空き家の買取相場はどう決まるか。土地値から逆算する計算式と、買取を断られる条件

空き家の買取相場はどう決まるか。土地値から逆算する計算式と、買取を断られる条件

監修者
吉田 宏
吉田 宏(株式会社SUMiTAS 代表取締役社長)
  • 二級建築施工管理技士
  • 宅地建物取引士
  • 測量士補
  • 賃貸不動産経営管理士

空き家を不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」は、仲介で買主を探すより早く、片付けや解体を自分でしなくて済む売り方です。その代わり価格は市場より低くなり、「市場価格の5〜8割」といった目安がよく語られます。

ただ、空き家の買取価格は「相場の何割」という掛け算で決まっているわけではありません。多くの場合、土地の値段から、建物を壊す費用と中を片付ける費用を引いた額で決まります。築30年を過ぎた木造の家では、建物の値段が価格に表れにくくなるからです。これは当社が国土交通省の取引データを集計して確かめた傾向で、空き家の売却の記事に集計の全体を載せています。

総務省の住宅・土地統計調査(2023年)では、一戸建ての空き家352万3千戸のうち80.9%が「賃貸用でも売却用でもない」空き家でした。市場に出ていない家がそれだけあり、当社の10秒査定に寄せられた戸建ての査定依頼26,376件でも築40年以上が18.5%を占めます。この記事では、買取価格の逆算式、築年数や立地で価格がどう変わるか、買取を断られる空き家の条件、仲介との手取り差、相続した空き家の税の特例との関係を、宅建業者の立場で整理します。

この記事の要点
  • 空き家の買取価格は、多くの場合「土地値 − 解体費 − 片付け費 − 諸経費・利益」で決まる
  • 築30年台で建物の値段は価格に表れにくくなる。だから買取の起点は建物ではなく土地
  • 断られるのは「訳あり」だからではなく、再販も運用もできる出口がないとき
  • 相続した空き家の3,000万円特別控除は、買主が解体する買取でも対象になり得る(判断は税務署・税理士へ)

空き家の買取価格は「土地値から解体費と片付け費を引いた額」

一戸建ての空き家352万戸のうち8割は売りにも貸しにも出ていない

買取をする不動産会社は、買い取った空き家を「再び売れる形」にして手放します。建物に値段が付くなら修繕して再販、付かないなら解体して土地として再販、どちらも難しければ駐車場などで運用する、という具合です。買取価格はこの出口から逆算して決まります。

買取価格 = 出口で売れる価格 −(解体費 + 片付け費 + 諸経費 + 会社の利益)

買取の原価構造そのものは不動産買取の流れの記事で分解しているので、ここでは空き家に特有の点だけを押さえます。空き家の多くは築年数が経っていて、「出口で売れる価格」が建物込みの価格ではなく、土地だけの価格になります。だから起点は土地値です。そこから解体費と片付け費が引かれるため、同じ土地値でも建物が大きい・残置物が多い空き家ほど買取価格は下がります。

総務省の住宅・土地統計調査(2023年)によると、全国の空き家は900万2千戸、空き家率は13.8%で、いずれも過去最高です。このうち一戸建ては352万3千戸あり、その80.9%(285万1千戸)は賃貸用でも売却用でもない、つまり市場に出ていない空き家です。売却用として空けられている一戸建ては19万1千戸(5.4%)しかありません。買取の相談が「まだ売りに出したことのない家」から始まるのは、この構造によります。

空き家の買取と仲介の違い

買取と仲介の基本的な違いは次のとおりです。空き家をそのまま売るか、解体して売るか、買取に出すかの判断は空き家の売却の記事に、買取の流れは不動産買取の流れの記事にまとめています。

項目買取仲介
買主不動産会社一般の個人が中心
価格土地値から解体・片付け・諸経費を引いた額市場価格に近い額を狙える
期間数日〜1か月程度で決済まで進める登録から成約まで平均100.9日(首都圏中古戸建て・2025年)
解体・片付け現状のまま引き渡せることが多い(解体費・片付け費は買取価格から引かれる)買主の希望で更地渡しや片付けを求められることがある
仲介手数料かからない上限は売買価格の3%+6万円+消費税(800万円以下は特例あり)
内覧会社の査定のみ買主候補の内覧に対応する
契約不適合責任特約で免責にできることが多い売主が一定期間負う

