「空き家の相談はどこにするのが最善なのか?」
このような空き家について相談したいお悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。
まずは不動産会社に相談するのがベストです。不動産会社に協力してもらうことで、本記事で紹介する空き家の目的別の悩みを解消できる可能性が広がります。
また、不動産会社にどのように相談するのかがわからない人に向けて「空き家の相談事例」についても詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
【目的別】空き家の相談窓口を紹介!
空き家の目的別の相談窓口を紹介します。
- 相続に関する悩みを解決したい
- 処分したい
- 売却したい
- 活用したい
- 無料で譲りたい
今回は、上記の悩みを解消できる相談窓口について詳しく解説していきます。
①【相続に関する悩みを解決したい】司法書士・行政書士に相談する
空き家の相続に関する悩みを解決したい場合は、弁護士または司法書士や行政書士に相談しましょう。
相続では遺産分割や所有権登記などを行うために、法定相続人が誰なのかを確定させる相続人調査や遺産分割協議が必要な場合があります。とくに、遺言書がある場合は相続が複雑になるため、弁護士または司法書士や行政書士など専門家に相談することが大切です。
実際に「祖母が所有していた空き家の一部が崩壊して早急に対応しなければいけない状況であるが、法定相続人が複数いるためどうしたらいいか」という悩みを司法書士に相談して解決できた事例もあります。
相続人調査や遺産分割協議は時間と手間がかかる作業なので、弁護士または司法書士や行政書士など専門家へ相談することをおすすめします。
②【処分したい】解体業者へ相談する
空き家の処分に関する悩みを解決したい場合は、解体業者に相談しましょう。
空き家の解体費用は条件によりさまざまですが100〜300万円程度かかります。さらに、空き家を解体し更地にすることで固定資産税の負担が増えるため、そのままの状態で放置し続けている所有者は多いはずです。
出典:国土交通省「土地の保有に係る税制」
実際に「空き家の壁の一部が崩壊しており、修繕と解体のどちらの方が自分にとって最善なのか」という悩みを解体業者に相談して「空き家再生等推進事業」の補助金を活用して解体できた事例もあります。
出典:国土交通省「空き家再生等推進事業の概要」
空き家を適切な管理をせずに放置し続けることは、近隣住民からのクレームや、自治体からの指示や勧告を受けることにつながります。空き家解体にかかる費用を最小限に抑えるためにも、補助金や助成金などに詳しい解体業者に相談しましょう。
③【売却したい】不動産会社や地方自治体に相談する
空き家の売却に関する悩みを解決したい場合は、不動産会社や地方自治体に相談しましょう。
不動産会社に相談する場合は、空き家の所在エリアに関しての知識や、取引実績が豊富な業者へ相談することをおすすめします。空き家の所在エリアの知識が乏しい不動産会社に相談すると、相場以下での売却や、長い間買い手が見つからない可能性があるので注意が必要です。
そして、空き家の売却は「空き家バンク」にも相談できます。空き家バンクとは、空き家を貸したい人と借りたい人または、空き家を売りたい人と買いたい人をつなげる地方自治体が支援するサービスです。ウェブサイトにも物件情報を掲載できるケースがあります。
空き家バンクは地域活性化・まちづくりなどを目的とした非営利サービスのため仲介手数料が必要ありません。また、空き家バンクでは不動産会社から断られるような空き家でも無料登録できます。
資産価値が低いまたは需要が少ない空き家の売却相談の場合は、空き家バンクも活用してみてください。
まずは不動産会社に相談して、空き家の価値を見極めてもらい、適切な売却プランや活用方法などのアドバイスをもらうのがおすすめです。
④【無料で譲りたい】近所にお住まいの知人に相談する
空き家の無償譲渡に関する悩みを解決したい場合は、近隣にお住まいの知人に相談してみましょう。
空き家の近隣にお住まいの知人の中には「無償であれば譲り受けたい」と考えている人は多くいるでしょう。とくに、空き家の隣地所有者にとっては、敷地が広くなることがメリットになる人も多いです。
空き家を無料で譲りたいという相談を近隣にお住まいの知人にすることで、潜在的なニーズが生まれることもあるので、まずは知人に声をかけてみてください。また、先述した空き家バンクでも無償譲渡の登録が可能です。
⑤【活用したい】不動産会社に相談する
空き家の活用に関する悩みを解決したい場合は、不動産会社に相談しましょう。
空き家は活用次第で大きな利益を上げられる可能性を秘めています。「居住用賃貸借」「事業用賃貸借」「賃貸不動産経営」などが空き家活用の事例です。
それぞれの活用についての内容を以下にまとめています。
空き家の活用 | 内容 |
---|---|
居住用賃貸借 | 居住を目的とした建物や土地の賃貸借 |
事業用賃貸借 | 事業(居住以外)を目的とした建物や土地の賃貸借 |
賃貸不動産経営 | アパートやマンションの所有者としての賃貸不動産経営 |
しかし、空き家を活用したくても金銭面や法律面での問題が生じるので、ご自身で行うことは難しいでしょう。そこで不動産会社に相談すれば、空き家を有効的に使用できる活用法や手段について提案してもらえるのでおすすめです。
空き家を活用する以外にもリフォームや修繕、買取や売却の相談もできるので、ぜひ不動産会社に相談してみてください。
空き家を手放す前に不動産会社に相談するのがベスト
前章にて空き家の相談窓口を目的別に紹介しましたが、不動産会社に相談すればワンストップで解消できます。
