相続した不動産の評価額 | 評価方法や減額して節税する方法 

相続した不動産の評価方法 | 評価方法や減額して節税する方法 

不動産を相続する際、資産価値に応じて相続税が課されます。

不動産の相続税額を知るためには、該当不動産の評価額を算出する必要があり、その価額がどのような指標に基づいて算定されているかを理解しておくことが重要です。

この記事では、相続税の計算において、不動産の評価額がどのように算出され、評価額を減額する方法についてお伝えします。不動産を相続した方や相続する予定がある方はぜひ参考にしてください。

相続税評価額とは

相続税評価額とは、相続税の対象となる財産の評価額を指します。現金であれば財産の価値は分かりやすいですが、現金以外の財産は簡単に価値を判別することが難しいものです。このため、財産の種類によって評価方法が決められており、評価方法に従って計算した財産の価額のことを相続税評価額といいます。

不動産の場合は、取引の際に用いられる時価以外にもさまざまな指標があり、1つの不動産に5つ(あるいは6つ)の価格があります。このことを一物五価(あるいは一物六価)と呼び、そのうちの一つが相続税評価額なのです。

なお、不動産には土地と建物があり、それぞれで相続税評価額の決まり方が違う点にも注意しなければなりません。

次の章から、土地と建物それぞれの相続税評価額について説明します。

土地の評価方法

まずは土地の評価方法について説明します。不動産は「動かすことができない財産」であり、一つとして同じものがないという特性を備えています。また、土地によって評価額を算出するルールが異なることも押さえておかなければなりません。

具体的なルールは「路線価方式」と「倍率方式」の2つが挙げられます。それぞれ詳しく説明します。

①路線価方式とは

路線価方式とは、土地に面した道路に価格(路線価)が定められており、路線価と土地の面積(地積)に補正率を掛け合わせることで、土地の相続税評価額を算出する方式です。数式で表すと下記の通りです。

相続税評価額 = 路線価 × 補正率 × 地積

路線価が定められているエリアにおいては、こちらの路線価方式により相続税路線価を算出します。

例えば、路線価が300千円の道路に面する土地の面積が100㎡で補正率が1.0である場合、300千円×100㎡=30,000千円、つまり3,000万円と求められます。

ただし、土地は必ずしも整った形をしているとは限りません。また、同じ100㎡でも正方形の土地と長方形の土地とでは使いやすさが異なるケースがあるでしょう。

路線価においては、こうした土地の形に応じて、価格を補正する必要があります。例えば、以下のようなものが挙げられます。

  • 奥行価格補正
  • 間口狭小補正
  • 不整形地補正

それぞれ詳しく説明します。

奥行価格補正

奥行価格補正とは、土地の一面だけが道路に面しているケースで、その道路に対する奥行きの距離に応じて補正がなされるというものです。

奥行の距離がどの程度の長さだと補正されるかについては、宅地なのか工場のための土地なのかなどによって異なりますが、例えば「普通住宅」のための土地であれば、10m以上24m未満であれば補正率1.0であり、それより短い場合と長い場合で評価額が低くなるように設定されています。

間口狭小補正

間口狭小補正とは、土地が道路と接する面(間口)の距離が短いほど土地の評価額が低くなるというものです。

こちらも、宅地や工場用地、商業用地などによって補正率が異なり、普通住宅のための土地であれば間口の幅が8mを下回った場合に補正を受けるようになっています。 

不整形地補正

不整形地補正とは、土地の形がいびつなケースで相続税評価額の補正を行うものです。

不整形地補正においては、かげ地割合による補正を行います。かげ地割合とは、土地を整形地で囲った場合にはみ出る部分の割合のことです。

例えば、10m×10m=100㎡の整形地の中に、いびつな形の土地50㎡がある場合のかげ地割合は50%となります。

不整形地補正においても、住宅地なのか商業地なのかなどによって補正率が異なりますが、普通住宅で50㎡の場合、かげ地割合が50%の場合の補正率は0.79です。

②倍率方式とは

倍率方式とは、路線価が定められていないエリアにおいて用いられる方式です。

エリアごとに倍率表が定められており、該当する倍率に、その土地の固定資産税評価額を乗じて求めます。数式で表すと下記の通りです。

相続税評価額 = 固定資産税評価額 × 倍率

例えば、固定資産税評価額2,000万円の土地が倍率0.9のエリアにあれば、その土地の相続税評価額は2,000万円×0.9=1,800万円と計算できます。

なお、固定資産税評価額とは主に固定資産税を算出するために各自治体が定めるもので、土地の所有者に対して毎年送付される固定資産税の納付書で確認できる他、自治体の窓口で確認することも可能です。

