傾斜地で土地活用はできる?おすすめの活用方法や活用前の確認事項を解説

傾斜地で土地活用はできる?おすすめの活用方法や活用前の確認事項を解説

監修者
天池 篤哉
天池 篤哉(株式会社SUMiTAS 取締役)
  • 宅地建物取引士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士

斜面のある土地でも、土地活用をすることは可能です。
ただし傾斜地には平地と違った注意点があるため、どのような注意点があり、どんな方法で活用を始めるのかを知ったうえで検討する必要があります。

そこで本記事では、傾斜地向きの活用方法や活用前に確認しておくべきポイントを解説します。傾斜地の活用を検討中の方はぜひ、参考にしてください。

傾斜地・崖地・造成地の定義

地面に高低差のある土地には「傾斜地」「崖地」「造成地」の3種類あり、傾斜の角度によって呼ばれ方が異なります。まずはそれぞれの定義を確認して、自分が所有する土地がどれにあたるのかを確認してみましょう。

  • 傾斜地(けいしゃち):斜めになっている土地
  • 崖地(がけち):傾斜地よりもさらに斜面が急で、地表面が水平面に対して30度をこえる土地
  • 造成地(ぞうせいち):切土や盛土などで斜面が整備された土地

傾斜地と崖地は、どちらもそのままの状態では宅地としての利用ができないので、土地に建物を建てるのであれば必ず造成工事が必要になります。

傾斜地の土地活用方法5選

傾斜地の土地活用には、「斜面をそのまま活かす方法」と「土地を造成して行う方法」があります。その中で今回紹介するのは、次の5つの活用方法です。

  • 一戸建て賃貸経営
  • アパート・マンション経営
  • 駐車場経営
  • 太陽光発電
  • キャンプ場

上3つが土地の造成が必要な方法で、下2つは傾斜を活かす土地活用方法です。この章ではこれらの方法で「どう活用を始めるのか」「どのように傾斜の利点を活かすのか」という部分に注目して説明していきます。

土地活用の収益性や始め方などの基本的な部分は、「不動産会社SUMiTAS(スミタス)が選ぶ!場面別の土地活用ランキング!」内でお伝えしていますので、ぜひこちらも参考にしてください。

一戸建て賃貸経営

土地が住宅地にあるのなら、日照や眺望を確保できるという傾斜地の利点を活かして、一戸建て賃貸経営をする方法があります。子育て環境が整っている地域であれば、ファミリー層の入居を望めるでしょう。

ただし、傾斜地に建物を建てるためには、切土や盛度によって土地自体を整えるか、基礎部分の高さで勾配を調節するかの2択になります。

戸数が増えるほど造成工事や基礎工事にかかる費用も高くなるため、建物の建築費だけではなく、それらも含めて収益性を考える必要があります。

アパート・マンション経営

住宅地に広い傾斜地を所有しているのなら、アパート・マンション経営をする方法もあります。土地の造成が必要な点や、日照と眺望のメリットは一戸建て住宅と同じです。建物は斜面に沿うように基礎を立ち上げるひな壇型にするか、土地全体を造成して建てることになります。

戸数が増える分、満室になれば高い収益を得られますが、土地改良にかかる費用や建築費も大きくなり、さらにひな壇型にする場合は修繕費も高額になりがちです。工事費用があまりにも高額になると採算が合わなくなる恐れもあるので、利回りをしっかりシミュレーションしておく必要があります。

駐車場経営

住宅地や駅付近などに土地があるものの、一戸建て住宅を建てるほどの広さがない場合や、初期費用を抑えたい方におすすめなのが、駐車場経営です。造成工事後の土地に車1台を停められる5坪以上の広さがあるのなら、駐車場として経営することができます。

駐車場経営のメリットは、建築費用がかからないことです。一戸建て賃貸やアパート・マンションと同様に土地の造成工事は必要ですが、初期費用が抑えられる分、最低限必要な収益のハードルも下がります。

大きな収益を求めるには不向きな方法ではありますが、少しでも利益があればいいと考える方にはおすすめです。

太陽光発電

太陽光発電であれば、傾斜を活かした土地活用が可能です。平地で行う太陽光発電は、太陽に対して角度をつけるために架台を設置しますが、傾斜地ではすでに角度がついているため架台なしで始められる場合もあります。

傾斜地の土地活用において、造成工事が不要な点は大きなメリットです。さらに太陽光発電で求められるのは日当たりや土地面積などの発電効果のみなので、集客性を考える必要もありません。

