【2023年最新】公示地価ランキング。全国平均が2年連続で上昇

公示地価 2023年

監修者
天池 篤哉
天池 篤哉(株式会社SUMiTAS 取締役)
  • 宅地建物取引士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士

2023年3月22日に国土交通省が発表した、最新の公示地価ランキングを紹介します。

2023年の公示地価は、コロナ禍から経済活動が少しずつ再開してきたことも関係して、全用途平均が2022年に続いて2年連続で上昇しました。

公示地価は土地の用途を分類しており「住宅地」「商業地」「工業地」「全用途」の4つに分けられますが、本記事では「住宅地」と「商業地」のランキングを紹介します。

公示地価が上昇した理由や、公示地価が上昇するメリットやデメリットも解説していきますので、不動産を所有している方は、ぜひ参考にしてください。

2023年公示地価ランキング(全国)

2023年1月1日時点での全国の公示地価は、どのように変化したのでしょうか?

ランキング形式で見てみましょう。

【住宅地:価格順】公示地価ランキングTOP10

まずは、住宅地の公示地価ランキングのTOP10を紹介します。

順位都道府県住所令和5年公示地価対前年変動率
1位東京都港区赤坂1-14-115,120,000円/㎡2.4%
2位東京都千代田区六番町6番14,280,000円/㎡3.1%
3位東京都港区白金台3-16-103,990,000円/㎡2.8%
4位東京都港区南麻布4-9-343,750,000円/㎡2.7%
5位東京都港区南麻布1-5-113,390,000円/㎡4.3%
6位東京都千代田区三番町6番253,340,000円/㎡3.1%
7位東京都千代田区一番町16番33,180,000円/㎡3.2%
8位東京都千代田区九段北2-3-253,110,000円/㎡3.3%
9位東京都渋谷区恵比寿西2-20-73,040,000円/㎡5.2%
10位東京都港区赤坂6-19-232,910,000円/㎡3.6%

住宅地の公示地価ランキングは、例年通り1〜10位までをすべて東京都が占めています。

順位は2022年から変わりなく、1位は近くに虎ノ門ヒルズや六本木ヒルズなどがある「港区赤坂1-14-11」でした。1㎡あたりの価格は前年の500万円から2.4%変動して512万となり、6年連続で1位を獲得しています。

赤坂エリアはコロナ禍においても地価の上昇が続いていたため、経済活動の回復とともにさらに上昇していくことが予想されます。

【商業地:価格順】公示地価ランキングTOP10

次は、商業地の公示地価ランキングを見てみましょう。

順位都道府県住所令和5年公示地価対前年変動率
1位東京都中央区銀座4-5-6(山野楽器銀座本店)53,800,000円/㎡1.5%
2位東京都中央区銀座5-4-3(対鶴館ビル)46,000,000円/㎡1.1%
3位東京都中央区銀座2-6-7(明治屋銀座ビル)39,500,000円/㎡1.0%
4位東京都中央区銀座7-9-19(ZARA)38,600,000円/㎡1.0%
5位東京都千代田区丸の内2-4-1(丸の内ビルディング)36,700,000円/㎡0.0%
6位東京都新宿区新宿3-24-1(NEWNO・GS新宿)36,600,000円/㎡0.8%
7位東京都新宿区新宿3-30-11(新宿高野第2ビル)35,000,000円/㎡1.4%
8位東京都千代田区大手町2-2-1(新大手町ビルディング)28,800,000円/㎡0.0%
9位東京都中央区銀座4-2-15(塚本素山ビルディング)28,600,000円/㎡1.4%
10位東京都中央区銀座6-8-3(銀座尾張町TOWER)28,500,000円/㎡1.1%
10位東京都渋谷区宇田川町23-3(渋谷第一勧銀共同ビル)28,500,000円/㎡2.5%

商業地のランキングも1〜10位までをすべて東京都が占めており、1位は17年連続で「山野楽器銀座本店」が獲得しています。他順位に関しては、今年9位の「塚本素山ビルディング」と、10位「銀座尾張町 TOWER」が入れ替わりました。

また、前年度はTOP10に入らなかった「渋谷第一勧銀共同ビル」が、前年度から2.5%の変動率で「銀座尾張町TOWER」と同価格で10位にランクインしています。

商業地の地価が上昇した理由については、後ほど説明していきます。

公示地価はどうやって決まる?

前項で紹介した公示地価は、国土交通省から毎年発表される1㎡あたりの土地の価値を示した数字で、売却価格を決めるときの指標の1つとなります。

公示地価の内容や決まり方、他の土地評価基準との違いについては下記の記事で説明していますので、こちらもあわせて参考にしてください。

不動産の所在地や周辺の評価基準に目を通しておけば、物件の売り出し価格を決める際に役立ちます。ランキング外の公示地価は国土交通省のホームページで見ることができるので、価格を決める前に必ず確認しておきましょう。

2023年の公示地価が上昇した理由

2022年に続き、2023年も公示地価が上昇した理由にはどのようなことが挙げられるのでしょうか。2023年の公示地価に影響したと考えられる、3つの要因を説明していきます。

