ハウスメーカーで建てた家は高く売れる?高値売却できる家の特徴を解説

ハウスメーカーで建てた家は高く売れる?高値売却できる家の特徴を解説

監修者
天池 篤哉
天池 篤哉(株式会社SUMiTAS 取締役)
  • 宅地建物取引士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士

ハウスメーカーで建てた家は高く売れる」と、聞いたことはありませんか?

たしかにハウスメーカーの家は、建売住宅や分譲住宅と比べて高値で売却できる可能性があります。
しかし、売却価格を決める要素となるのはメーカーだけではないので、必ずしも高く売れるとは限りません。そこで本記事では、高く売れるハウスメーカーの特徴をはじめ、メーカー以外で価格に関係する要素を説明します。

ハウスメーカーで建てた家の売却を検討している方は、参考にしてください。

ハウスメーカーで建てた家が高く売れるのは本当?

価格についてお伝えする前に、まずは「ハウスメーカー」について簡単に説明します。

ハウスメーカーは、一戸建て住宅の設計や施工を行う会社です。ある程度間取りや仕様が決まっている規格住宅を中心とする会社もあれば、1から間取りを考えるフルオーダーの注文住宅を手がける会社もあり、ひとくちにハウスメーカーといっても特徴はさまざまです。

また、地域に密着して営業する会社から全国に事業展開している会社まで、会社規模も異なります。その点もふまえて、ハウスメーカーで建てた家が高く売れるのか、もう少し詳しく説明していきます。

必ずしも高く売れるとは限らない

冒頭でもお伝えしたように、ハウスメーカーの家は建売住宅や分譲住宅と比べて、高値で売却できる傾向があります。しかしハウスメーカーで建てたからといって、必ずしも高く売れるわけではありません

売却価格には、メーカーの会社規模、知名度、建物の築年数、状態、性能、間取りのほか、土地の利便性なども大きく影響するからです。

たとえ大手メーカーで建てた家だとしても、利便性が悪い場所にあれば、値下げが必要になる可能性もあります。

ハウスメーカーで建てた家が売却しやすい理由

ハウスメーカーの家が高く売れるのには、次のような理由があります。

  • 構造や工法がしっかりとしているから
  • 住宅性能に優れているから
  • 知名度が高いハウスメーカーであれば、安心感があるから
  • 水まわり設備に標準またはハイグレード品が選ばれていることが多いから
  • 床暖房や第一種換気システムなどの設備が充実しているから

ハウスメーカーで建てたからといって、これらの項目にすべて当てはまるわけではありませんが、当てはまるものが多いほど高値での売却が望めるでしょう。

高く売れるハウスメーカーの特徴

前章でお伝えしたように、注文住宅は会社によってフルオーダーや規格住宅など、手がける住宅の種類や特徴、会社規模が異なります。高く売れる可能性があるのは、次のような特徴があるハウスメーカーです。

  • 省エネ性や耐震性が優れている
  • プラン力が高い
  • アフターメンテナンスがしっかりしている
  • 大手のハウスメーカー

詳しく説明していきます。

省エネ性や耐震性が優れている

住宅の耐震性や省エネ性は、売却価格に大きく影響します。

たとえば住宅ローンを利用して家を買うときには、建築基準法の「新耐震基準」に適合している住宅であれば、築年数にかかわらず住宅ローン控除が適用されます。住宅ローン控除は節税性の高い制度なので、制度が適用できるという点は、買い手にとって大きなメリットです。

また、省エネ性能が高い家であれば、光熱費を削減できるというメリットがあります。省エネ性の高さや光熱費の削減実績などを数値として提示しているハウスメーカーであれば、なお良いでしょう。

住宅ローン控除が利用できることや、光熱費が削減できることを購入希望者に訴求できれば、周辺相場より少し高値で売り出しても買い手が見つかる可能性があります。

プラン力が高い

プラン力が高いハウスメーカーで建てた家も、高値で売れる傾向があります。とくにフルオーダーの注文住宅であれば、トレンドに沿ったデザインになっていたり、動線が細やかに考えられていたり、“住み心地”に重点を置いた間取りになっていることが多いです。

リフォームによって設備の入れ替えはできても、間取りはそう簡単に変更できるものではありません。プラン力の高さを強みにしているハウスメーカーであれば、高値での売却が期待できるでしょう。

アフターメンテナンスがしっかりしている

家の寿命は、建てた後のメンテナンスによって決まるといわれています。そのため、引き渡し後の点検頻度や、修理対応ができるハウスメーカーであるのかも、売却価格を決めるポイントのひとつです。

アフターメンテナンスがしっかりとしているハウスメーカーであれば、長く住み続けられる点が安心材料となり、高く売れる可能性があります。

ハウスメーカーの点検保証を確認しよう

ハウスメーカーの点検保証は、売却すると買主へと継承されないことがほとんどです。もし点検保証が引き継がれれば、そこも買い手にとってのメリットになるので、売却前にハウスメーカーに確認しておきましょう。

大手のハウスメーカー

誰もが知っているような知名度の高いハウスメーカーであれば、安心感から高く売れる可能性があります。とくにここまで挙げてきたような、住宅性能やプラン力、アフターメンテナンスにも力を入れている会社であれば、小規模なハウスメーカーが建てた家よりも高値での売却が期待できます。

