環境の快適さに影響を及ぼすと判断され、低く評価されてしまうこともあるでしょう。
周辺環境は、住宅や不動産の価値を左右する重要な要素です。利便性の高い施設や快適な生活環境が整っている土地は需要が高まり、査定額も上昇する傾向があります。逆に、不利な要素が周辺に存在する場合は需要が低下し、査定額も低くなる可能性があります。
土地の査定を依頼する前に調べておくこと
土地の査定を受けるにあたって特別な準備は必要ありませんが、下調べや確認をしておけば査定がスムーズに進みます。ここでは土地の査定を依頼するときに、事前に調べておきたいポイントを解説します。
土地の名義人
土地の査定を依頼する前に調べておきたいのが、土地の名義人です。
自分名義以外の土地は売却できないので、もし土地が自分名義でない場合は速やかに登記手続きをする必要があります。
「名義変更していないはずがない」と思うかもしれませんが、現時点(※)では相続登記は義務化されておらず、相続した土地の名義が被相続人のままというのはよくある事例なのです。(※2023年6月時点。2024年4月1日からは相続登記の申請が義務化されます)
また、名義人が複数存在する場合もトラブルになりやすいので注意が必要です。
スムーズな査定や取引を進めるためにも、正確な名義人情報を確認し、必要があれば所有権の移転手続きや、事前の意思疎通をしておきましょう。
隣地との境界
土地の査定を依頼する前に調べておきたいもう1つの要素が、隣地との境界です。
土地売却時には「境界明示義務」といって、土地の境界を明示することが義務付けられています。隣地との境界に“境界”という文字や矢印が赤字で書かれた正方形のプレートやコンクリートの杭が設置されている場合は、境界が画定されているということです。
プレートや杭が設置されておらず境界が不明瞭な場合には、土地家屋調査士などの有資格者、土地の所有者、隣地の所有者の立ち会いのもとに検証を行います。検証にはとても時間がかかるため、できれば査定前に済ませておくことをおすすめします。
境界画定の手続きをどう進めるか悩んだときには、不動産会社に相談しましょう。
土地査定でよくある質問
最後に、土地査定においてよくある質問についてお答えしていきます。
Q:本当に無料ですか?
不動産会社が行う机上査定や訪問査定は、基本的に無料で利用できます。
訪問査定まで無料でできると不安になるかもしれませんが、不動産会社にとって査定は不動産の所有者に自社を選んでもらうための「営業活動の一環」です。そのため、ほとんどの不動産会社が無料で査定を行っているのです。
なお、SUMiTASでも簡易査定、訪問査定をどちらも無料で行っております。
Q:査定額はどのように決まりますか?
土地の査定額はさまざまな要素を考慮して決定され、主に次のような項目が査定額に影響します。
- 土地の状況
- 近隣環境
- 都市計画
- 周辺の取引データ
不動産会社はこれらの情報を分析し、市場価値や需要と供給のバランスなどを考慮して査定額を算出します。
基本的にどの不動産会社も調査項目は同じですが、過去にあった取引事例の情報量によって若干差が出ることはあります。ただし査定額はあくまで「おおむね3か月以内に売れると想定した査定額」であって、「必ず売れる価格」ではありません。
ただ査定額が高い不動産会社に依頼するのではなく、信頼できる不動産会社に依頼しましょう。
Q:査定額で売り出さないといけませんか?
売り出し価格は、所有者が自由に決めることができます。
先ほどもお伝えしたように、査定額はおおむね3か月以内に売れると想定した価格なので、必ずその金額で売り出す必要はありません。
実際の売却価格は、市場の需要や交渉の結果によって変動することが多いので、査定額より高値で売り出してもすぐに買い手が見つかる場合もあれば、査定額より低く出してもなかなか買い手が見つからない場合もあります。
売却価格は土地売却においてとても悩むポイントです。不動産会社と相談しながら柔軟に対応していきましょう。
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土地の査定額は土地の状況や周辺環境、過去の取引データなどのさまざまな要素をもとに決まります。査定額が決まるポイントを把握しておくことはとても大切ですが、土地の相場観を知ることもとても重要です。
土地相場を把握するためには、まずSUMiTAS(スミタス)の「簡単10秒査定」の利用をおすすめします。SUMiTASの「簡単10秒査定」はその場でおおよその査定額がわかるので、相場観を知るのにぴったりのツールです。
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