遺産相続の税金はいくらから?基礎控除額や税金対策、申告方法について詳しく解説!

遺産相続の税金はいくらから?基礎控除額や税金対策、申告方法について詳しく解説!

遺産相続を受けるにあたって「相続税がいくらかかるのか?」「節税方法にはどんなものがあるのか?」といった疑問を持つ方は少なくありません。相続税は高額な税金を課されることが多く、節税したいと考える方も多いでしょう。

この記事では、相続税の計算方法や節税方法について詳しく解説します。遺産相続や相続税について悩んでいる方は、この記事を最後まで読み、ぜひ参考にしてください。

遺産相続にかかる税金の仕組み

遺産相続にかかる税金は、相続税です。相続税は、相続した財産の評価額から葬式費用などを差し引いた後の額が、基礎控除額を上回るときに課税されます。

逆に言えば、相続した財産の評価額から葬式費用などを差し引いた後の額が基礎控除金額以下の場合は、相続税が課されないため、税務署に申告する必要がありません。なお、相続税の課税対象である課税遺産総額を計算する際の手順は以下になります。

相続する遺産の評価額と相続時精算課税の適用を受ける財産を合計する
合計した金額から葬式費用・債務を差し引く遺産額を計算する
相続開始する前3年以内の暦年課税に係る贈与財産額を加算する
加算した金額から基礎控除を差し引いて課税遺産総額を計算する

上記の手順を参考にして、遺産を相続する際の課税遺産総額を計算するようにしてください。

どのような遺産を相続すると税金がかかるのか

遺産は、被相続人(亡くなった人)が所有していたすべての財産が該当します。現金や不動産などの金銭的な価値を持っている「プラス財産」だけでなく、借金や買掛金などの返済する必要がある「マイナス財産」も財産です。

プラス財産とマイナス財産に含まれる主な財産は、以下の表に記載しているので確認してください。

プラスの財産

  • 現預金
  • 外国通貨
  • 不動産(建物と土地、店舗、畑、山林など)
  • 有価証券(投資信託、株式、公社債など)
  • 債権(売掛金、貸付金、被相続人が受取人の生命保険金請求権など)
  • 借家権・借地権
  • 家庭用財産(自動車、宝飾品、家具、宝石、絵画など)
  • ゴルフ会員権
  • 船舶・飛行機など
  • 仮想通貨(暗号資産)
  • 知的財産権(特許権・著作権など)
  • 慰謝料請求権・損害賠償請求権

マイナスの財産

  • 借金
  • 買掛金
  • 水道光熱費などの未払経費
  • 未払税金
  • 未払家賃・地代
  • 未払いの慰謝料・損害賠償金
  • 預り金(敷金・保証金など)
  • 保証債務

なお、マイナス資産に関しては、相続した人が返済する必要があるので注意してください。プラス資産よりマイナス資産の方が多い場合は、相続放棄をする手段も検討しましょう。

相続税は累進課税

相続税の税率は一定ではありません。相続財産の金額に応じて税率が高くなっていく、累進課税制度(るいしんかぜいせいど)が用いられています。

以下の速算表で相続税の税率を確認することが可能です。

課税される金額税率控除額
1000万円以下10%控除なし
1000万円〜3000万円以下15%50万円
3000万円〜5000万円以下20%200万円
5000万円〜1億円以下30%700万円
1億円〜2億円以下40%1700万円
2億円〜3億円以下45%2700万円
3億円〜6億円以下50%4200万円
6億円〜55%7200万円
出典:No.4155相続税の税率|国税庁

基礎控除額は【3,000万円+(600万円×法定相続人の数)】

相続する遺産の評価額が基礎控除額以下の場合、相続税が課税されないため、相続税を計算するにはまず基礎控除額を計算しなければなりません。

相続税の基礎控除額の計算式は、以下になります。

基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

では、法定相続人が3人の場合で試算してみましょう。

法定相続人が3人の場合

3,000万円
法定相続人①:600万円
法定相続人②:600万円
法定相続人③:600万円

ーーーーーーーーーー

基礎控除額:4,800万円

上記の場合は、相続した財産の評価額から葬式費用を差し引いた後の額が、基礎控除額の4,800万円を超えなければ相続税が課税されません。

このように、相続税を計算するには基礎控除額の計算が必要不可欠であるため、計算方法を覚えておきましょう。

相続金額が3,600万円以下なら相続税がかからない!