土地の評価額を減額できるケース

土地の評価額の減額をしたいのであれば、まずは路線価方式でご紹介した補正率の適用を受けられるか確認するとよいでしょう。

奥行きが長すぎたり短すぎたり、間口が狭かったり、不整形地だったりすれば、それぞれ適用して減額を受けることが可能となるケースがあります。

ただし、倍率方式が適用されるエリアにおいては、これらの補正を受けることはできません。

倍率方式においては、固定資産税評価額に倍率をかけて相続税評価額を算出しますが、固定資産税評価額においてすでにこれらの補正は適用されているからです。

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建物の評価方法

次に、建物の評価方法について見ていきましょう。

建物の相続税評価額は、自治体の定めた固定資産税評価額に1.0を掛けて算出します。つまり、建物の相続税評価額は固定資産税評価額と同じだと考えてよいでしょう。

建物の相続税評価額 = 固定資産税評価額 × 1.0

ただし、賃貸アパートや賃貸マンションなどで、他人に貸している建物の場合は、貸している割合に応じて減額を受けることが可能です。理由は、他人に貸している建物を相続しても、借主への制限が大きく相続人の自由にできないため、相続税評価額は下がるという考え方になるからです。

具体的には、以下のような計算式で相続税評価額を算出します。

貸家の評価額 = 自用家屋の価額 ×(1-30%×賃貸割合)

賃貸割合とは実際に貸している面積の割合のことです。

例えば、200㎡の建物のうち、180㎡を貸している場合は、180㎡ ÷ 200㎡ × 100 = 90%と計算できます。固定資産税評価額が3,000万円の賃貸物件で、賃貸割合が90%であれば以下のように計算可能です。

3,000万円×1.0×(1-30%×90%)=2,190万円

建物の相続税評価額を減額できるケース

建物の評価額については、上記解説の通り、第三者に貸していると相続税の評価額を下げることができます。ただし、相続発生前に第三者に貸していることが条件です。

また、評価額を算出する際には賃貸割合も計算します。

このため、建物の相続税評価額を下げようと思ったら、相続が発生する前に以下を検討すると良いでしょう。

  • 建物を第三者に貸し出す
  • 空室率をできるだけ下げる 

その他、代表的な財産の評価方法

最後に、不動産以外のその他の財産についての評価方法について説明します。下記の財産について詳しく解説するので、該当の財産がある方は参考にしてください。

  • 上場株式の評価方法
  • 預貯金の評価方法
  • 生命保険の評価方法
  • 退職金の評価

上場株式の評価方法

証券会社を通して上場株式に投資していたようなケースでは、保有していた銘柄の相続税評価額を算出しなければなりません。

株式の価格は日々変動するため、どの時点の価格を採用するかが問題となります。基本的には課税時期(被相続人が亡くなった日)の最終価格によって評価することとなっています。

預貯金の評価方法

預貯金については、課税時期(亡くなった日)の価格がそのまま相続税評価額になります。

なお、定期預金については課税時期までの利息から税金を差し引いた金額を含めた額が相続税評価額になる他、外貨の場合には課税時期現在の取引金融機関が公表する為替により評価がなされる点に注意が必要です。

生命保険の評価方法

被相続人が亡くなったことにより、死亡保険金を受け取った場合は、相続税の課税対象となります。

ただし、生命保険については、法定相続人の数に応じて非課税枠(500万円×法定相続人の数)が定められています。 

退職金の評価方法

亡くなったことにより、本来受け取るはずであった退職金を受け取ることができます。この退職金のことを死亡退職金と呼びますが、死亡退職金も相続税の課税対象です。

死亡退職金についても、生命保険と同様、法定相続人の数に応じて500万円×法定相続人の数分の非課税枠が設けられています。

相続した財産の評価方法を正しく理解し節税しましょう

この記事では、相続した財産の評価方法についてお伝えしました。特に不動産は額が大きいこともあり、生前から対策することで大きく相続税の節税につなげられる可能性があります。

また、不動産を相続して相続税が発生した場合、相続税を納めるための原資である現金を用意できないといったことも起こりやすいです。相続した不動産の売却や活用方法についてお困りの方は、SUMiTAS(スミタス)の無料相談をご利用ください。