空き家を手放したい人の中には弁護士または司法書士や行政書士、解体業者や近隣の住人などの知り合いがいない方もいるでしょう。また、複数の業者とそれぞれやりとりをすることに負担を感じる人もいるはずです。
不動産会社への相談であれば、日頃からやりとりをしている司法書士や専門業者と空き家の悩みをトータルで解消できます。空き家の所在エリアに関しての知識や取引実績が豊富な不動産会社に相談することをおすすめします。
空き家の相談事例から分析!悩みを解決する方法
空き家の相談事例から悩みを解決する方法について分析していきます。
- 空き家の将来に関する事例
- 空き家の活用法に関する事例
- 空き家管理に関する事例
今回は、上記の事例について詳しく解説していきます。
空き家の将来に関する事例
相談内容 | 詳細 |
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現在の状況 | 介護施設を検討しており、入居後空き家になる。 |
空き家の悩み | ・介護施設費・生活費に不安がある・施設入居後は空き家を管理できない・独り身なので将来的に空き家が不安 |
解決策 | ・売却費用で将来の金銭的不安を解消・後見人を設定 |
独り身で介護してくれる親族がいないため、施設への入居を検討している方の空き家の将来に関する相談事例です。
介護施設へ入居すると空き家になるため「適切な管理ができなくなる」「認知症などになった際にどうなるのか」を不安に感じられています。また、介護施設の費用や生活費の負担が将来的に不安のようです。
町の不動産会社に相談をしたところ、空き家の売却と後見人の設定を提案されたようです。空き家を売却または管理委託するにしても、将来的に認知症などの診断を受けてしまうと検討自体が難しくなるため、このような提案をされたと考えられます。
実際に、不動産会社から紹介された司法書士を通じて、空き家所有者の信頼できる人と「任意後見契約」を締結して将来的な不安を解消できたそうです。
空き家の活用法に関する事例
相談内容 | 詳細 |
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現在の状況 | 相続した空き家は再建築(建替え)ができないことが判明した。 |
空き家の悩み | ・遺品整理だけでも200万円ほどかかる・前面道路の幅が4m未満(再建築不可)・活用法がわからない |
解決策 | ・活用法(駐車場としての提案)・所有者の費用負担を軽減してあげる |
相続した空き家の前面道路の幅が4m未満のため再建築できない土地であることが判明した相談事例です。
相続当初に空き家の賃貸活用も検討したが、遺留品の処分費用に200万円程かかるため3年間放置し続けたそうです。近隣の住民よりクレームがあったことにより本格的に不動産会社へ活用の相談を開始します。
相談後、空き家の前面道路の幅が4m未満のため再建築できない土地であることが判明し、売却も難しい状況に頭を抱えていました。
しかし、駅から徒歩10分以内の利便性の高いエリアであることや近隣状況を考慮して駐車場への活用を提案されます。さらに不動産会社が遺留品の処分費用が空き家所有者の負担にならないように解体業者へ交渉してくれたので費用負担も少なく解体できたそうです。
空き家管理に関する事例
相談内容 | 詳細 |
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現在の状況 | 遺産分割協議が行えないため、親の遺産である空き家の管理に頭を抱えている。 |
空き家の悩み | ・法定相続人に行方不明者がいる・空き家の維持管理費用の負担・空き家への不法投棄や放火被害 |
解決策 | ・相続人調査、遺産分割協議・空き家活用の提案 |
法定相続人に行方不明者がいて遺産分割ができていない状況での空き家の管理に関する相談事例です。
対象不動産には現在誰も住んでおらず空き家の状態が数年続いている。法定相続人の中に行方不明者がいるため遺産分割協議が行えずにいる。
さらに、空き家への不法投棄や放火被害に遭い、近隣住民に迷惑をかけないためにも維持管理を徹底しているため、以下のような管理費用を残りの法定相続人で負担している。
- 固定資産税
- 都市計画税
- 火災保険
- 光熱費用
- 庭木などの剪定費用
- 不法投棄処分費用・修繕費用などその他費用
上記のような維持管理費用の負担が続いているため不動産会社に相談をして、取引先の司法書士、行政書士の紹介を受ける。相続人調査により行方不明の法定相続人が見つかり遺産分割協議を実施して相続が完了したようです。
空き家が流通性の高いエリアであったため、不動産会社に仲介を依頼して宅地として売却したとのことです。その後の相続税申告も不動産会社の取引先の税理士で済まされたそうです。
適切な相談先を選んで空き家に関する悩みを解消しよう
今回は、空き家の相談窓口5選について詳しく解説しました。
- 相続に関する悩みを解決したい:司法書士・行政書士
- 処分したい:解体業者
- 売却したい:地方自治体
- 無料で譲りたい:近所にお住いの知人
- 活用したい:不動産会社
しかし、上記のような専門家や業者の知り合いがいない方も多いはずです。ですので、空き家の相談はすべてワンストップで対応できる不動産会社をおすすめします。
不動産会社へ相談すれば、取引先の司法書士や専門業者と空き家の悩みをトータルで解消可能です。空き家の所在エリアに関しての知識や取引実績が豊富な不動産会社へ相談しましょう。
SUMiTAS(スミタス)では空き家を活用するための地域に特化した提案も行っていますので、まずは無料相談をしてみてください。