先述したように、法定相続人が1人の場合の基礎控除額は「3,600万円」で、法定相続人が1人増えるごとに「600万円」を加算します。基礎控除額の最低金額は「3,600万円」であるため、相続する遺産の評価額が3,600万円以下の場合は、相続税が課税することはありません。

その他控除されるもの

相続税には、基礎控除以外にも、配偶者控除などのその他の控除制度があります。ただし、基礎控除以外の控除に関しては、利用できる方が限定されているので、よく理解しておかなくてはいけません。

詳細については以下の表をご覧ください。

  • 贈与税額控除
    対象
    相続開始する前3年以内に被相続人から暦年課税に係る贈与によって財産を取得あり贈与税を支払った方
    控除金額
    相続人が過去3年以内に納付した贈与税額
  • 配偶者控除
    対象
    配偶者(内縁の妻を除く)
    控除金額
    配偶者の相続分が「法定相続分」または「1億6000万円」のどちらか多い方の金額分の財産を取得した際にかかる相続税額
  • 未成年控除
    対象
    相続開始日現在、18歳未満の未成年
    控除金額
    10万円×その未成年者が満18歳になるまでの年数(1年未満は切り上げ)
  • 障害者控除
    対象
    相続開始日現在、85歳未満の障害者
    控除金額
    10万円(特別障害者は20万円)×障害者が満85歳になるまでの年数(1年未満切り上げ)
  • 相次相続控除
    対象
    被相続人が過去10年以内に相続税を納税している場合
    控除金額
    A:今回の被相続人が前の相続で課税された相続税額
    B:被相続人が前の相続で取得した相続財産額
    C:今回の相続財産額総額
    D:今回の該当相続人の相続財産額
    E:前の相続から今回の相続までの期間(1年未満は切り捨て)
  • 外国税額控除
    対象
    外国にある相続財産を相続した方
    控除金額
    外国で支払う日本の相続税に相当する税額または、日本の相続税額×国外財産の価額÷相続財産の総額のいずれか少ない金額

出典:No.4161贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)|国税庁No.4158配偶者の税額の軽減|国税庁No.4164未成年者の税額控除|国税庁No.4167障害者の税額控除|国税庁No.4168相次相続控除|国税庁

このように、さまざまな控除制度があるため、遺産相続の相続税の計算は複雑になります。

しかも、遺産分割の方法などについて話し合いをしておかないと、家族間で相続トラブルが発生するなど家族関係を壊しかねません。SUMiTAS(スミタス)では、遺産相続に関するアドバイスも行っていますので、遺産相続でお悩みの方はぜひ相談してください。

遺産を相続する際の税金を節税する5つの方法

相続税を節税する主な手段としては、大きく分けて「特例などの仕組みを利用する」か「財産を減らす」があり、具体的な節税方法としては以下の5つが挙げられます。

  • 生前贈与する
  • 生命保険を活用する
  • 宅地の評価額を下げる
  • 財産の一部を寄附する
  • 養子縁組する

それぞれ、節税できる理由と金額を説明します。

生前贈与する

生前贈与を利用することで、相続税を節税できます。贈与した財産に課税される税金は特定の控除があり、相続財産の対象から外れるためです。とはいえ、相続人への贈与は死亡前3年以内に行われた場合は、課税対象になるため注意する必要があります。

なお、生前贈与を利用した相続税対策には、以下の方法があるので、確認してください。

内容贈与税
暦年贈与毎年110万円以下を贈与すること贈与税はかからない
相続時精算
課税制度
60歳以上の父母や祖父母から20歳を超える子供や孫に生前贈与する際に利用できる制度2,500万円が非課税になり、超える金額は一律20%の贈与税がかかる
教育資金の
一括贈与
金融機関が取り扱う教育資金贈与信託などのサービスを利用して1,500万円以内の教育資金を一括贈与すること1,500万円までなら非課税になる
配偶者贈与婚姻期間が20年以上の夫婦で、居住用不動産または居住用不動産を購入する際に利用できる制度基礎控除110万円と最高2,000万円まで非課税になる

上記の方法で認められている贈与税の控除を使うことで、相続税を減らすことが可能です。ただし、贈与を利用しないほうが得なケースもあるため、利用するかどうかは税務の専門家の意見等をふまえながら慎重に判断するようにしましょう。

生命保険を活用する

生命保険を活用することで相続税対策になります。「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があるためです。

例えば、法定相続人が4人なら「2,000万円」以下の金額には、相続税が課税されません。ただし、生命保険は契約形態によって課税される税金が違うので、正確に理解しておくことが重要です。

実際に、生命保険の死亡保険金に課税される税金は、「保険料負担者・被保険者・保険の受取人」によって以下の表のように変わります。

被保険者保険料の負担者保険金受取人税金の種類
A(夫)A(夫)B(妻)相続税
A(夫)B(妻)B(妻)所得税・住民税
A(夫)B(妻)C(子)贈与税
※()内は例になります。
出典:No.1750死亡保険金を受け取ったとき|国税庁