住宅ローンの低金利が続いているから

公示地価が上昇した理由の1つとして考えられるのが、住宅ローンの低金利が続いていることです。住宅ローンの低金利は、消費者の不動産売買意欲に直結します。

物価上昇によって購入価格が高値になったとしても、ローンの返済負担は抑えられることから、住宅需要が増え続けて地価の上昇にもつながったと考えられます。

住宅地の地価は、どのように推移しているのでしょうか。

過去3年間の変動率を見てみましょう。

2021年2022年2023年
全国△0.4%0.5%1.4%
三大都市圏(東京圏、大阪圏、名古屋圏)△0.6%0.5%1.7%
地方四市(札幌、仙台、広島、福岡)2.7%5.8%8.6%

コロナ禍に入ったばかりの2021年は、活動自粛が求められていたことから取引件数が減少し、全国的に地価は下落しました。しかし、ウィズコロナが浸透してきた2022年には地価は再び上昇していることからも、低金利による住宅需要の増加が関係していると予想されます。

コロナ禍からの経済活動再開

22023年の公示地価は、コロナ前への経済活動の回復傾向が顕著に現れました。

まずは、商業地における過去3年間の地価変動率を見てみましょう。

2021年2022年2023年
全国△0.8%0.4%1.8%
三大都市圏(東京圏、大阪圏、名古屋圏)△1.3%0.7%2.9%
地方四市(札幌、仙台、広島、福岡)3.1%5.7%8.1%

住宅地と同様に、緊急事態宣言が何度も発令された2021年は経済活動に制限がかかり、全国的に地価は下落しました。しかし、2022年と2023年は上昇しており、これには経済活動の再開が関係していると考えられます。

日本がコロナ禍に入り今年で4年目を迎えますが、緊急事態宣言が発令されることはなく、新施設のオープンやイベント、コンサートなども少しずつ開催されるようになってきました。また、全国旅行支援や外国人観光客の受け入れもはじまり、全国の観光地もコロナ以前のようににぎわいをみせています。

これが追い風となり、浅草をはじめとした熱海や奈良、宮島といった観光地の公示地価が昨年よりも上昇したと考えられます。実際に前項で紹介した商業地の公示価格TOP10の中でも、昨年度から地価が下落した場所はありません。

コロナ禍からの回復や物価上昇も相まって、商業地の地価はこれからも上昇していくことが予想されます。

公示地価が上昇するとどうなる?

2年連続で公示地価が上昇していますが、地価の上昇は不動産にどのように影響するのでしょうか。不動産所有者にとっての、メリットとデメリットを確認していきましょう。

上昇によるメリット

まずは、地価の上昇によるメリットを見てみましょう。

  • 不動産を高値で売却しやすくなる
  • 資産価値が高くなる
  • 不動産活用の選択肢が広がる

地価が上昇すると土地の資産価値も高くなるため、不動産を高値で売却しやすくなります。周辺エリア一帯の不動産価格が上昇傾向になる可能性が高いので、高値で売り出しても有利に売却を進めることができるでしょう。

また、公示地価が高い場所にある不動産は、賃貸物件として貸し出すのも1つの方法です。賃貸物件にするためにリフォームや建て替えする場合も、不動産の担保価値が高いと判断されて融資を受けやすくなります。

このように、地価が上昇することは不動産の所有者にとって多くのメリットがあります。

上昇によるデメリット

地価の上昇は所有者にとってメリットが多くありますが、一部デメリットもあります。

  • 固定資産税や相続税、贈与税などの税金が高くなる
  • 買い手が見つかりづらくなる

地価の上昇によって資産価値が高くなると、固定資産税や相続税、贈与税などの税金が高くなります。これらの税金は不動産の資産価値をもとに計算されるため、資産価値が高ければ高いほど税金も高くなってしまうのです。

相続税と贈与税は所有者に納税義務はありませんが、固定資産税は不動産を所有している限り納める義務があります。不動産が売れるまでに時間がかかると、その分税負担も重くなることを覚えておきましょう。

また、不動産を高く売り出せるということは、その分買い手の出費が大きくなるということです。価格が高くなるほど購入希望者は絞られていくので、物件価格が高くなることで買い手が見つかりづらくなる可能性もあるでしょう。

2023年に不動産の売却を検討している方は、SUMiTASにご相談を

本記事では、2023年の「住宅地」「商業地」の公示地価をお伝えしてきました。公示地価ランキングTOP10の順位にほとんど変動はなかったものの、「住宅地」「商業地」の公示地価はどちらも2022年度から上昇していました。

地価が上昇すると不動産の資産価値も上がり、固定資産税などの税負担が重くなるデメリットはありますが、逆を言えば、不動産を高値で売却できる可能性があるということです。

公示地価が上昇傾向にあるエリアに不動産をお持ちの方は、想像以上の高い価格で売却できる可能性もありますので、このタイミングで売却を検討してみてはいかがでしょうか?不動産売却実績が豊富なSUMiTAS(スミタス)にご相談いただければ、お客さまの不動産を高く・早く売れるようにお手伝いいたします。

不動産の売却について少しでも気になる方は、お気軽にお問い合わせください。

監修者
天池 篤哉
天池 篤哉(株式会社SUMiTAS 取締役)
  • 宅地建物取引士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士

2005年から不動産賃貸仲介営業で不動産業のキャリアをスタート。
物件マニアで、『従事している期間毎日10件内見する』という裏目標を立て、6年間実施。札幌市内の賃貸物件約18,000件を内見した。
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