リースバックした家には何年住める?家に住み続けるためにできることは?

リースバック 何年 住める

監修者
吉田 宏
吉田 宏(株式会社SUMiTAS 代表取締役社長)
  • 二級建築施工管理技士
  • 宅地建物取引士
  • 測量士補
  • 賃貸不動産経営管理士

リースバックは自宅の売却後に家賃を払って住み続ける取引ですが、売却後にどのくらい住めるのか気になっている方も多いでしょう。
リースバックした家に住める期間は、2〜3年程度です。最近では借主主体のリースバックも増えてきているため、契約内容によっては期間を定めず住み続けることもできます。

本記事では、リースバックで結ぶ賃貸契約の内容や長く住み続ける方法、売却した住宅を再購入する際の注意点を解説します。リースバックの利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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リースバックの賃貸契約期間は2~3年が一般的

リースバックは自宅の所有権が移転したあとも、そのまま家に住み続けられる取引方法です。「住み続けられる」が「ずっと住める」と勘違いされがちですが、リースバックの賃貸契約期間は2〜3年が一般的で、契約終了後は住宅を明け渡すことになります。

そのため、住宅を再購入する場合や契約期間がない場合を除き、リースバックから2〜3年以内に新しい住まいを見つけなければなりません。

リースバック後に結ぶ賃貸契約方法については、次項で説明していきます。

リースバックの賃貸契約方法

リースバックの賃貸借契約には「普通借家契約」と「定期借家契約」があり、それぞれ契約期間や条件が異なります。どちらの契約方法を結ぶかによって、リースバック後の暮らしに大きな影響を与えるため、それぞれの特徴をしっかり頭に入れておきましょう。

普通借家契約

普通借家契約は、更新が可能な賃貸契約方法です。
契約期間は1年以上で設定されることが多く、契約期間満了後にリースバックの利用者(借主)が希望すれば契約を更新できます。

普通借家契約の多くは借主の権利が強いので、貸主からの一方的な都合による退去要求ができません。契約更新を拒否する場合は、正当な理由が必要です。
ただし普通借家契約には注意点があり、定期借家契約よりも月々の賃料が高くなる傾向があります。高い家賃を払って住み続ける必要があるのか、慎重に判断しなければなりません。

定期借家契約

定期借家契約は、あらかじめ契約期間が定められている賃貸契約方法です。

契約期間満了後には住宅を明け渡すことになるため、「子供が学校を卒業するまでは住みたい」「契約期間内に再購入するつもりでいる」など、住みたい期間が決まっている方に適しています。

もし契約終了後も居住したいと思った場合、定期借家契約であっても双方に契約の意思があれば“再契約”が可能です。ただし再契約では契約内容が見直されることが多く、賃料の値上げなどが行われる可能性があります。

リースバックで定期借家契約が多い理由

2種類の契約方法があるリースバックですが、実際は定期借家契約が一般的で、普通借家契約はできないリースバック業者も少なくありません

その理由は、普通借家契約よりも定期借家契約のほうが、リースバック業者にとって安定性のある契約方法だからです。あらかじめ契約期間が決まっているため、リースバック業者は将来の収益を見込みやすくなり、資産価値の低下や家賃滞納のリスクも軽減できます。

さまざまなリスクを回避して安定した経営をするために、リースバック業者にとって安定性のある定期借家契約をとっているのです。

リースバックした家に長く住み続ける方法

「リースバックした住宅に住める期間は2〜3年が一般的」と言われても、利用者にもさまざまな事情があります。「家に4〜5年は住みたい」「引っ越し資金が貯まるまで住みたい」などの思いもあるかもしれません。

その場合、少しでも長く住み続ける方法はあるのでしょうか。ここからは、リースバックした住宅に長く住み続ける方法をお伝えしていきます。

住宅を再購入する

リースバックした住宅に長く住み続けるために確実なのが、住宅を再購入する方法です。リースバックした住宅を再購入することで再び住宅の所有者になれば、退去することなく、これまで通りの生活ができます。

ただし売却した住宅の再購入は簡単ではなく、次のような条件がある場合がほとんどです。

  • 再購入価格は買取価格の1~2割増し程度になる
  • 手数料や登記費用などの諸費用がかかる
  • 家賃の滞納など契約違反をすると再購入の権利を失う可能性がある
  • 契約内容によっては再購入自体できない

