マンションの買取業者を選ぶコツ!買取と仲介の違いと選び方を解説

マンションの買取と仲介の選び方を解説!おすすめの買取業者とは?

監修者
吉田 宏
吉田 宏(株式会社SUMiTAS 代表取締役社長)
  • 二級建築施工管理技士
  • 宅地建物取引士
  • 測量士補
  • 賃貸不動産経営管理士

マンションの売却を考えた時に、すぐに売却可能なマンションの買取を視野に入れている人も多いのではないでしょうか。早期売却ができる買取ですが、売却物件の条件に合わせて選ばないと損をしてしまう可能性があります。

本記事では、マンション買取と仲介の選び方についての解説と併せて、おすすめの買取業者についてご紹介いたします。自分にあった売却方法を選択しマンション売却時に損するリスクを減らすためにも、買取の特徴やメリット・デメリットについて学んでおきましょう。

マンションの買取とは?

マンションの売却方法には、「買取」と「仲介」があります。「マンションの買取」とは、不動産会社や買取業者に直接マンションを買い取ってもらうことを指します。広告チラシやインターネットで個人の購入者を探す「仲介」とは異なり、買取をする業者に直接売却する方法です。

購入者を探す時間や手間を省きたい人は、「買取」を選ぶ傾向にあります。買取も仲介もマンションを売却することに変わりはありませんが、それぞれ売却相手が異なります。

買取で売却する流れ

買取で売却する方法は以下の流れで行います。

  1. 買取査定を不動産会社に依頼する
  2. 買取金額について交渉する
  3. 売買契約をする
  4. 物件を引き渡す

まずは、買取金額がいくらになるか確認するため、不動産会社に買取査定を依頼します。「仲介」と「買取」では金額の算出基準が違うため、「買取」であることを伝えてから不動産会社に買取査定を依頼しましょう。

次に、算出された買取金額に対して不動産会社と金額の交渉をします。金額交渉が成立すれば、不動産会社と売買契約の締結となります。そして、売買契約後から大体1ヵ月~1ヵ月半後に物件を不動産会社に引き渡します。買取で購入するのは不動産会社であるため、買取金額の折り合いがつけばすぐに売買契約へと進むことができます。

以下では「買取」売却方法の特徴について説明します。

買取での売却の特徴

買取での売却の特徴はこちらです。

  • 売却までが早い
  • 仲介手数料がかからない
  • 売却価格が仲介よりも低い場合が多い

仲介で個人の購入者を探す場合には、チラシやインターネットなどの広告媒体を使用し募集をかけるため時間と費用がかかってしまいます。しかし、買取では不動産会社に直接売却ができるため、広告・宣伝活動をする時間と費用が不要です。

また、不動産会社に仲介を依頼するわけではないので、仲介手数料もかかりません

ただし、買取査定金額は仲介での売却価格よりも低くなることが多いです。理由としては、買取を行う不動産会社は買い取った物件をリフォームして自社から売り出すため、買取価格はリフォーム費用と利益分を差し引く必要があるからです。

仲介よりも売却金額は低くなりますが、早く売却を完了できることが買取による売却と覚えておきましょう。

仲介での売却の流れ

仲介での売却方法の流れがこちらです。

  1. 売却査定を依頼する
  2. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
  3. 不動産会社が売却活動をして購入者を探す
  4. 購入者と価格や条件を交渉する
  5. 売買契約をする
  6. 物件を引き渡す

仲介では、不動産会社に売却活動を依頼して、マンションの購入者を探します。売却の流れに関しては、以下記事を参考にしてください。

仲介での売却の特徴

仲介による売却の特徴は以下の通りです。

  • 広告・宣伝での売却活動
  • 買取よりも売却価格が高くなることが多い
  • 仲介手数料が必要

仲介での売却は時間はかかりますが、買取に比べると高く売れる可能性があります。 インターネットや広告、チラシなどの売却活動で幅広く購入者を探すことで、希望する売却価格で買ってくれる人を見つけることができます。

ただし、購入者がすぐ現れるとは限らないので売却活動にどのくらい時間がかかるかはケースによって変わります。仲介での売却にかかる期間は3ヵ月~6ヵ月程が一般的です。また、仲介で売却する場合は不動産会社に対して仲介手数料が必要となります。