仲介で古家付きのまま売る場合の考え方は古家付き土地の売却の記事で扱っています。買取が向くのは、遠方にあって通えない、片付けから任せたい、現金化の期限がある、仲介で売り出したが買い手が付かない、といった場合です。それぞれの状況での考え方は後半の「買取を断られる空き家」と「手取り比較」で扱います。

空き家は築30年を過ぎると建物の値段が価格に表れにくい

空き家の買取価格の起点が「土地値」になる理由は、データで確かめられます。当社が国土交通省の不動産取引価格情報(2024年1月〜2025年12月)を集計したところ、木造戸建ての取引価格を土地面積で割った値は、同じ市区町村の土地だけの取引の㎡単価と比べて、築30〜39年で1.01倍とほぼ並び、築40〜49年で0.75倍、築50年以上で0.62倍と下回りました。集計の条件と全築年帯の表は空き家の売却の記事にあります。

この倍率は取引価格を土地面積で割った見かけの値で、土地の形や接道、立地の差も含みます。建物の値段を直接測ったものではありませんが、築30年台で土地だけの取引の単価に近づく傾向ははっきりしています。築40年以上では、土地だけの取引より安い水準です。この帯の家を買い取る会社は、建物に値段を付けるのではなく、「土地として売るときにいくらになるか」から解体費を引いて考えます。

当社の10秒査定に2025年7月から2026年7月に寄せられた戸建ての査定依頼のうち、機械的な連続入力を除いた26,376件では、築40年以上が4,867件(18.5%)、築30年以上では8,050件(30.5%)でした。築40年以上の戸建ての建物面積の中央値は100㎡(約30坪)、土地面積の中央値は143㎡です。次の章の例はこの規模を前提にしています。

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空き家の買取価格の逆算式と3つのパターン

出口の価格から逆算した買取価格の3つの例

逆算式を、3つのパターンに当てはめてみます。起点になる土地値は、国土交通省の取引価格情報や路線価から見当をつけられます(調べ方は路線価と実勢価格の記事にまとめています)。金額は仮置きです。解体費は木造30坪で90万〜150万円の目安(家の解体費用の記事)の中ほどの120万円としました。解体費は、重機が入れる立地か、市街地で防音などの配慮が要るか、依頼する会社の坪単価がいくらかで変わるため、120万円はこの例のために置いた数字です。自治体の補助金が使える場合は空き家の解体補助金の記事を参考にしてください。諸経費と会社の利益は例として出口価格の2割としています。実際の割合は会社と物件で変わります。

パターン出口引かれるもの買取価格の目安
A 築古・市街地(土地に買い手がつく)土地として再販 2,000万円解体費120万円+諸経費・利益400万円約1,480万円(土地値の74%)
B 築古・郊外(土地の需要が薄い)土地として再販 300万円解体費120万円+諸経費・利益60万円約120万円。土地値が150万円なら解体費で消えて買取は成立しない
C 建物に値段が乗る(修繕して住める)修繕して再販 1,800万円リフォーム費200万円+諸経費・利益360万円約1,240万円(再販価格の69%)

この表から読み取れることは2つあります。

1つ目は、「5〜8割」という幅は、出口の価格に対する引き算の大きさで決まるということです。Aのように土地値が大きければ、解体費120万円は6%にしかならず、買取価格は7割台に収まります。Bのように土地値が小さいと、同じ120万円が4割を占め、買取価格は土地値の半分以下になります。同じ家でも、建っている場所で割合が変わります。

2つ目は、土地値が解体費と諸経費を下回ると、買取そのものが成立しないということです。Bで土地値が150万円なら、解体費120万円を引いた時点でほぼ残らず、会社は利益を出せません。これが次の章の「断られる空き家」の正体です。

なお、片付け(残置物の処分)の費用は量と地域で大きく振れるため、この表には入れていません。当社の実務では、片付けは売主が全部済ませてから相談するのではなく、残したまま査定を受けることをおすすめしています。残置物がある状態で買い取る会社もあり、先に処分してしまうと、その費用が戻らないことがあるからです。ただし、エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機など家電リサイクル法の対象品は、処分にリサイクル料金がかかるため、その分を買取価格から差し引かれることがあります。

