マンションを高額で査定してもらうポイント10選と不動産会社の選び方

マンション高額査定のポイント

監修者
天池 篤哉
天池 篤哉(株式会社SUMiTAS 取締役)
  • 宅地建物取引士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士

マンションを売却するときには、必ずマンションの査定を行います。しかし、査定額は不動産会社によって大きな差が出るので、「何を基準に判断しているの?」と疑問に思う方も多いでしょう。

マンションを少しでも高く評価してもらうためには、何を基準にして査定額を算出しているのかを知っておくことが重要です。

こんな方におすすめの記事です

今回はマンションを査定するポイントや高額査定してもらう方法、不動産会社を選ぶ方法などをお伝えしていきます。「マンションを高く売りたい」「査定基準が知りたい」と考えている方は、参考にしてください。

これだけは知っておきたい!マンションの査定に影響する10のポイント

マンションの査定時には、さまざまな観点から物件を調査し、査定額を算出します。まずは、査定に影響するポイントを一覧で見てみましょう。

立地最寄駅からの距離や徒歩分数、利便性など
間取り部屋数や広さ、収納のゆとりなど
専有部分の状態内装や設備の状態、グレードなど
住戸位置日当たりや眺望など
築年数築年数や建築確認日など
外観や共用部外観の状態やセキュリティ対策、施設の充実度など
駐車場の仕様駐車場の有無や、方式(分譲・賃貸)など
維持管理状況管理人の駐在日数や清掃管理など
施工会社や管理会社企業の知名度や実績、信頼度など
周辺の開発予定情報開発によってマンションが受ける影響

立地

マンションの立地条件は査定額に大きく影響し、主に以下のようなポイントから判断します。

  • 交通の利便性
  • 生活の利便性
  • 周辺環境

3つのなかでも特に重要視されるのが「交通の利便性」です。駅まで徒歩10分以内にあるマンションは「駅チカ」物件として、買い手が付きやすくなるので、査定がプラスに動く可能性が高いです。

また、スーパーや病院、学校までの距離も査定に影響します。

他にも、騒音の有無や景観、用途地域などのさまざまな観点から立地を調査し、査定額を算出するのが一般的です。

間取り

マンションの間取りも査定額を左右するポイントです。主に部屋数や広さ、収納スペースなどから評価します。

基本的に、物件の専有面積は広いほど評価がプラスになりますが、100m²の査定額が50m²の2倍の評価になるわけではありません。専有面積が小さいほどm²単価が高く、専有面積が大きくなるとm²単価は低く設定されるからです。

また、間取りの評価はエリアのニーズにも左右されます。ファミリー層が多い地域では、部屋数が多く広さにもゆとりのある間取りが高く評価され、少人数世帯が多い地域では、部屋数が少ない間取りも高く評価されるケースが多くなっています。

専有部分の状態

マンション室内である「専有部分」の状態も、査定のポイントになります。

例えば、壁紙に穴が開いていたり床が凹んでいたりして、内装の状態が悪い場合には、評価が下がる可能性が高まります。

逆に、「生ゴミディスポーザー(生ゴミ粉砕処理機)」のように、後付けできない設備が導入されている場合には高く評価されるでしょう。

また、バリアフリー化の状況や、キッチン・浴室・洗面・トイレの水まわり設備のグレードや劣化状況も、評価基準となります。ただし、マンションの築年数が経っている場合には、買主がリフォームをする可能性が高いので、設備の状態は査定額にそれほど影響しないケースが多いです。

住戸位置

同じマンションでも、住戸の方向や階数によって評価が変わってきます。マンションの査定でいう「方向」はバルコニーが面している向きを指し、日当たりのいい「南側」の住戸が最も高く評価され、「東西側」「北側」の順に評価が低くなっていくことがほとんどです。

また、階数も評価を動かすポイントとなります。

公益財団法人が提供している「価格査定マニュアル」によると、エレベーター付きのマンションの場合は、3階を標準として、所在階が上がるほど評価額を高く査定すると記載されています。

参考:価格査定マニュアル

階数による価格差はマンションによって異なる

階数が高いほど高く評価されるのは、採光や眺望に差が出るからです。しかし、付近にタワーマンションが建っているなど、周辺環境によってはあまり査定に響かない場合もあるので、階数による価格差はマンションによって異なります。

築年数

リノベーションが流行している昨今、築年数をあまり重視しない買主も増えてきたのですが、やはり査定には大きく影響します。

また、建築年も重要なポイントとなります。1981年6月1日に建築基準法が改正されたため、1981年5月31日以前に建築確認を受けた建物は、1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物よりも査定額が下がる可能性が高いです。