仲介では売却活動の時間と仲介手数料がかかりますが、高く売れる可能性が高いと覚えておきましょう。
仲介手数料の相場や計算方法は、以下記事を参考にしてください。

不動産売買における仲介手数料の相場や計算方法について解説 不動産売買の仲介手数料の相場はいくら?費用内訳と計算方法を解説します

「買取」と「仲介」の選び方

マンションの売却方法を買取か仲介かを決める時に、物件の条件によって最適な方法が異なります。こちらでは、「買取」と「仲介」それぞれに適している条件を説明します。

買取が適している条件

買取が適している条件はこちらです。

  1. とにかく早く売却したい
  2. 築年数が古い
  3. 事故やトラブルを抱えている
  4. 室内の状態が悪い

① とにかく早く売却したい

買取は売却活動が不要なため、早く売却したい人に向いています。マンションの売却方法で仲介を選ぶ場合とは違い、買取業者や不動産会社に対して価格交渉を行い、折り合いがつけばすぐに売却することが可能です。売却資金の使い道が決まっていたり、早く手元に現金がほしい方におすすめです。

② 築年数が古い

築年数が古い場合は購入者が見つかりにくく、売却に時間がかかる可能性が高くなります。築年数が古い物件は、住宅ローン控除等の条件が厳しくなるため、購入希望者が見つかりにくい傾向にあります。

住宅ローン控除では築20年以上(耐火建築物は25年以上)の場合、耐震基準適合証明書か住宅性能評価書、既存住宅売買瑕疵担保責任保険の証明書のいずれかが必要となるからです。

住宅ローン控除を受ける条件は、建物の耐震性能が確保されていることです。そこで、築年数が古い住宅の耐震性能を示す書類として、耐震基準適合証明書等が必要となります。そのため、他の築浅物件や新築物件等と比較されてしまい、購入希望者を探すことが容易ではありません。

しかし、買取をする不動産会社は築年数が古くても、金額さえ折り合いがつけばマンションを買取ります。築年数が20年~30年程と古く立地等の条件も良くない物件の場合は、買取で不動産会社や買取業者に依頼することも一つの方法です。

③ 事故やトラブルを抱えている

過去にマンション内や室内で自死や事件があった物件は、購入者が見つからない可能性が高いです。不動産売却の際には、必ず購入者に現状の事故やトラブル等を伝えないといけません。どんなに条件の良い中古物件でもマイナスとなる情報を伝えると、購入者は離れてしまう可能性があります。

具体的には、部屋で誰か亡くなり発見が遅れた場合や同じマンションの敷地内で自死があった場合は、購入者が見つかりにくい傾向にあります。けれど不動産会社や買取業者であれば、事故やトラブルがあった物件でも買取を行ってもらえます。

④ 室内の状態が悪い

室内の状態が悪い物件は、そのままの状態で売りに出しても購入者を見つけることが難しいため、買取が向いています。室内が汚れや傷だらけ、もしくは設備の動作に不具合がある物件は、内覧をする人から良い評価を得ることはできません。

仮にリフォームしてから売却しようとしても、リフォーム代が高額になってしまう可能性があります。たとえリフォームを行ったとしても、希望する売却価格で売れるかどうかはわかりません。

リフォーム費用に多額の費用をかけてしまうと、高く売れたとしても手元に残るお金は少額となってしまう可能性があります。買取であれば基本的にそのままの状態で売却できます。リフォームしないと仲介で売却できないような室内状態の悪い物件は、買取がおすすめです。

仲介が適している条件

仲介が適している条件はこちらです。

  1. できるだけ高く売りたい
  2. 立地が良い
  3. 築浅で状態が良い
  4. 住宅ローンの残債が多い

① できるだけ高く売りたい

マンションの売却方法で仲介を選択した場合は、インターネットやチラシ等の広告・宣伝活動に時間をかけ購入者を広く探すことができるため、希望価格で売却できる可能性が高くなります。自宅マンションをより高く売りたい方は、買取よりも仲介が向いています。

② 立地が良い

立地が良い物件は購入者を探しやすく、仲介でも売却に時間がかからないためおすすめです。具体的な立地が良い物件とは、駅から徒歩圏内の物件やスーパーなどの生活必要施設が近く、住環境が良い物件を指します。

住環境や利便性の良い土地にある物件は、「買取」によるマンション売却よりも高く売れる「仲介」が適しています。

③ 築浅で状態が良い

築浅で状態が良い物件は、購入者がリフォームにかける費用が少ないため、手元に多く資金を残せる可能性が高くなります。中古物件を購入する人は、購入後のリフォーム費用と本体価格を含めた金額で物件を探している方が多いです。築浅でリフォームの費用がかからないのであれば、必要な資金が安く済むため、購入者が集まりやすい物件になります。

具体的には、築5年~10年の物件、もしくは購入後にハウスクリーニングを行うだけで住める物件などです。購入希望者を探すこともそれほど難しくないため、仲介が向いています。