買取を断られる空き家、断られたあとの受け皿

買取を断られるのは、再販も運用もできる出口がないとき

「どんな空き家でも買い取ります」という表示を見かけますが、実際には断られる空き家があります。断られる理由は、建物が古いからでも、残置物が多いからでもありません。再販も運用もできる出口がないからです。前の章「空き家の買取価格の逆算式と3つのパターン」の表に挙げたA〜Cと対応させると、次のようになります。

  • 建物に値段が乗るなら、修繕して住まいとして再販できます(パターンC)
  • 乗らなくても土地に買い手がつくなら、解体して土地として再販できます(パターンA)
  • 土地の需要が薄くても、駐車場・資材置き場・賃貸など運用の見込みがあれば買い取る会社があります
  • 出口が1つもなければ、買取価格は計算上マイナスになり、成立しません(パターンBの土地値150万円の例)

断られやすい条件を具体的に挙げると、次のようになります。

  • 土地の需要がなく、解体費が土地値を上回る
  • 重機が入らない立地で、解体費が通常より大きく膨らむ
  • 再建築不可で、解体すると建て直せない(再建築不可の売却の記事)
  • 共有者が多く、全員の同意が取れていない(共有持分の売却の記事)
  • 会社の対応エリア外

当社で実際にあった例では、建物にシロアリの被害があって解体が必要になり、その解体費が土地の値段を上回っていました。買取は成立せず、最終的には有償での引き取りを行う業者との取引になっています。

はっきり断られない場合でも、買取の代わりに「有償での引き取り」を提案されることがあります。有償での引き取りとは、売主がお金を払って不動産を引き取ってもらうことです。契約の前に確かめる点は、このあとの「有償での引き取り」の項目にまとめています。

1社に断られても、それで終わりではありません。会社ごとに出口の作り方が違うため、別の会社なら運用の見込みを立てられることがあります。それでも買取が成立しない場合の受け皿は、次の3つです。

  1. 有償での引き取り: 売主が費用を払って手放す形です。解体費や処分費を負担する代わりに、以後の固定資産税と管理から解放されます。ただし公的な制度ではなく業者との個別の契約なので、所有権の移転が確実に完了するか、追加費用の定めがないかを契約書で確かめ、業者の免許と実績も確認してください。不安があれば、契約前に司法書士や弁護士に相談する取引です
  2. 相続土地国庫帰属制度: 相続した土地を国に引き取ってもらう制度です。建物があると使えないなど条件が厳しく、負担金もかかります。要件は相続土地国庫帰属制度の記事と却下事由の記事にまとめています
  3. 自治体の空き家バンク・寄付: 自治体によって受け入れ条件が大きく違います。まず所在地の自治体の空き家の窓口に相談してください

放置した場合に何が起きるかは特定空家と管理不全空家の記事で扱っています。土地が長く売れないときの考え方は土地が売れないときの記事にまとめました。

実額で比べる: 空き家の仲介と買取の手取り

土地1,500万円の空き家の仲介と買取の手取り比較。差は約224万円

価格だけ見れば仲介が有利です。ただし空き家の仲介では、買主から「更地にして引き渡してほしい」と求められることがあり、そのときは解体費が売主の負担になります。土地として1,500万円で売れる空き家で、更地渡しを求められた場合と、買取の提示が1,100万円だった場合を比べます。

項目仲介(更地渡しを求められた場合)買取
受け取る価格1,500万円(想定)1,100万円
仲介手数料(法律上の上限)56.1万円0円
解体費(木造30坪)120万円0円(現状のまま引き渡し)
印紙税(1,000万円超5,000万円以下の契約)1万円1万円
手取りの目安約1,323万円約1,099万円

差はおよそ224万円です。ここに、この表に入れていない費用が乗ります。片付け・残置物の処分費、売れるまでの固定資産税と管理の手間(空き家の火災保険の扱いは空き家の火災保険の記事にまとめています)、そして売却期間です。首都圏の中古戸建ては登録から成約まで平均100.9日(東日本レインズ・2025年)かかり、そこから引き渡しまでさらに1〜2か月あります。遠方の空き家で毎回通う交通費も、実際には手取りを削ります。媒介契約や売買契約の書面は、売主が承諾すれば電子的な方法で受け取れるようになっており(宅地建物取引業法34条の2第11項・37条4項)、契約の手続きのために現地へ行く回数は減らせます。それでも、片付けや建物の管理で通う分は残ります。

