当社の10秒査定に寄せられた査定依頼のうち、築25年未満の物件が6割を占めます。戸建てで62.2%、マンションで61.1%です。査定の中心は築年数の浅い家で、築40年以上は2割に満たない、ということです。
国土交通省の調査でも、住み替える前の家をどうしたかを見ると、どの住宅の種類でも「売却した」が最も多くなっています。中古住宅を買った世帯では、戸建てを処分した場合で50.8%、マンションを処分した場合で61.5%が売却でした。住みながら売るのは特別な方法ではなく、住み替えでよくある形です。
ただし、住みながら売ると、居住中であることを理由に内覧を見送る買い手が一定数います。当社の担当者の経験では、問い合わせの1〜2割ほどです。そのうえで売主の側で防げるのは、内覧の機会を逃すことと、引き渡しの条件で買い手を狭めることです。この記事は、売り出しから引っ越しまでの段取りを、住んでいる人の側から順に書きます。
- 当社の10秒査定では、査定依頼の6割が築25年未満。住みながら売るのは住み替えでよくある形
- 居住中を理由に内覧を見送る人が、当社の担当者の経験で問い合わせの1〜2割。内覧の段取りと引き渡しの条件で、残りの買い手を逃さない
- 引き渡し猶予は、当社では明け渡しの期限を売買契約から3〜4か月後に置くことが多い。実際の長さは買主の融資実行日から逆算して決める
- 空き家にしてから売ると、仮住まいの家賃・敷金礼金・引っ越し2回・荷物の預け先が乗る
目次
当社の査定依頼では、家の6割が築25年未満

当社の10秒査定の利用履歴から、機械的な連続アクセスを除いた56,825件を集計しました(2025年7月〜2026年7月)。そのうち98.2%が居住用で、築年帯は次のとおりです。
| 築年帯 | 戸建て(26,376件) | マンション(18,524件) |
|---|---|---|
| 築15年未満 | 42.8% | 36.2% |
| 築25年未満 | 62.2% | 61.1% |
| 築40年以上 | 18.5% | 17.4% |
戸建てで最も多いのは築5〜9年(15.9%)、マンションで最も多いのは築20〜24年(13.7%)です。築40年以上の古い家より、築年数の浅い家のほうが多く査定に出ています。
国土交通省の住宅市場動向調査(令和6年度)でも、住み替える前の家の処分方法は、どの住宅の種類でも「売却した」が最多でした。
| 住み替え先 | 戸建てを処分した場合 | マンションを処分した場合 |
|---|---|---|
| 注文住宅を建築 | 29.0% | 83.3% |
| 分譲住宅を購入 | 70.4% | 66.7% |
| 既存(中古)住宅を購入 | 50.8% | 61.5% |
ただし、注文住宅を建築した世帯が集合住宅を処分した例は回答数が少なく、83.3%という数字は振れやすいものです。住み替えの実態として見るなら、回答数の多い既存(中古)住宅を購入した世帯の50.8%・61.5%のほうが確かです。
つまり、住みながら売るのは例外的なやり方ではありません。段取りさえ分かっていれば、無理なく進められます。
住みながら売るメリットとデメリット
よく語られる長所と短所を、「暮らし」「お金」「売れ方」の3つに分けて整理します。
| 住みながら売る | 空き家にしてから売る | |
|---|---|---|
| 暮らし | 引き渡しまで今の家に住める。引き渡しと入居の日が合えば、引っ越しは1回で済む | 仮住まいを挟むため引っ越しが2回。荷物の一部は預ける |
| お金 | 引き渡しと入居の日が合えば、仮住まいの費用がかからない。売却代金を新居に充てられる | 売れるまでの家賃と敷金礼金がかかる |
| 売れ方 | 内覧の日程を合わせる手間がある。生活感が出る。居住中を理由に内覧を見送る人がいる | いつでも内覧できる。空の部屋は広く見える |
短所は、内覧の日程、生活感、そして居住中を理由に内覧を見送る人がいることの3つです。当社の担当者の経験では、見送る人は問い合わせの1〜2割ほどで、理由は引っ越しの時期が合わないことと、人が住んでいる家の内覧を好まないことの2つです。後者は売主には変えられませんが、日程・生活感・引き渡しの時期は売主の側で調整できます。日程と生活感は「不動産会社が住みながらの売主に頼むこと」と「内覧を受けながら暮らす」の章で、引き渡しの時期は「引き渡し猶予。契約書に何を書くか」の章で具体的に扱います。
内覧当日の準備と同席の判断は家の売却の内覧の記事に、売却全体にかかる日数は不動産売却の期間の記事に、住宅ローンが残っている場合の考え方は住宅ローン返済中の家を売る記事にまとめています。この記事では重ねて書きません。