建築年を確認する際の注意点

建築確認の年月日=建築年ではないので、マンション引き渡し時に渡された「検査済証」や「登記事項証明書」で確認しておきましょう。

外観や共用部

マンションの外観部分やエントランス・階段・共用施設などの「共用部分」も査定額を算出するポイントとなります。

  • 外観の状態(ひび割れや剥落がないか)
  • オートロック、監視カメラ、二重鍵構造などのセキュリティ対策の有無

外観の状態が悪いと管理が行き届いていないとされ、査定は低くなってしまいます。また、セキュリティ設備の有無も査定に響き、高度なセキュリティ設備があるほど高く査定されることが多いです。

また、次のような共用設備や施設の有無も評価に影響し、充実しているほどプラスに評価されます。

  • インターネット回線
  • 宅配ロッカー
  • 歓談スペースやスポーツジム
  • ゲストルーム

駐車場の仕様

「価格査定マニュアル」では評価対象にされていませんが、マンション敷地内の駐車場の有無や駐車可能台数も、査定価格に影響する可能性が高いです。基本的に住戸数に対して駐車場の充足率が高いほうが高く査定され、駐車場が足りない場合には低く査定されるでしょう。

また、駐車場が賃貸・分譲のどちらであるかもポイントです。毎月駐車場代が発生する賃貸よりも、駐車場代がマンション価格に含まれている分譲のほうが評価は高い傾向にあります。

維持管理状況

外観やエントランスなどの共用部分が査定範囲であるように、維持管理状況も査定額を左右するポイントとなります。マンションの管理状況や過去に必要な修繕が、きちんと行われているマンションは高く評価され、管理がされていないマンションの評価は低くなるでしょう。

また、建物を修繕するための「修繕積立金」やマンションを管理するための「管理費」が高く、住民への負担が大きい場合には評価が悪くなります。

「価格査定マニュアル」では、管理人が週3日程度勤務する形態を標準として、管理状況を評価すると記載されています。

施工会社や販売会社

意外に思うかもしれませんが、施工会社や販売会社も査定に響くことがあります。施工会社が大手ゼネコンや建設会社である場合や、大手企業が販売会社であった場合には査定額が高まる可能性があります。

マンションに何かしらの不具合が生じたり問題が発生したりした場合にも、大手企業が施工会社であれば、補償を受けられるからです。

反対に、過去に施工不良やトラブルを起こした施工会社の場合には、評価を下げられる可能性もあります。

周辺の開発予定情報

査定時点では利便性が良いとは言えない地域だとしても、周辺で開発計画がある場合には査定がプラスに動く可能性があります。自宅付近に大きな商業施設や病院ができたり、道路が開通したりして利便性が良くなる見込みがある場合には、物件需要が高まるからです。

反対に、開発が進むことによって商業施設が取り壊されるなど、利便性が悪くなる場合には、査定時点ではアクセスがよかったとしても評価が下がる可能性があります。

マンション査定を依頼する際には、周辺の開発予定情報も必ずチェックしておいてください。

マンションを少しでも高額で査定してもらいたい!高額査定のためにできること3選

ここまでは、マンションの評価に影響するポイントをお伝えしました。ポイントを確認しているうちに、マンションが「高く評価されるポイント」「低く評価されるポイント」がわかってきたのではないでしょうか?

査定額を高くするためにできることを対策していきましょう!

ここでは、所有しているマンションを少しでも高額で査定してもらうために、以下の3つをお伝えします。

  1. 繁忙期に合わせて査定する
  2. 不動産会社に相談して必要があれば専有部分をリフォームする
  3. 訪問査定で住人にしかわからない魅力を伝える

①繁忙期に合わせて査定する

マンションの販売価格はマンションの状態や周辺環境も影響しますが、販売時期にも左右されます。不動産業界には繁忙期があり、人事異動や進学によって生活拠点が変わりやすい「2〜3月」は需要が高まるため、他の月と比べて査定額が高く出される可能性が高いです。

しかし2〜3月に需要が高まるからといって、2〜3月に査定を依頼すると売り出しが間に合いません。最も査定額が高くなる2〜3月に売り出せるように、10月ごろには査定依頼をしておく必要があります。

売却のチャンスを逃さないためにも、早めに不動産会社に相談または査定依頼をしておきましょう。

②不動産会社に相談して必要があれば専有部分をリフォームする

専有部分である居住スペースをリフォームしておけば、査定がプラスに動く可能性があります。マンションの査定時には、汚れや劣化、故障などの面をすべて含めた価格での評価となるため、リフォームしておけばその分評価も高くなるからです。