仲介手数料の計算方法と、800万円以下の売却で使える特例は仲介手数料の上限の記事に、売却にかかる費用の全体像は不動産売却の費用の記事にまとめています。

差額224万円を、時間と手間と確実さで埋められるかどうかが、買取を選ぶ分岐です。期限がなく、片付けと解体の段取りを自分で組めるなら、仲介から始めるのが定石です。ただし、査定を取る前に解体やリフォームをしないでください。建物に値段が付くかどうかは査定で分かり、壊してしまうと戻せません。この順番については空き家の売却の記事で詳しく書いています。

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相続した空き家の3,000万円特別控除は買取でも対象になり得る

相続した空き家を売る場合、要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円(その家屋と敷地を相続または遺贈で取得した相続人が3人以上のときは1人あたり2,000万円)を控除できる特例があります。「買主が不動産会社だと使えないのでは」と聞かれることがありますが、買主が法人であること自体は除外の理由になりません。対象外になるのは、配偶者や直系血族、生計を一にする親族、同族会社など、売主と特別の関係がある者への譲渡です。第三者である買取業者への売却は、その点では除外されません。

買取との関係で押さえておきたいのは、耐震の要件です。この特例は、家屋が耐震基準を満たしているか、家屋を取り壊して売ることが要件でした。2024年1月1日以後の譲渡については、売った翌年の2月15日までに買主が耐震改修または取り壊しを行った場合も対象になります。買取では、買い取った会社が解体して土地として再販することが多く、この改正でその形でも要件を満たし得るようになりました。

そのほかの主な要件も、事実として挙げておきます。

  • 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋で、区分所有建物の登記がされていないこと
  • 相続の開始の直前に、被相続人以外に居住していた人がいなかったこと
  • 相続の時から売却の時まで、事業・貸付・居住の用に供していないこと
  • 適用できるのは2027年12月31日までの譲渡

買主が解体する形で特例を使う場合、売買契約書の特約や、取り壊しを証明する書類が手続きで必要になります。この特例が実際に使えるかどうかの判断は、税務署または税理士へご相談ください。ここに書いたのは制度の枠組みと期限だけで、老人ホームに入所していた場合の扱いなど例外もあります。相続した不動産の売却の手順は相続した土地の売却の記事にまとめています。

なお「3年以内」には2つの意味があるので、混同しないでください。1つは上の特例の期限(相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日)、もう1つは相続登記の義務です。相続登記は2024年4月1日から義務化されており、相続の開始と所有権の取得を知った日から3年以内に申請しなければなりません(不動産登記法76条の2)。買取でも仲介でも、名義が亡くなった方のままでは所有権を移せないため、先に相続登記が要ります。

買取後、その空き家はどうなるか

買い取られた空き家の行き先は、逆算式の「出口」そのものです。

  • 修繕して再販: 建物に値段が乗る場合。内装や設備を直し、住まいとして再び売り出されます
  • 解体して土地として再販: 建物に値段が乗らない場合。更地にして土地の買い手を探します。空き家の買取では代表的な形の一つで、買取価格が「土地値から解体費を引いた額」になる理由です
  • 運用: 土地の需要が薄い場合。駐車場・資材置き場・賃貸などで収益を出す形です

売主にとって大事なのは、どの出口を想定して査定したかを会社に聞くことです。「土地として売る前提で、解体費はいくらと見ているか」を聞けば、提示額の意味が読めます。買い取った後にどう使うかは会社の自由で、売主に説明する義務があるわけではありません。ただ、答えられない提示額は、比較の材料にしにくいものです。

買取の流れと、空き家で要る書類

流れの詳細は不動産買取の流れの記事で7ステップに分けて説明しています。空き家で特に確認しておきたいのは、査定の前に名義と境界を確かめることです。相続した空き家で名義が亡くなった方のままなら先に相続登記が要り、境界が確定していなければ買取価格が保守的になります。

書類取得先・備考
登記識別情報通知(権利証)取得時に法務局から交付。紛失しても売却はできるが、司法書士の本人確認手続きが追加で必要
固定資産税の納税通知書・評価証明書市区町村の税務課。固定資産税の精算に使う
印鑑証明書・実印市区町村。発行から3か月以内のものが求められることが多い
住民票登記上の住所と現住所が違う場合に必要
本人確認書類運転免許証・マイナンバーカードなど
相続登記済みの登記事項証明書相続した空き家の場合。法務局
境界確認書・測量図あれば。なければ買取価格に影響することがある

書類の全体像は売却に必要な書類の記事にまとめています。

契約不適合責任については、買取では特約で免責にできることが多い一方、売主が知りながら告げなかった事実は、特約があっても責任を免れられません(民法572条)。雨漏り・傾き・過去の事故など、知っていることは告知書に書いて渡してください。

空き家の買取でよくある質問

空き家が売れない理由は何ですか?