④ 住宅ローンの残債が多い

住宅ローンの残債が多い人は、仲介によるマンション売却が向いています。
物件を売却する際には抵当権を抹消しなくてはならないため、必ず住宅ローンの完済が必要となります。そのため、残債が多いけど手元に資金がない人の場合には、残債額を上回る額で売却しなくてはなりません。

買取では、売却価格が仲介より低く、住宅ローンの残債に充当しても住宅ローンを完済できない可能性があります。一方で、仲介なら高く売ることができ、住宅ローンを完済できる確率が高くなります。住宅ローン残債が多い場合は、高く売却できる仲介のほうが向いています。

買取のメリット

買取のメリットがこちらです。

  • 早く売却できる
  • 契約手続きが早い
  • 仲介手数料がかからない
  • 秘密厳守で売却できる
  • 売却契約における責任が軽い

早く売却できる

買取は買取業者や不動産会社に対して価格交渉を行い、金額や条件の折り合いがつけばすぐに売却することが可能であるため、早く売却できます。すぐに売却資金がほしい場合には、買取がおすすめです。

契約手続きが早い

買取する不動産会社は個人ではなくプロであり、豊富な不動産取引経験があるため、契約に関する手続きが早く済みます。そのため、購入申し込みから数日後に契約、契約から1ヵ月以内に引き渡しというスケジュールでも可能な場合があります。

一方で、個人の購入者の場合は、購入申し込みから契約までに1週間~2週間、契約から引き渡しまでに1ヵ月半~2ヵ月かかる場合もあります。買取を選ぶことで、売却手続きにかかる時間を減らすことができるため、忙しくて時間がない方にもおすすめです。

仲介手数料がかからない

仲介は不動産会社に支払う仲介手数料が発生しますが、買取の場合は仲介手数料が不要です。仲介手数料は売却金額によって決まりますが、数十万~数百万円程かかる可能性もあります。仲介手数料にかかる費用を節約できることが、買取のメリットです。

秘密厳守で売却できる

買取の場合は広告・宣伝活動を行わないため、近隣住民にばれず秘密厳守で売却を行うことができます。買取では買取をする不動産会社と直接交渉を行うため、インターネット上での掲載や周囲へのチラシ配布なども致しません。近隣住民に売却を行っていることが知れ渡ると、売却価格や売却理由などについて余計な詮索をされる可能性があります。

例えば、売却理由が離婚による別居の場合、周囲に知られたくないという人も多いです。買取では売却活動をしないので、売却時にかかる余計な心配をする必要がありません。

売却契約における責任が軽い

買取の場合は、個人ではなく不動産会社相手に売却するため、売却後にかかる責任が軽い傾向にあります。仲介では主な購入者は個人となり、売主は売却後の物件に対する責任負担が大きくなります。

引き渡し後に雨漏りやシロアリの害等の瑕疵が見つかった場合、売主が補修費用を支払う場合があるのです。※

しかし、買取の場合は購入者が不動産のプロであり、売却後に負う責任が免除される傾向にあります。理由としては、買取業者と個人が不動産売買契約すると宅建業法により個人側が守られるためです。売却契約後の心配を減らすことができるのが、買取のメリットです。

一般財団法人住宅金融普及協会「住まいの情報」内、「瑕疵担保責任から契約不適合責任へ」を参照してください。

買取のデメリット

買取のデメリットがこちらです。

  • 売却価格が安い
  • 悪質な買取業者がいる

売却価格が安い

買取業者の最終的な利益から買取価格が算出されるため、売却価格が安くなります。希望の売却価格で売れる可能性がある仲介と比べ、安い価格での売却となるのが買取のデメリットです。

悪質な買取業者がいる

買取業者の中には売主の足元を見て、安い買取金額を提示する悪質な買取業者がいます。早期売却を検討している売主に対して、相場の買取金額よりもさらに低い金額を提示してくる業者に遭遇する可能性があります。

売却資金がすぐ必要な売主や、相場を知らない売主の多くは、悪質な買取業者の値段に応じてしまう場合があります。悪質な買取業者に依頼してしまうと、大きく損をしてしまいます。

買取業者を選ぶコツ

買取業者を選ぶコツはこちらです。

  • 信頼できる不動産業者に査定を依頼する
  • 査定価格が高いという理由だけで選ばない
  • 買取保証があるか確認する

信頼できる不動産業者に査定を依頼する

正しい買取り価格を知るためには、信頼できる不動産業者に査定を依頼することが大切です。査定金額正しくないと相場よりも低い金額で売却してしまう可能性がありますので、信頼できる買取業者を選ぶようにしましょう。