しかし、マンションを売却する場合、基本的に事前のリフォームは必要はありません。また、リフォームにお金をかけたからといって、その金額分高く査定額が出たり売れたりするわけではないという点も、留意しておきましょう。

たとえ専有部分が劣化していたとしても、自分でリフォームを判断するのではなく、売却のプロである不動産会社に相談したうえで、必要とならばリフォームを検討しましょう。

③訪問査定で住人にしかわからない魅力を伝える

査定方法には、基本的な不動産情報のみで査定をする「机上査定」と、マンションに直接出向いて調査を行う「訪問査定」があります。

机上査定はオンライン上でできるので、手軽にできて査定額もすぐに出せる場合が多いことがメリットです。しかし、精度は訪問査定には劣ります。

少しでも査定額を高く、詳細に出したいのなら「訪問査定」を依頼しましょう。

訪問査定であれば、「ベランダから花火大会の花火が見える」「風通しがいいから夏でも涼しい」など、住人にしかわからない魅力やポイントを直接伝えられることがメリットです。

図面やデータではわからないメリットも訪問査定では評価される可能性が高いので、査定額も高くなるかもしれません。

マンションを査定する方法と売却までの流れ

ここまでマンションの査定に影響するポイントと、査定額を高くする方法をお伝えしてきました。査定について理解ができてきたら、査定から売却までの流れを確認しておきましょう。

査定から売却までは、次の4ステップで進んでいきます。

マンションの査定依頼をする
マンションの現地調査をする
媒介契約・売買契約を締結する
物件の引き渡し・残代金の決済をする

それぞれ説明していきましょう。

STEP1.マンションの査定依頼をする

まずは、マンション売却の第一ステップとして査定依頼をします。先ほどもお伝えしたように、査定方法には簡易的な「机上査定」と詳細に調査する「訪問査定」があるので、いずれかの方法を選択しましょう。

また、査定依頼をする際には、適正な査定額を判断するためにも、信頼できる不動産会社に依頼することをおすすめします。

SUMiTAS(スミタス)では、机上査定・訪問査定のいずれも対応しておりますので「まずはざっくりとした査定額を知りたい」方は机上査定を、「詳細な査定額が知りたい」方は訪問査定を依頼してください。

STEP2.マンションの現地調査をする

訪問査定を依頼した方は、現地調査を行います。スタッフがマンションへ出向き、ここまでにお伝えしてきたようなポイントをもとに調査し、査定額を算出します。

はじめに机上査定を選んだ方も、具体的な査定を望む場合には訪問による現地調査が必要です。訪問査定では、現地でしか知り得ない情報が得られるため、自分が普段は気にかけていないような部分も査定時にはプラスに動く可能性もあります。

STEP3.媒介契約・売買契約を締結する

訪問査定によって査定額を算出してもらったら、売却を依頼する不動産会社を選び「媒介契約」を締結してから、売却活動をスタートします。契約方法には、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の3つがあるので、メリットとデメリットを把握したうえで、自分に合う方法を選択しましょう。

メリットデメリット
一般媒介売主を自分で見つけられる販売状況が見えづらく、戦略を立てにくい
専任媒介報告頻度が高く販売状況を把握しやすい1社のみに任せるため、売却が担当の力量に左右される
専属専任媒介積極的に売却活動をしてもらえる自分で買い手を見つけられない

マンションの内覧希望者が現れれば、その都度対応し、内覧を行います。その際には価格交渉を受けることもあるので、担当営業と値下げ価格を決めておくとスムーズです。

購入希望者が見つかったら、価格・引き渡し日・条件などを交渉し、双方で納得がいけば重要事項説明を行ったうえで売買契約を結びます。

STEP4.物件の引き渡し・残代金の決済をする

売買締約を締結したら、買主は住宅ローンの審査や手付金の支払いなど、決済日までにさまざまな手続きを行います。売主は仲介手数料を不動産会社に支払うので、手元に現金を用意しておきましょう。

また、売却するマンションのローン残高がある場合には、引き渡し日までに完済しておくか、完済の手続きを金融機関と済ませておいてください。手続きが滞りなく進めば、決済日にマンションの引き渡しが行われます。