売り出しから引き渡しまでの段取り

住みながら売る場合、引っ越しのタイミングが最大の関心事になります。順番は次のとおりです。
- 査定・媒介契約。 依頼する不動産会社を決めます(媒介契約の記事)
- 写真撮影と売り出し。 掲載写真が問い合わせの数を左右するので、撮影日は最優先で片付けます
- 内覧期間。 首都圏の2025年の実測では、売り出しから成約までの平均は中古戸建てで100.9日、中古マンションで82.5日です(東日本不動産流通機構)
- 売買契約。 ここで引き渡し日を決めます。新居の手当てが済んでいなければ、引き渡し猶予を付けるかを判断します(次の章)
- 新居の契約・引っ越しの準備。 契約から決済まで1か月前後あるのが一般的で、その間に動きます
- 引っ越し。 原則として決済・引き渡しの前に家を空にします
- 決済・引き渡し。 買主から代金を受け取り、鍵を渡します
原則は「引っ越しが先、決済が後」です。引き渡しの日に家が空いていることが前提だからです。この順番が成り立たないときに使うのが、次の引き渡し猶予です。
引き渡し猶予。契約書に何を書くか
引き渡し猶予とは、決済(代金の受け渡し)が終わったあとも、売主が一定期間その家に住み続けられるようにする取り決めです。売却代金で新居を買う場合、決済が終わるまで新居の代金を払えないため、引っ越しが決済より後になることがあります。そのための仕組みです。
引き渡し猶予の長さに法律の決まりはありません。当社では、明け渡しの期限を売買契約から3〜4か月後に置くことが多くあります。ただし、必要な長さは物件ごとに違うので、次の決め方で確かめてください。
決め方は、買主の融資実行日から逆算します。買主が住宅ローンを使う場合、決済日は融資が実行できる日に固定されます。そこから売主の新居の決済日までの差が、必要な猶予の長さです。先に「何か月ほしい」と決めるのではなく、両方の決済日を並べて差を測るのが順番です。
契約書と覚書で決めておくことは4つあります。
- 猶予の期間と、明け渡しの期限。 期限を過ぎた場合の違約金も決めます
- 猶予期間中の費用の負担。 決済が終わった時点で所有者は買主に変わるため、固定資産税・都市計画税の負担、火災保険の契約者、光熱費の名義をどうするかを決めます。当社では、猶予期間中の費用は売主の負担とするのが基本です
- 鍵の引き渡しの時期。 決済時か、明け渡し時か。当社では、明け渡しのときに渡すのが基本です
- 建物の状態。 猶予期間中に生じた損傷の扱い。当社では、明け渡しまでに生じた損傷は売主の負担とします
そして実務上、最も大事な点があります。猶予が長いほど、買い手は狭まります。買主から見れば、代金を払ったのに住めない期間が生じるからです。値引きの材料にもなります。猶予を付けずに済む段取り(仮住まいを挟む、引き渡し日を新居の決済日に合わせる)を先に検討し、それが無理なときに猶予を使う、という順番で考えてください。
不動産会社が住みながらの売主に頼むこと
売主から見えにくいところですが、住みながらの売却では、不動産会社が売主にお願いすることがいくつかあります。先に共有します。
1. 内覧の段取りを先に打ち合わせてください。 カーテンを開けておくか、照明をつけておくか、開けてほしくない収納はどこか、どの順番で部屋を回るか。事前に決めておけば、当日の案内が滞らず、売主も落ち着いて迎えられます。
2. 写真の撮影日は、最優先で片付けてください。 掲載写真は、内覧に来るかどうかを決める最初の関門です。当日だけでもリビングの床を空け、生活用品を視界から外していただけると、問い合わせの数が変わります。撮った写真から生活用品や家具を画像の加工で消す方法(デジタルステージング)も使えるようになり、以前より片付けの負担は軽くなっています。ただし、加工した写真にはその旨を明記します。部屋の広さや形が実際と違って見える加工は、不動産広告のルール(不動産の表示に関する公正競争規約)で認められていません。
3. 立ち会いの形を先に決めてください。 在宅で迎えるのか、留守のときは不動産会社が鍵を預かって案内するのか。どちらでも内覧の機会は変わりません。在宅のほうが当日の準備を合わせやすく、留守中に案内するときのトラブルの心配もありません。
4. 売り出し中は、家の状態を大きく変えないでください。 大型の家具を新たに入れる、リフォームを始める、といったことは、掲載中の写真と現況がずれる原因になります。写真から家具を消す加工をして掲載している場合は、家具の出し入れで写真とずれる心配は小さくなります。リフォームのように部屋そのものが変わる工事は、加工の有無にかかわらず写真と現況がずれます。