査定価格が高いという理由だけで選ばない

査定価格が高くても、買取時に高い諸費用がかかる場合もあるため、単純に査定価格の高さだけで選ぶのは危険です。査定価格には諸費用が反映されておらず、実際の買取時に別途残置物の撤去費用等を請求される場合があるからです。

一般的な家庭で、家具や家電を全て撤去する場合にかかる費用は、30万円~50万円です。そのため、査定価格が高くても、買取時にかかる費用を差し引くと他社の査定金額よりも低くなる場合があります。

単純に査定価格が高いという理由だけではなく、売却時にかかる費用や条件を確認したうえで、買取業者を選ぶようにしましょう。

買取保証があるか確認する

買取保証制度を利用できる不動産会社を選ぶことで、買取よりも高く売れる可能性があります。

買取保証制度とは、まず一定期間仲介での売却活動を行って一般の買い手を探します。仲介による売却活動中に買い手が見つかればそのまま売却ができ、見つからなければ一定期間経過後、不動産会社に買取を行ってもらう方法です。

最終的には買取で売却できる保証が付いているので、売却期限まで余裕があるという方は、買取保証制度が利用できる不動産会社を選ぶのも一つの方法です。

マンション買取に関する注意点

マンション買取に関する注意点がこちらです。

  • マンションの売却相場を調べておく
  • 買取時の条件を確認する
  • 買取費用について確認しておく

マンションの売却相場を調べておく

マンションの売却相場を調べておけば、相場より低い金額で買取を依頼してしまうリスクを減らすことができます。

買取業者の中には、売主に知識がないことがわかると、売却相場よりもかなり低い金額で査定金額を算出する業者もいるためです。売却相場を知らない人は、買取業者の査定金額を鵜呑みにしてしまい、本来の買取相場よりも低い金額で売却してしまいます。

そこで、マンション相場を事前に調べておけば、査定金額が適正なのか低すぎるのか判断できますので、マンションの売却相場を調べておくことをおすすめします。ただし、買取査定の相場は通常のマンション相場に比べて60%~80%の掛け目になりますので、注意しましょう。

※国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営している「レインズマーケットインフォメーション」を参照してください。
参考:「レインズマーケットインフォメーション」

買取時の条件を確認する

買取時の条件を確認しておきましょう。残置物を全て撤去してほしいという条件があると、引渡し前に残置物撤去費用が発生します。大きな家具や家電がある場合、残置物撤去で数十万円かかる可能性があります。買取時の条件を確認し、想定外の費用が発生するリスクを避けましょう。

買取費用について確認しておく

買取にかかる費用の総額を把握しておかないと、急な出費が発生する可能性があります。買取時に仲介手数料はかかりませんが、登記費用や税金などが必要となるからです。具体的には、住宅ローンを繰り上げ返済する時や、売却で利益が出た場合に費用が発生します。あらかじめかかる費用の総額を理解しておけば、慌てずに対処することができます。

買取にかかる費用の総額はこちらです。

項目概要目安費用
登記費用抵当権抹消費用住所・氏名変更登記等2万円~3万円
印紙代売買契約書に貼付用5,000円~3万円
銀行への手数料繰り上げ返済手数料2万円~3万円
譲渡所得税売却で利益が出た場合売却益により異なる
長期譲渡所得:39.63%
短期譲渡所得:20.63%
引っ越し代金住み替えが必要な場合10万円~30万円

まとめ

買取業者へのマンション売却は仲介による売却と比べて早く売却することが可能です。ただし、悪質な買取業者に依頼してしまうと市場価格よりも大幅に低い金額で売却することになり、大きく損をする可能性があります。マンションの売却を安全に進めるためには、売却査定を正しく行ってくれる信頼できる不動産会社に依頼することが一番の近道です。

SUMiTASは全国での査定実績を踏まえて分析し、市場の需要にあった適正な査定価格を算出しています。マンションの買取りと仲介は、まず全国ネットワークのSUMiTASにご相談ください

この記事を書いた人

Kunika

Kunika

宅建士 / FP2級技能士(AFP)。不動産仲介会社勤務時に、年間80件以上の成約実績を持つ。特に中古戸建や中古マンションの購入・売却の豊富な経験がある。現在は不動産ライターとして、不動産取引初心者に向けた情報配信を行っている。

監修者
吉田 宏
吉田 宏(株式会社SUMiTAS 代表取締役社長)
  • 二級建築施工管理技士
  • 宅地建物取引士
  • 測量士補
  • 賃貸不動産経営管理士

愛媛大学在学中に愛媛県で株式会社アート不動産を創業する。現在アート不動産では、アパマンショップ(賃貸)を5店舗、SUMiTAS(売買)を2店舗・管理センターを1店舗、売買店舗を2店舗運営。吉田 宏の詳細プロフィールはこちら