物件の引き渡し日には、残代金の決済・所有権移転・鍵の引き渡しが行われます。

無事に引き渡しが完了すれば、売却活動は終了です。

マンションの査定を依頼する不動産会社を選ぶ3つのポイント

前項で、マンションの査定依頼は複数者に依頼したほうが良いと説明しましたが、査定を依頼するときにはどのような基準で不動産会社を選べばいいのでしょうか。

ここでは、査定依頼をする不動産会社を選ぶポイントを3つ紹介します。

  1. マンションのエリアに特化した不動産会社
  2. マンションの売却実績が豊富な不動産会社
  3. 信頼できる不動産会社

①マンションのエリアに特化した不動産会社

不動産会社を選ぶポイントの1つ目が、マンションのエリアに特化した不動産会社です。どんなに優良な不動産会社にも、得意ジャンルや得意エリアがあり、不得意な分野では最大限のパフォーマンスは出せません。

マンションの査定額を少しでも高くしたいと考えるのなら、マンションのエリアに特化した不動産会社に査定依頼をすることが大切です。エリアの情報に精通している不動産会社であれば、エリアの魅力や知識を交えたトークをできるので、売却できる可能性も広がります。

まずは大手や中小問わず、エリアに特化した不動産会社に査定依頼をしましょう。

②マンションの売却実績が豊富な不動産会社

先ほど説明したように、不動産会社にはそれぞれ得意ジャンルがあり、賃貸仲介に強い不動産会社もあれば、不動産投資をメインに行っている不動産会社もあります。そのため、マンションを売却するのであれば、マンションの売却実績が豊富な不動産会社に依頼することが大切です。

マンションの売却実績が豊富な不動産会社であれば、すでに顧客を抱えていることも多く、紹介してもらえるケースもあります。集客ができれば買主が見つかる可能性が広がるため、スムーズに物件を売却できるでしょう。

③信頼できる不動産会社

マンション売却が成功できるか否かは、信頼できる不動産会社と契約できるかにかかっています。その第一歩が査定依頼であり、ここで悪質な不動産会社に捕まってしまうと、売却に失敗する可能性が高くなるでしょう。

不動産会社を見極めるためには、次のようなポイントに注目してください。

  • 相場に沿った査定額を算出し、査定内容の根拠も提示しているか
  • 担当者の対応が迅速かつ丁寧であるか

査定額は「高ければいい」というわけではないので、相場に沿った価格を提示してくれる不動産会社を選んでください。不動産会社のなかには、査定額だけ高額に算出し、契約を迫る悪質な会社もあるからです。

そのため、査定額と査定内容の詳細を提示しているか、という点は、不動産会社を見極める大切なポイントとなります。

担当者の対応が迅速であるか、丁寧であるかなど、接し方や自分との相性から判断しましょう。

マンションの査定はSUMiTASの不動産売却査定

マンション売却を成功させるためには、地域に特化し、信頼できる不動産会社に依頼することが大切だと説明してきました。

SUMiTASは全国にネットワークが広がっており、データ量も豊富です。机上査定の場合も全国のビッグデータをもとに、類似性の高い物件を抽出して査定額を算出します。

さらに、自宅で物件データを入力すれば10秒で査定が完了する「簡単10秒査定」のコーナーもありますので、マンション売却の相場価格を知りたい方にもおすすめです。

また「すぐに物件を売却したい」という方には、即時買取や買取保証付仲介など、売主のニーズに合わせた方法を提案しています。

まずは無料査定から、スタートしてみてはいかがでしょうか。

マンションの査定はまず「優良な不動産会社」へ相談しよう

マンションの査定額は、物件や周辺環境などのさまざまなポイントをもとに算出されます。

査定額を高くしたいと考える方は、本記事で紹介した方法を試し、訪問査定を依頼してみてください。訪問査定を行えば、データだけではわからない、マンションの魅力やポイントを伝えて査定額をアップさせることができます。

しかし、どんなに価値のあるマンションを所有していても、優良な不動産会社に出会えなければ売却は成功しません。査定額が高ければいいわけではありませんし、大手であれば安心というわけでもないのが難しいところです。

最重要ポイント!

優良な不動産会社を見つけることがマンション売却を成功させるために最も重要です。

信頼できる不動産会社を見つけるためには、机上査定や訪問査定を行い、担当者とやりとりを進めるなかで判断することが大切です。

マンションの売却をスムーズに行い、成功させるためにも、まずは無料査定から活動をスタートしましょう。

SUMiTASは全国での査定実績を踏まえて分析し、市場の需要にあった適正な査定価格を算出しています。マンションの売却で悩んでいる方は、まず全国ネットワークのSUMiTAS(スミタス)にご相談ください。

監修者
天池 篤哉
天池 篤哉(株式会社SUMiTAS 取締役)
  • 宅地建物取引士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士

2005年から不動産賃貸仲介営業で不動産業のキャリアをスタート。
物件マニアで、『従事している期間毎日10件内見する』という裏目標を立て、6年間実施。札幌市内の賃貸物件約18,000件を内見した。
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