ただし、大手ハウスメーカーであっても、いわゆる“ローコスト住宅”の場合は査定額も市場価格となるでしょう。

ハウスメーカー以外に売却価格に影響する要素

ハウスメーカーの特徴も売却価格を決める要因となりますが、ほかにも次のような要素が影響します。

  • 利便性や周辺環境
  • 建物の築年数
  • 建物の構造・工法
  • 間取りやデザイン性
  • リフォームの有無

これらの部分にデメリットが多ければ、たとえハウスメーカーで建てた家であっても、高値で売れない可能性があります。適正な売り出し価格を判断するためにも、どのような部分が価格に影響するのか、ここでしっかりと確認していきましょう。

利便性や周辺環境

利便性と周辺環境は、売却価格を決める大きなポイントになります。
たとえば、次のような場所にある家ならば、高く・早く売却できる可能性が高まります。

  • 駅が徒歩10分圏内にある
  • 自宅周辺にスーパーやドラッグストアがある
  • 近くに総合病院や内科、皮膚科、歯科などのクリニックがある
  • 小学校や中学校が近くにある
  • ハザードマップで災害リスクが低い

耐震性や断熱性、省エネ性などはリノベーションによって高められますが、立地は変えられません。土地の利便性は、売却価格に大きく影響することを覚えておきましょう。

建物の築年数

建物の築年数も、売却価格に影響します。建てて数年の築浅物件で、なおかつ軽微なリフォームで入居できる状態であれば、高値での売却が望めるでしょう。

逆に建物の築年数が経っている場合は、どんなに大手ハウスメーカーで建てた家であっても、市場相場に沿った価格になる可能性が高いです。

木造一戸建ての建物の資産価値は、築15年までの低下が激しく、築35年を過ぎるとほぼなくなってしまいます。査定額も建物ではなく、土地の価値で算出されるからです。

また、フルオーダーの注文住宅は施工時期のトレンドが色濃く反映される場合が多いので、築10年以上経っている場合は、プラン力の高さがメリットとは捉えられない可能性もあります。

建物の構造・工法

建物は構造や工法によって、売却価格に差がでます。

使用している建材や建て方によって、建物の耐用年数が変わるからです。状態にもよりますが、基本的には木造よりも鉄筋コンクリート(RC)造で建てられた家のほうが、高く売却できます。なぜなら、木造と鉄筋コンクリート造では耐用年数が2倍ほど違うからです。

耐用年数には、固定資産の減価償却を算出するために用いる「法定耐用年数」と、躯体や構造体などの寿命とされる「物理的耐用年数」があります。

耐用年数について

木造で建てた家の法定耐用年数は22年、物理的耐用年数は40〜50年、RC造の法定耐用年数は47年、物理的耐用年数は117年前後です。耐用年数が長く頑丈な家のほうが、売却でも高く売れる傾向があります。

間取りやデザイン性

中古住宅の売却では「1人だけ買いたい人が見つかればいい」と、いわれています。とはいえ、高く・早く売れる可能性があるのは、万人受けする間取りやデザインです。

たとえば一戸建て住宅で需要が高いのは、家族向けの3〜4LDKの間取りです。パントリーやウォークインクローゼット、ファミリークローゼットなどがある近年人気の間取りであれば、より買い手が見つかりやすくなるでしょう。

逆に個性的すぎる間取りやデザインは、価格を下げなければ買い手が見つかりづらいケースが多いです。時代のニーズに沿った間取りやデザインであるのかも、売却価格とスピードに影響する点を覚えておきましょう。

リフォームの有無

リフォームの有無も、少なからず売却価格に影響します。

たとえば築年数が浅い物件を探している人は「すぐに住める家がほしい」と考えていることが多いので、リフォームしたばかりですぐに入居できる状態であれば、高値で売却できる可能性があります。

しかし、基本的に売却前のリフォームは不要です。中古物件を探している人の多くは、リフォームやリノベーションを前提として物件探しをしている可能性が高いからです。自分好みの家にしたいと考えている人も多いので、リフォームすることでかえって売れづらくなってしまう可能性もあります。

リフォームの必要性は物件の状態によって異なるため、自己判断せず不動産会社に相談のうえ検討しましょう。

ハウスメーカーの家は高く売れやすい!さまざまなポイントから売り出し価格決めを!

ハウスメーカーで建てた家は、立地が同条件であれば、建売住宅や分譲住宅よりも高く売れる傾向があります。しかし、家の売却価格はメーカーだけではなく、土地の利便性や周辺環境なども大きく影響するため、必ずしも高く売れるとは言い切れません。

不動産の売却価格は、さまざまなポイントから総合的に決める必要があります
そして家をできるだけ高値で売却するために大切なのは、中古物件の売却ノウハウが豊富な不動産会社や担当者を見つけることです。

ハウスメーカーで建てた家の売却を検討している方はぜひ、中古一戸建て住宅の売却実績が豊富なSUMiTAS(スミタス)にご相談ください。

監修者
天池 篤哉
天池 篤哉(株式会社SUMiTAS 取締役)
  • 宅地建物取引士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士

2005年から不動産賃貸仲介営業で不動産業のキャリアをスタート。
物件マニアで、『従事している期間毎日10件内見する』という裏目標を立て、6年間実施。札幌市内の賃貸物件約18,000件を内見した。
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