5. 値下げの相談には期限を切って臨んでください。 3か月動かないときの考え方は不動産売却の期間の記事にまとめています。
内覧を受けながら暮らす
売り出し中の生活では、掃除やにおい、整理整頓のほかに、暮らし方によって準備が変わる点があります。
在宅勤務がある場合。 内覧は土日と平日の夕方に集中しやすくなります。在宅の曜日が決まっているなら、その曜日を「内覧を受けられる日」として先に不動産会社へ伝えてください。逆に、平日の日中に在宅していること自体は不利ではありません。急な内覧に対応できる強みになります。
ペットがいる場合。 においと毛の対策は必要ですが、それ以上に内覧中にどこにいてもらうかを決めておくことです。ケージごと別室に移す、その時間だけ外に出る、といった段取りを先に決めておくと、当日慌てません。
子どもがいる場合。 内覧のたびに外出する必要はありません。小さい子どもがいる家は、同じ家族層の買い手にとってむしろ想像しやすい場合があります。学区を変えたくない場合は、その条件を先に不動産会社へ伝えてください。売り出す範囲と時期の設計が変わります。
荷物が多い場合。 全部を捨てる必要はありません。床と窓周りが空いていれば、部屋は広く見えます。押し入れやクローゼットは、買い手が開けて容量を確認することがあるので、詰め込みすぎないでください。どうしても置き場がない分は、レンタル収納を使う手があります。
住みながら売る場合と空き家にする場合の費用差

「先に引っ越して、空にしてから売る」を選ぶと、次の費用が乗ります。
| 費目 | 内容 |
|---|---|
| 仮住まいの家賃 | 売れて引き渡すまで、さらに新居に入るまで払い続ける |
| 敷金・礼金 | 短期の契約でもかかる。家賃の1〜2か月分が目安 |
| 引っ越し費用 | 今の家から仮住まいへ、仮住まいから新居へ、の2回分 |
| 荷物の預け先 | 仮住まいに入らない分をレンタル収納などに預ける費用 |
金額の感覚をつかむために、一つ例を置きます。家賃を月76,000円としたときの5か月分です。
- 家賃 76,000円 × 5か月 = 38万円
- 敷金・礼金(家賃2か月分)= 15.2万円
- 引っ越し2回分と荷物の預け先 = 別途
家賃と敷金礼金だけで約53万円、これに引っ越しの2回分が加わります。
ここで置いた76,000円は、国土交通省の住宅市場動向調査(令和6年度)で、中古の戸建てに住み替えた世帯がその前に住んでいた借家の月額家賃の中央値です。仮住まいの家賃そのものを調べた統計はないため、民間の賃貸の水準として目安に使いました。5か月というのは、売り出しから成約までの平均(中古戸建てで100.9日)に、契約から決済までの期間と新居に移るまでの期間を足したおおよその長さです。
住みながら売り、引き渡しと新居への入居の日を合わせられれば、この費用はかかりません。日が合わずに仮住まいを挟む場合は、その期間の分だけかかります。代わりに内覧の手間がかかります。どちらを取るかという選択です。売却にかかる費用の全体像は不動産売却の費用の記事で扱っています。
マンションに住みながら売るときの、戸建てにない段取り
マンションに住みながら売る場合には、戸建てにはない段取りがあります。
エントランスと動線。 オートロックのマンションでは、内覧者を中まで案内する手順を先に決めます。当社では、内覧の10分ほど前に担当者がインターホンでご挨拶し、「お客様が着いたら、もう一度インターホンを押しますので、そこで開けてください」とお伝えして準備していただく流れが基本です。管理員が常駐しているマンションでは、事前の連絡が要る場合もあります。
共用部を見せる順番。 マンションの買い手は、住戸だけでなく共用部も見ます。エントランス、駐輪場、ゴミ置き場、掲示板は、住んでいる人のほうが使い勝手まで説明できます。掲示板は特に重要で、管理組合の議事や工事の予定が読み取れます。隠すより、先に説明したほうが信頼されます。
広告と掲示のルール。 マンションによっては、管理規約で室内の広告掲示や案内看板の設置に制限があります。売り出す前に管理規約を確認してください。
管理費・修繕積立金の清算。 引き渡し日を基準に日割りで清算します。滞納がある場合は、管理組合が買主にも請求できるため(区分所有法8条)、決済までに解消しておくのが原則です。
マンションの売却全体の流れは、マンション売却の記事で扱っています。
住みながら売ると価格は下がるのか
