空き家バンクとは

空き家バンク(あきやばんく)」は、空き家を売却したい人を、空き家を購入したい人に紹介する制度です。地方自治体が運営しているので仲介手数料がかからず、売却費用を大きく抑えることができます。

今回は、空き家バンクがどのような制度なのか、メリット・デメリットを踏まえてお伝えしていきます。

自治体が運営する「空き家バンク」とは?

まずは、空き家バンクのしくみをお伝えしていきます。

空き家情報を提供するシステムのこと

冒頭にも書いたように、空き家バンクは「空き家を売りたい人」を「空き家を買いたい人」に紹介するために、空き家情報を公開する制度です。自治体運営なので無料で利用できるのはもちろん、補助金が交付されるなど、さまざまなメリットがあります。

イメージとしては、空き家の所有者と購入希望者が出会うための、空き家専用のマッチングサービスです。

空き家バンクのしくみ

空き家バンクを利用する流れを簡単に見てみましょう。

  1. 空き家を売りたい(貸したい)人が、自治体に相談して物件情報を登録する
  2. 物件情報が空き家バンクに登録・公開される
  3. 空き家の購入(賃貸)希望者が内見に来る
  4. 売買交渉をする
  5. 双方が契約内容に納得すれば、売買契約手続きを行う

一般的な不動産売買との大きな違いは「仲介業者を通さずに個人間で取引できること」です。仲介売買では不動産会社を通して取引を進めますが、空き家バンクでは、価格交渉から売買契約までのすべての手続きを自分たちで行うことができます。

自治体の目的は「空き家の紹介」であるため、基本的に売買交渉と契約に職員は介入しません。取引が不安な方は、仲介業者に仲介依頼することも可能ですが、その場合は物件価格に応じた仲介手数料がかかります。

空き家バンクで空き家を売却するメリット・デメリット

仲介手数料がかからないことが魅力の空き家バンクですが、メリットとデメリットがあります。両者をしっかり把握したうえで利用を検討してください。

メリット

空き家バンクの利用には、次のようなメリットがあります。

  • 仲介手数料がかからない
  • 補助金制度があれば購入希望者が見つかりやすい
  • 無料で空き家情報を発信できる

それぞれ見ていきましょう。

仲介手数料がかからない

空き家バンクを利用する大きなメリットは、仲介手数料がかからないことです。一般的な不動産仲介では、400万円を超える取引に対して「取引物件価格×3%+ 6万円+消費税」の仲介手数料がかかります。

仮に800万円で空き家を売却したら、33万円の仲介手数料を支払うことになります。この部分を抑えられるのは、空き家バンクを利用する大きなメリットです。

補助金制度があれば購入希望者が見つかりやすい

空き家バンクには、空き家の購入費用や改修、リフォームに対して補助金が交付されることが多く、他にも空き家の購入者を支援する制度が多くあります。

支援制度が充実していれば、初期費用を抑えて空き家を購入・活用したいと考える購入希望者が見つかりやすくなります。

無料で空き家情報を発信できる

空き家がとくに多いのは、田舎や地方などの都心部から少し離れた場所です。その場合、不動産会社の対応地域外で、ポータルサイトへの掲載すらできないケースもあります。

一方で空き家バンクであれば、県内または市内地域の空き家情報を無料で掲載することができます。

一般的な不動産仲介では取り扱いが難しい地域でも、空き家バンクを通じて物件を購入希望者にアピールできるのは、大きなメリットと言えるでしょう。

デメリット

メリットが多い空き家バンクですが、デメリットもしっかりと把握しておきましょう。

  • トラブルが起こりやすい
  • 内覧時に色々な手間がかかる
  • 不動産会社が行うような売却活動はできない

それぞれ説明していきます。

トラブルが起こりやすい

空き家バンクでは個人間での取引も可能なため、仲介業者を通さない場合は交渉から契約までを、すべて売主と買主で話し合うことになります。

しかし、素人同士の話し合いでは価格交渉や契約内容などになかなか折り合いがつかず、トラブルに発展することも少なくありません。また、引き渡し日や契約不適合責任などの取り決めについても、あやふやになる心配があります。

内見時に色々な手間がかかる

一般的な仲介売却の場合は、内見の日程調整や購入希望者との連絡はすべて不動産会社が行いますが、空き家バンクの場合はすべて自分で連絡しなければなりません。物件や売却条件などの説明もすべて自分でするので、とても手間がかかります。

仲介業者と通さなければ仲介手数料はかかりませんが、手間がかかり、トラブルのリスクもあることを覚えておいてください。

不動産会社が行うような売却活動はできない

空き家バンクは物件情報を無料で掲載できることがメリットですが、不動産会社が行うような売却活動ができないというデメリットもあります。

一般的には空き家バンクに物件情報を掲載するだけなので、買い手が現れるまで待つしかなく、売却までに時間がかかってしまうこともあります。不動産の売却を急いでいる方は、空き家バンクの利用と平行して不動産会社への仲介依頼も検討しましょう。

「空き家バンク」まとめ

自治体が運営する空き家バンクは、無料で利用できることや売却の間口を広げられるなどのさまざまなメリットがあります。

しかし、空き家バンクでできるのは物件情報の掲載のみなので、売却までに時間がかかる可能性があります。売却を急いでいる方にとっては、デメリットに感じてしまうでしょう。

空き家の売却を検討している方は、空き家バンクも活用しつつ、不動産会社に相談するのも一つの方法です。空き家の取り扱い実績が豊富な不動産会社であれば、積極的に売却活動を行ってもらえます。

SUMiTAS(スミタス)は地域に密着した営業をしており、空き家売却の仲介はもちろん、相談も承ります。空き家バンクでの売却や空き家売却でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。