上記を見てわかるように、1度手放した住宅を再購入するのは決して簡単なことではありません。さまざまな条件があり、費用も必要です。

再購入の意思がある場合は…

再購入の意思がある場合は、リースバック契約時に再購入に関する特約や再売買の予約を契約書に記載しておきましょう。

普通借家契約ができる不動産会社を選ぶ

先ほどもお伝えしたように、普通借家契約では契約期間満了後も借主が希望すれば、契約を更新できます。正当な理由がない限り貸主は更新拒否できないので、長期間にわたって住宅で暮らしたい方は普通借家契約が適しているでしょう。

ただし普通借家契約を結ぶ場合、月々の賃料は定期借家契約より高くなる可能性が高いです。住み続ける期間によっては、再購入を検討したほうが良いケースも出てくるでしょう。

普通借家契約を検討するときには、住み続けたい年数とその間にかかる家賃、再購入にかかる費用を比較したうえで、どちらの方が負担を抑えられるのか考えてみてください。

定期借家契約でも再契約できる不動産会社を選ぶ

定期借家契約の場合も、双方に契約の意思があれば再契約できます。
再契約を希望する方は、あらかじめ再契約の意思があることをリースバック業者に伝え、再契約できる可能性が高い業者に依頼しましょう。
その際には再契約の実績や、転売の有無などを確認し、リースバックで買い取った物件を継続的に所有しているのかも確認しておくと安心です。
ただし、定期借家契約の場合、再契約が「確約」ではない点に注意してください

過去に再契約の実績があったり口約束をしたりしていたとしても、契約期間が終了した時点で貸主(リースバック業者)に再契約の意思がなければ再契約はできません。

定期借家契約を結ぶ以上、再契約できないリスクは必ず負うことになります。

リースバックした家を再購入するときの注意点

ここまでの説明で「長く住むのなら賃貸契約を続けるよりも、再購入したほうがいいのでは?」と感じた方もいらっしゃるでしょう。けれど先ほどもお伝えしたように、リースバックした住宅の再購入は決して簡単なことではありません。最後に、リースバックした家を再購入するときの注意点をお伝えしていきます。

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再購入の条件を契約書に明記しておく

リースバックした住宅の再購入を希望する場合は、契約書に再購入が可能な期間や価格などを明確に記載しておくことが重要です。口約束だと条件が変わる可能性があり、最悪の場合、再購入自体できなくなる恐れもあります。

また、書面に残すときに必ず記載しておきたいのが、オーナーチェンジ(所有者の変更)があった場合の対応です。契約時に「オーナーチェンジが起こった場合も契約時の内容を維持する」旨を書面に残しておけば、再購入を拒否されるリスクが避けられます。

契約書は業者が作成した安心感から、内容を見落としがちです。
トラブルを避けるためには、契約書の隅々まで目を通し、自分にとって不利な内容になっていないのかを必ず確認してください。もし疑問点や不安箇所がある場合は、契約前に解消しておきましょう。

家賃滞納はしないよう気を付ける

リースバックした物件を再購入するためには、契約書に記載されている内容を正しく履行する必要があります。さまざまな内容の中でも、とくに注意したいのが「家賃の滞納」です。
家賃は3か月以上滞納すると約款違反と見なされ、普通借家契約か定期借家契約かに関わらず、再購入の権利を失う可能性があります。家賃の支払いには細心の注意を払いましょう。

リースバックした家に住めるのは2〜3年!契約期間を考えて利用の検討を

リースバックした家に住める期間は、2〜3年ほどです。

最近では普通借家契約や、更新を前提とした契約ができるリースバック業者も増えてきたので、希望すれば長期的に住むことも可能です。しかし本当に住み続けるほうが良いのかは、慎重に判断しなければなりません。ご自身の状況やライフプランによっては、他の売却方法のほうが適している可能性もあります。

自分に本当にリースバックが向いているのか心配な方は、売却全般の相談を承っているSUMiTAS(スミタス)にご相談ください。リースバック以外の選択肢も交えて、お客さまにとって1番利益が大きい方法をアドバイスいたします。

監修者
吉田 宏
吉田 宏(株式会社SUMiTAS 代表取締役社長)
  • 二級建築施工管理技士
  • 宅地建物取引士
  • 測量士補
  • 賃貸不動産経営管理士

愛媛大学在学中に愛媛県で株式会社アート不動産を創業する。現在アート不動産では、アパマンショップ(賃貸)を5店舗、SUMiTAS(売買)を2店舗・管理センターを1店舗、売買店舗を2店舗運営。吉田 宏の詳細プロフィールはこちら