結論から言うと、住んでいることだけで価格が決まるわけではありません。ただし、買い手の数には響きます。居住中を理由に内覧を見送る人がいるからです(「住みながら売るメリットとデメリット」の章)。候補が減れば競争が弱まり、価格の交渉で不利になることがあります。
住みながら売ると時間がかかるのかについて、当社としては、日数を大きく左右するのは、価格の設定と、内覧をどれだけ受けられるかだと考えています。
そのうえで、売主の側で防げる原因が2つあります。
1つ目は、内覧の機会を逃すこと。 買い手は複数の物件を比較しています。日程が合わずに1組を逃すと、その組は別の物件で決めてしまうことがあります。これは「住んでいるから」ではなく「日程を合わせられなかったから」起きることです。
2つ目は、引き渡しの条件で買い手を狭めること。 長い引き渡し猶予や、引き渡し日の融通が利かない条件は、買い手の候補を減らします。減れば競争がなくなり、価格は下がります。
内覧に来てくれた買い手には、片付いた状態で見てもらうことが大切です。散らかっていると、家そのものより暮らしぶりに目が行ってしまいます。
やってはいけないことの全体は家の売却でやってはいけないことの記事にまとめています。
売れないまま新居の期日が来たときの3択

住みながら売る場合の最大のリスクは、新居の契約や入居の期日までに売れないことです。選べる手は3つあります。
1. 値下げする。 下げ幅がそのまま手取りの減少になります。反応(問い合わせ・内覧の数)を見て、どこがボトルネックかを確かめてから決めてください。内覧が来ているのに決まらないのか、そもそも問い合わせがないのかで、打ち手は変わります。
2. 買取に切り替える。 不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。日程を確定させやすいのが最大の利点で、価格は市場より低くなるのが一般的です。仕組みは不動産買取の流れの記事で解説しています。不動産会社によっては、一定期間売れなければ買い取ると約束する「買取保証」を用意している場合があります。
3. つなぎの資金を用意する。 売却代金が入る前に新居の代金を払うための借り入れです。金利と手数料がかかり、二重の返済が一時的に発生します。条件は金融機関によって差が大きいため、新居を契約する前に使えるかどうかを確認してください。残債がある場合の考え方は住宅ローン返済中の家を売る記事にまとめています。
値下げと買取は、どちらを先にすべきとは一概に言えません。どちらも、売れる価格まで目線を下げるという点では同じです。そのうえで、この3つをどの順で使うかは、新居の契約より前に決めておいてください。期日が迫ってから考えると、選べるのは1の値下げだけになります。どこまで下げるか、いつ買取に切り替えるかを先に決めておけば、慌てて判断せずに済みます。
住みながら家を売るときのよくある質問
家を1000万で売ったら税金はいくらかかりますか?
売った金額そのものに課税されるわけではありません。売った金額から取得費と譲渡費用を引いた譲渡所得に課税されます。取得費は買ったときの価格と諸費用ですが、建物は所有期間中の減価償却費に相当する額を差し引いて計算します(国税庁 No.3202)。そのため、家は買ったときより安く売っても、譲渡所得が生じることがあります。
加えて、自分が住んでいた家を売る場合は、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例があります(国税庁「マイホームを売ったときの特例」)。以前に住んでいた家でも、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売れば対象になります。ただし、親子や夫婦など特別の関係がある人への売却は対象外で、適用には確定申告が必要です。
住み替え先の家で住宅ローン控除を受ける場合は、組み合わせに注意してください。入居した年とその前2年のいずれかにこの3,000万円の特例を受けていると、新しい家の住宅ローン控除は受けられません。入居した年の翌年から3年目までに、住宅ローン控除の対象ではない家を売ってこの特例を受ける場合も同じです(No.3302)。税額の試算は税務署または税理士にご確認ください。
家を売るときのNG行為は?
住みながらの売却に絞ると、次の3つです。内覧の直前に断る(その買い手は別の物件に移ってしまうことがあります)、売り出し中に大きなリフォームや模様替えを始める(掲載中の写真と現況がずれます)、片付けないまま内覧を受ける(生活感ではなく散らかりが減点されます)。売却全体でやってはいけないことは家の売却でやってはいけないことの記事にまとめています。
リースバックはよくない理由は何ですか?