理由は大きく5つに分かれます。立地に住宅の需要がない、建物の状態が悪く買主が住宅ローンを使いにくい、再建築不可などの法規制がある、共有者の同意など権利の整理ができていない、価格の設定が市場より高い、です。内覧が入っているのに決まらないなら価格、内覧自体が入らないなら立地か情報の出し方に原因があることが多いです。土地が売れない場合の対処は土地が売れないときの記事にまとめています。

空き家を相続して3年以内に売るとどうなる?

「3年」には2つの意味があります。1つは税の特例の期限で、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売れば、要件を満たす場合に譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。もう1つは相続登記の義務で、相続の開始と所有権の取得を知った日から3年以内に登記を申請する必要があります。特例が使えるかどうかの判断は税務署または税理士へご相談ください。

古い空き家はどうしたらいいですか?

選択肢は、そのまま売る、解体して更地で売る、買取に出す、貸す、相続土地国庫帰属制度を使う、の5つです。分かれ目は建物に値段が付くかどうかで、それは査定で分かります。解体もリフォームもしない現況のまま、複数社に査定を依頼するのが最初の一歩です。売り方の選び方は空き家の売却の記事で、築50年前後の家の売り方は築50年の一戸建ての記事で扱っています。

残置物がある空き家でも買い取ってもらえますか?

残したまま買い取る会社は多くあります。ただし処分費は買取価格から差し引かれる形になることが一般的で、家電リサイクル法の対象品はリサイクル料金がかかります。先に自分で処分すると、その費用が戻らないことがあるため、片付ける前に査定を受けてください。

空き家の買取でも契約不適合責任は免除されますか?

特約で免責にできることが多いです。ただし民法572条により、売主が知りながら告げなかった事実は免責されません。雨漏りや傾き、過去の事故など、知っていることは告知したうえで免責特約を結んでください。

空き家の買取価格は市場価格の何割ですか?

一律の割合はありません。建物に値段が乗らない空き家では、土地値から解体費・片付け費・諸経費・会社の利益を引いた額になり、土地値が大きいほど割合は高く、土地値が小さいほど低くなります。同じ家でも建っている場所で割合が変わるため、「何割」より「出口と引き算の内訳」を会社に聞いてください。

まとめ: 空き家の買取は、土地に買い手がつくかで答えが決まる

空き家の買取価格は「相場の何割」ではなく、出口で売れる価格から解体費・片付け費・諸経費・利益を引いた額で決まります。築30年を過ぎると建物の値段が価格に表れにくくなるため、起点は土地値です。土地値が大きければ買取価格の割合は高く、小さければ低くなり、土地値が解体費を下回れば買取は成立しません。

断られる理由は「訳あり」だからではなく、再販も運用もできる出口がないからです。1社に断られても別の会社で出口が見つかることはあり、それでも難しければ有償引き取り・国庫帰属・自治体の窓口という受け皿があります。

仲介との手取り差は、この記事の例(土地1,500万円・更地渡し・買取の提示1,100万円)では200万円台になります。この差額を時間と手間と確実さで埋められるかが分岐です。相続した空き家なら、買主が解体する買取でも3,000万円特別控除の対象になり得ます。

いずれの場合も、査定の前に解体や片付けをしないでください。まずは現況のままで、いくらになるかを把握するところからで構いません。当社の10秒査定は、匿名で、電話番号の入力もなくお使いいただけます。

まだ売ると決めていなくても、
相場だけなら見られます。

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吉田 宏
吉田 宏(株式会社SUMiTAS 代表取締役社長)
  • 二級建築施工管理技士
  • 宅地建物取引士
  • 測量士補
  • 賃貸不動産経営管理士

愛媛大学在学中に愛媛県で株式会社アート不動産を創業する。現在アート不動産では、アパマンショップ(賃貸)を5店舗、SUMiTAS(売買)を2店舗・管理センターを1店舗、売買店舗を2店舗運営。吉田 宏の詳細プロフィールはこちら