キャンプ場

広大な傾斜地を所有しているのであれば、地形を活かしてキャンプ場を経営する方法もあります。キャンプ場のメリットは、初期費用や維持管理費を抑えられることです。

テントを張る野営スペースのみの提供であれば、管理棟やトイレの建設と部分的な造成工事のみで経営を始められ、開業許可も必要ありません。

キャンプブームも巻き起こっているので、SNSやウェブで積極的な宣伝活動を行えば安定した収益を望めるでしょう。

傾斜地で土地活用をする前に確認すべきこと

傾斜地での土地活用は、土地の造成や擁壁の設置が必要になったり、制限が出たりする可能性があります。活用方法を決めたあとに「この土地ではできない方法だった」とならないように、活用前にきちんと確認しておくことが重要です。

活用前に確認しておきたいのは、主に次のような部分です。

  • 地盤改良の必要性
  • 土地が属する区域
  • 擁壁の状態
  • 周辺環境とニーズ

それぞれ見ていきましょう。

地盤改良の必要性

傾斜地に限ったことではありませんが、建物を建てるときには地盤調査が必要です。地盤調査によって改良が必要だとわかると、地盤改良費用も追加でかかるため、予想していたより初期費用がかかってしまう恐れがあります。

地盤の調査や改良にかかるのは、次のような費用です。

  • 地盤調査費用
  • 地盤改良
  • 造成工事

これらをすべて行うと、一戸建て住宅であれば数十万〜数百万円、アパート・マンション規模になると数千万円もの費用がかかる可能性があります。そこからさらに建築費用もかかるため、初期費用には膨大な費用がかかるでしょう。

地盤改良が必要な場合は、それだけの初期費用をかけても経営が成り立つのか、慎重に検討する必要があります。

土地が属する区域

傾斜が30度を超える土地は、「急傾斜地崩壊危険区域」に指定されていることがあります。急傾斜地崩壊危険区域を簡単に説明すると、台風や集中豪雨などによって発生するがけ崩れから住民を守るために、さまざまな規制のある区域です。

この区域に指定された土地は、がけ崩れを誘発・助長する恐れのある行為が制限されます。規制は自治体によって異なりますが、多いのが切土や盛土の制限です。さらに区域内に住宅やマンションを建築する場合は、都道府県知事の許可も必要になります。

規制内容によっては活用方法が限られるので、活用前に必ず区域を確認しておきましょう。

擁壁の必要性や既存擁壁の状態く

傾斜地の造成にかかる費用の中で大きな割合を占めるのが、擁壁にかかる工事費用です。擁壁を新たに作るのであれば、規模によっては数百万円~数千万円もの費用がかかります。

また、すでに擁壁がある土地でも、老朽化が進んでいると修繕や作り直しが必要です。その場合は新設工事に加えて既存擁壁の撤去費用もかかるため、費用はぐっと跳ね上がります。

擁壁の必要性や既存擁壁の状態は初期費用に大きくかかわりますので、必ず確認しておきましょう。

周辺環境とニーズ

傾斜地に限らず、土地活用において周辺環境とニーズ調査は必須事項です。

「広い土地があったから」「住宅地だから」と、単純な理由で活用方法を決めてしまうと、思うような収益を出せなかったり、赤字経営になったりする恐れがあります。

賃貸経営をするにしても、利便性や家賃相場、年齢層、施設、などをさまざまな観点から綿密に調査し、利回りなども考えなければなりません。しかしこれらの調査は、初めて土地活用に挑戦する方にはハードルが高い作業だと言えます。

自己判断するのではなく、不動産会社に相談のうえ活用方法を検討しましょう。

傾斜地は活用方法が限られる!必ず専門家に相談を

傾斜地での土地活用では、土地の状態によって活用方法が限られる可能性があります。もし希望する活用方法が可能だとしても、造成工事や擁壁の設置などによって、高額な初期費用がかかることもあるでしょう。

活用方法を決めるときには、それらの費用を払ってでも活用すべきなのかをさまざまな観点から慎重に判断する必要があります。土地活用で失敗したくない方は、不動産会社のアドバイスを受けながら活用方法を検討しましょう。

SUMiTAS(スミタス)では土地活用の相談も承っておりますので、傾斜地の土地活用をお考えの方は、お気軽にご相談ください。

監修者
天池 篤哉
天池 篤哉(株式会社SUMiTAS 取締役)
  • 宅地建物取引士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士

2005年から不動産賃貸仲介営業で不動産業のキャリアをスタート。
物件マニアで、『従事している期間毎日10件内見する』という裏目標を立て、6年間実施。札幌市内の賃貸物件約18,000件を内見した。
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