リースバックは、家を売ったうえで、その家を借りて住み続ける仕組みです。住み替えではなく「売ったあとも同じ家に住み続けたい」場合の方法で、この記事の「住みながら売る」とは別のものです。注意点は主に3つで、売却価格が市場より低くなりやすいこと、家賃が周辺相場より高くなる場合があること、契約の種類によっては期間が来たら出ていく必要があることです。詳しくはリースバックの記事で扱っています。
住みながら家を売るのはどんな理由ですか?
典型は住み替えです。国土交通省の調査では、住み替え前の家が持家だった世帯の処分方法は、どの住宅の種類でも「売却した」が最も高くなっています。売却代金を新居の購入に充てる場合、売れるまでは今の家に住み続ける必要があります。引き渡しと入居の日が合えば、仮住まいの費用と引っ越し2回分を避けられることも理由です。
マンションに住みながら売却できますか?
できます。手順は戸建てと変わりませんが、オートロックの案内、共用部の見せ方、管理規約の広告のルール、管理費・修繕積立金の清算といった、マンションならではの段取りがあります。この記事の「マンションに住みながら売るときの、戸建てにない段取り」で扱っています。
引き渡し猶予は何か月まで認められますか?
法律の決まりはなく、買主との合意で決まります。当社では、明け渡しの期限を売買契約から3〜4か月後に置くことが多くあります。実際の長さは、買主の融資実行日と、自分の新居の決済日を並べて、その差を測って決めます。猶予が長いほど買い手は狭まるため、まずは猶予を付けずに済む段取りを検討してください。
生きているうちに家を売ったほうがいいですか?
住みながら売るかどうかとは別の論点なので、この記事だけでは決められません。手続きの面だけを言えば、生前に売れば、売る時期も価格も本人が決められます。相続してから売る場合は、先に名義を相続人へ移す登記が必要で、相続人が複数いて遺産分割が済んでいなければ、誰が相続するかについて全員の合意も要ります。この違いをふまえた整理は実家じまいの記事に、年齢と資金計画から考える住み替えは老後の住み替えの記事にまとめています。
まとめ: 住みながら売るなら、内覧の段取りと引き渡しの条件で買い手を逃さない
当社の査定データでは、動いている物件の6割が築25年未満でした。住みながら売るのは特別な方法ではなく、住み替えでよくある形です。
住みながら売ると、居住中を理由に内覧を見送る人が、当社の担当者の経験で問い合わせの1〜2割ほど出ます。そのうえで売主の側で防げるのは、内覧の機会を逃すことと、引き渡しの条件で買い手を狭めることの2つです。内覧の段取りを不動産会社と先に打ち合わせ、引き渡しまでの期間を長くしすぎないことが、残りの買い手を逃さない近道です。
引き渡し猶予は、当社では明け渡しの期限を売買契約から3〜4か月後に置くことが多いものの、実際の長さは、買主の融資実行日と自分の新居の決済日を並べ、その差を測って決めます。長くするほど買い手は狭まります。
空き家にしてから売れば、仮住まいの家賃と敷金礼金、引っ越し2回分、荷物の預け先の費用が乗ります。家賃を月76,000円として5か月なら、家賃と敷金礼金だけで約53万円です。住みながら売り、引き渡しと新居への入居の日を合わせられれば、この費用はかかりません。
そして、売れないまま新居の期日が来たときにどうするかは、新居を契約する前に決めておいてください。期日が迫ってから考えると、選べるのは値下げだけになります。
まずは、いまの家がいくらなのかを知るところからで構いません。当社の10秒査定は、住所と物件情報を入れるだけで、匿名で、電話番号の入力もなく概算価格を確認できます。
本記事の査定データは、当社10秒査定の利用履歴(2025年7月〜2026年7月・81,859件のうち、前後120秒以内で連続する8件以上の機械的なアクセスを除いた56,825件)をもとに当社で集計したものです。住み替え前の住宅の処分方法と月額家賃は、国土交通省「令和6年度 住宅市場動向調査」(2025年6月公表)によります。同調査は、注文住宅は全国、その他の住宅は三大都市圏を対象としています。成約までの日数は公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2025年)」によります。仮住まいの費用の例は、家賃の中央値をもとに当社で置いた試算で、実際の金額は地域と物件により大きく変わります。税務の取扱いは国税庁タックスアンサーNo.3302(令和8年4月1日現在法令等)によります。制度と税制は改正されることがあるため、実行の前に最新の情報をご確認ください。
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