住み替えでよくある失敗例は?対策と住み替えで注意すべきポイントも解説

住み替えでよくある失敗例は?対策と住み替えで注意すべきポイントも解説

監修者
天池 篤哉
天池 篤哉(株式会社SUMiTAS 取締役)
  • 宅地建物取引士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士

「きれいで新しい家に住みたい」「今よりも住環境を良くしたい」など、住み替えは新居への期待を胸に行うものですが、引っ越し後に後悔している方が一定数いるのも事実です。

なぜ住み替えで失敗してしまうのでしょうか

本記事では、住み替えでよくある失敗例から対策をお伝えしていきます。住み替えを成功させるためには失敗から学ぶことが大切ですので、ぜひ参考にしてください。

住み替えでよくある資金面での失敗例と対策

住み替えでよくある失敗例が、費用や予算、住宅ローンの返済などの「資金面」での失敗です。ここでは住み替えの資金面で多くみられる失敗例を3つ挙げ、それぞれの対処法とともに解説していきます。

家が希望価格で売れず資金計画が崩れた

持ち家やマンションを売却して新居を購入する住み替えでは「持ち家を希望価格で売却できなかったために、資金計画が狂ってしまった」という失敗例がよくあります。資金計画が崩れたことで新居のローン返済が厳しくなったり、生活に困窮したりして、住み替えを後悔してしまうのです。

とくに資金計画の失敗が多いのが、新居を先に購入する「買い先行」です。

持ち家の住宅ローンを売却金で完済できると思っていたものの、値下げや値引きによって希望価格で売却できず、ローンが残ってしまうケースはよくあります。

その場合、手元資金からの補填が必要になり、思わぬ出費が増えたことで資金計画が大きく崩れてしまうのです。

資金計画の失敗を防ぐためには、持ち家を先に売却する「売り先行」で動くのが有効です。売却価格に応じた資金計画を立てれば、返済が厳しくなるリスクを回避できます。

リスクを承知で買い先行で住み替えたいのなら、住宅ローンの借入額は余裕を持って返済できる額にしておきましょう。住宅ローンの返済に余裕があれば、もし旧居の残債が重なっても返済が厳しくなるリスクを防げます。

また、「およその売却価格」を知っておくことも重要です。信頼できる不動産会社に査定依頼をすれば、売却価格に近い金額を知れるので、住み替えの資金計画が立てやすくなります。

資金計画で失敗しないためには、持ち家やマンションが希望価格で売れなかったときのリスクヘッジを考えておきましょう。

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新居がなかなか見つからず仮住まい費用が予定より多くかかった

先に持ち家を売却する「売り先行」で住み替える場合、持ち家の引き渡しまでに新居が決まっていなければ、仮住まいが必要です。

仮住まいに引っ越すときには、引っ越し費用はもちろん、敷金礼金や前家賃などの賃貸物件へ入居するための初期費用も必要になります。さらに新居がなかなか見つからず、仮住まい期間が長くなれば、その分家賃に支払う費用もかさみます。

仮住まい期間をできるだけ短くする、または仮住まいをせず住み替えるためには、新居の目星をつけてから売却活動を始めましょう。購入希望者が引っ越しを急いでいないのなら、引き渡し日を新居への引っ越し日に合わせて調整してもらうのもひとつの手です。

不動産会社と相談しながら、仮住まいの期間や必要性を考えてみてください。

ランニングコストを考えていなかった

住み替え時に見落としがちなのが、住宅のランニングコストです。

ランニングコストは住宅を所有する限りは必ずかかり、それがどのくらいの金額になるのかは、新居の所在地や導入設備によって異なります。たとえば地価が高い土地は固定資産税や都市計画税が高く、太陽光パネルや床暖房などを導入すると、機器類の定期的なメンテナンスが必要です。

見落としがちな、住宅のランニングコストの例(税金・太陽光パネル・床暖房など)