したがって、生命保険を利用した相続税対策をするなら、相続税が課税される契約形態にする必要があります。

宅地の評価額を下げる

不動産を相続する場合は、「小規模宅地等の特例」や「家なき子特例」を利用することで、節税が可能です。

まず、小規模宅地等の特例は、被相続人や被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族が居住していた土地や、事業を行っていた土地を相続した場合に、土地の評価額を最大80%減額できます。

次に、家なき子特例とは、被相続人の自宅に同居していなかった親族が相続する場合でも「小規模宅地等の特例」を使えるようにするという特例です。

ただし、家なき子の特例を利用するためには、「被相続人」と「取得者」のそれぞれが適用要件を満たす必要があります。

詳細:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁

財産の一部を寄附する

相続税の寄附金控除を利用することで、節税ができます。相続財産を国などに寄附した際の財産は、相続税の対象外になるためです。ただし、寄附金控除を利用するためには、寄附先として認められている団体や組織に寄附する場合に限られます。

具体的には、以下の団体・組織です。

  • 地方公共団体
  • 公益を目的とする事業を行う特定の法人
  • 認定NPO法人

他にも、以下の要件を満たす必要があります。

  • 相続税の申告書の提出期限までに寄附すること
  • 寄附する財産は相続や遺贈によって取得した財産であること

出典:No.4141相続財産を公益法人などに寄附したとき|国税庁

上記の要件を満たすことで、寄附金控除が利用できます。

養子縁組する

養子縁組で法定相続人を増やせば、基礎控除額が増えるため節税ができます。ただし、相続税法上で認められる養子の人数には以下の制限があるため、注意が必要です。

  • 実子がいない場合には2人まで養子縁組が可能
  • 実子がいる場合には1人まで養子縁組が可能

このように、養子縁組は節税効果がありますが、法定相続人が増えるため、相続人1人あたりの相続分が減少してしまうデメリットがあることを覚えておきましょう。

遺産相続についてよくある質問

最後に、遺産相続についてよくある質問の以下の3つについて、答えていきます。

  1. 納税の期限と相続税の申告方法は?
  2. 不動産の相続を放棄したい場合は?
  3. 孫が遺産相続する時の税金は?

上記について回答していくので、参考にしてください。

納税の期限と相続税の申告方法は?
相続税は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に納税する必要があります。また、申告方法は、被相続人の最後の住所地にある税務署に「相続税申告書」を提出して納税しなければなりません。

相続税を申告する際に、「相続税申告書」以外に提出する主な書類は以下です。
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
被相続人の住民票の除票
被相続人の死亡診断書のコピー
相続人全員の戸籍謄本
相続人全員の住民票
相続人全員の印鑑証明
遺産分割協議書(または遺言書)
相続人のマイナンバー確認資料
相続人の本人確認書類

上記以外にも、相続する財産の種類や特例、控除の利用によっても異なるので、詳細が知りたい方は税務署へご連絡ください。
不動産の相続を放棄したい場合は?
不動産の相続を放棄したい場合は、被相続人が亡くなったことを知った日から3か月以内に、被相続人の最後の住所地にある家庭裁判所で手続きを行う必要があります。
相続放棄が認められれば、相続した財産がないため、相続税は課税されません。ただし、不動産の相続放棄が認められ相続する人がいない場合には、相続放棄した者は相続財産管理人が選任されるまで不動産を管理する義務があるので、注意してください。
孫が遺産相続する時の税金は?
孫が遺産相続する場合は、配偶者や子どもが相続するよりも、相続税が20%上乗せで加算されます。ただし、被相続人より先に相続人が亡くなられている場合に、孫が遺産を受け継ぐ「代襲相続」の場合は加算されないので覚えておきましょう。

相続税を下げたい人、遺産相続が分からない人はSUMiTAS(スミタス)にご依頼ください

相続税はさまざまな控除や特例を利用することで節税が可能ですが、利用要件がわかりにくいものもあり、どれが利用できるかを判断するのは容易ではありません。また、遺産相続の手続きは複雑でトラブルになる可能性もあるため、精神的な負担も大きいです。

相続税を下げたい人、遺産相続が分からない人はプロに相談することをおすすめします。節税や申告方法についてのアドバイスだけなく、遺産分割などについての相談に乗ってくれるでしょう。

なお、実績豊富で安心・安全のSUMiTAS(スミタス)なら税務の専門家と提携しており、専門家による相談対応が可能なので、不動産の遺産相続でお悩みの方はぜひご相談ください。

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