住み替え時にランニングコストを見落とすと、思わぬ出費に家計が圧迫される恐れがあります。郊外から都市部へ住み替える場合や、設備を導入して住宅性能を高める場合などは、税制面やメンテナンス費用も加味しながら、返済計画を考えることが大切です。

住み替えでよくある物件選びの失敗例と対策

住み替えの物件選びは失敗したくない」と、誰しもが旧居の失敗や後悔を新居選びに活かそうと考えます。しかし住み替えの物件選びで失敗し、後悔してしまうことはよくあります。なぜ住み替えの物件選びで失敗してしまうのか、3つの失敗例からお伝えしていきます。

引っ越し期限に焦って物件を妥協してしまった

先に持ち家が売れたときには、新居選びに焦って妥協してしまうケースがよくあります。新居の購入が引っ越し期限に間に合わないと仮住まいが必要になり、仮住まいをする場合は仮住まい期間が長くなるほど家賃がかさんでしまうからです。

余裕を持った引き渡しを

売買契約から引き渡しまでの期間は1か月〜2か月が一般的ですが、販売条件で引き渡し時期をあらかじめ指定しておくことも可能です。引き渡し日までに3〜4か月ほどの猶予があれば、物件をじっくり吟味できます。

引っ越し前よりも周辺環境が悪くなった

住環境を良くするために住み替えたはずが、引っ越し前よりも周辺環境が悪くなったという失敗例もよくあります。たとえば隣人関係の問題や、スーパーや病院、学校が遠くなったなど、物件の内見だけでは知り得ない部分を後悔する方が多いようです。

周辺環境での失敗を防ぐためには、物件の室内だけではなく、次のようなポイントを確認しておきましょう。

  • 近隣施設の位置関係や実際に歩いてみたときの距離感
  • 隣家や周辺に住んでいる人の雰囲気

近隣関係を詳しく知りたいときには、不動産会社や売主に聞くのもひとつの手です。1度だけではなく何度か足を運び、しっかりと周辺環境を調べておきましょう。

家具や家電のサイズが合わず買い替えが必要になった

住み替えで思わぬ出費になるのが、家具や家電の買い替え費用です。

家具や家電のサイズが新居に合わなければ買い替えが必要になり、出費がかさんでしまいます。とくに大型家具や家電は金額も高く、買い替えに数十万以上かかってしまうこともあります。

持ち物をそのまま使いたいと考えるのなら、必ず新居の室内サイズを測って収まりを確かめておきましょう。一戸建て住宅の場合は、2階に置くベッドや机などが階段を通れないこともあるので、階段の広さも忘れずに測っておきましょう。

住み替えで失敗しないために注意するポイント

ここまでは住み替えでよくある失敗例と、対策をお伝えしてきました。もう少し失敗対策を深堀して、住み替えで失敗しないために注意すべきポイントも頭に入れておきましょう。

住み替え期間は余裕を持っておく

売却期間に限りがある住み替えでは、すぐに買い手を見つけるために値下げが必要になり、希望価格で売却できない可能性も出てきます。

持ち家を希望価格で売却し、新居探しもじっくり行うためには、余裕を持った住み替え期間を設けることが大切です。一般的な住み替え期間は3か月~半年ほどですが、売却を急がず、じっくりと物件を探すのなら、売却活動も含めて半年〜1年ほどかけるのが理想です。

転勤などで住み替え期間が限られている場合も、売却期間はできるだけ長く取れるよう、住み替えが決まったらすぐに売却活動を始めましょう。

家の売却相場を調べておく

持ち家のおおよその売却価格が予想できれば、新居購入の資金計画を立てやすくなります。とくに住宅ローンの残債がある場合、売却価格によっては自己資金からの補填や住み替えローンが必要になるので、相場の把握は必須です。

まずは、持ち家がどのくらいの価格で売れそうなのか、売却相場を調べてみてください。

周辺環境や室内状況なども含めた詳細な査定額を知りたいのなら「訪問査定」がおすすめですが、相場だけを調べるのなら「簡易査定」を利用しましょう。

SUMiTAS(スミタス)の「簡単10秒査定ならば、持ち家の住所や面積、築年数などを入力すれば、すぐにおおよその査定額がわかります。無料かつ匿名で利用できるので、売却相場を調べる際にぜひご活用ください。

「売り先行」で住み替える

資金計画の失敗を避けるためには、持ち家を先に売却する「売り先行」で動きましょう。売り先行であれば持ち家の売却価格が確定しているので、新居の予算を考えやすくなります。

また、持ち家の売却金で住宅ローンが完済できない場合も、住み替えローンの利用や自己資金からの補填など、できるだけ負担が少ない方法を決められるのもメリットです。

しかし、物件選びの失敗の章でお伝えしたように、売り先行の場合は仮住まい費用がかかり、新居探しに焦ってしまうなどのデメリットも存在します。これらのデメリットを加味しても売り先行にした方がいいのは、自己資金が少ない方や、ローンの残債が住宅価値を上回る「オーバーローン」の方です。

逆に自己資金を用意できる方や、住宅ローンの残債よりも住宅価値の方が高い「アンダーローン」の方は、新居選びに時間を割ける買い先行で動いたほうが良いでしょう。自分にとってどの方法が最も適しているのか、不動産会社と相談しながら考えてみてください。

住み替えの対応実績が豊富な不動産会社に相談する

住み替えで失敗しないために最も大切なのは、住み替えの対応実績が豊富な不動産会社に相談することです。中古物件の売却だけではなく、新築物件の取り扱い実績も多い不動産会社であれば、持ち家の売却から新居の購入までワンストップで対応してもらえます

また、住み替えでよくある失敗例から先回りして対策を考えてくれるので、住み替えで失敗や後悔するリスクも避けられるでしょう。

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固定資産税や住宅ローンの負担も考慮する

資金計画の失敗例でお伝えしたように、地価が高い地域に引っ越したり、住宅性能が高くなったりすると、固定資産税が高くなります。さらに、住み替えで住宅ローンの月々の返済額が今の持ち家よりも増える場合は、年間支出が大きく増えます。

住み替え時で失敗しないためには、売却や物件選びだけではなく、長期的なマネープランも考えることが重要です。マネープランを立ててみて返済が厳しいと感じたのなら、新居にかける予算の見直しや、住み替え自体を再検討したほうがいいでしょう。

住み替えでは持ち家の売却と新居の物件選びに気を取られがちですが、その先にある住宅ローンの長期的な返済にも目を向けてみてください

資金計画とスケジュールに余裕のある住み替えを!

住み替えで失敗しないためには、失敗例を知り、先回りして対策を考えておくことが大切です。資金計画で失敗してしまうと返済ができなくなり、最悪の場合、新居を手放すことになってしまいます。

しかし資金計画を優先して売り先行で動くと、新居探しに焦ってしまったり、仮住まい費用がかさんだりして、結果的に「失敗した」と感じてしまうかもしれません。そして「持ち家を売却して新居を購入する」「売却と購入のタイミングを合わせる」こともとても難しく、住み替えを途中で断念してしまう方も少なくありません。

ご自身の状況に合わせた住み替え方法を見つけるためには、住み替えの専門家である不動産会社に相談するのが確実です。

SUMiTAS(スミタス)では、お客さまの状況に合わせた住み替え方法をご提案しております。持ち家・中古マンション・土地などの売却はもちろん、新居の購入までしっかりとサポートしますので、住み替えを成功させたい方は、お気軽にご相談ください。

監修者
天池 篤哉
天池 篤哉(株式会社SUMiTAS 取締役)
  • 宅地建物取引士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士

2005年から不動産賃貸仲介営業で不動産業のキャリアをスタート。
物件マニアで、『従事している期間毎日10件内見する』という裏目標を立て、6年間実施。札幌市内の賃貸物件約18,000件を内見した。
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