アパートを売る手順は?売却に有利なタイミングやよくある質問をチェック

監修者
吉田 宏
吉田 宏(株式会社SUMiTAS 代表取締役社長)
  • 二級建築施工管理技士
  • 宅地建物取引士
  • 測量士補
  • 賃貸不動産経営管理士

アパートの売却は、流れ自体は居住物件の売却と同じように進みますが、注意点が異なります。取引額も大きくなるため、注意点はもちろん税金面のしくみも理解しておかなければ、損をしてしまうかもしれません。

そこで本記事では初めてアパートを売却する方に向けて、次の内容を説明します。

  • 売却の手順
  • 売却に有利なタイミング
  • よくある質問

売却へ向けて動き出す前に、不安や疑問を解消しておきましょう。

アパートを売却する手順

アパートの売却は次の流れで進んでいきます。

  1. 投資物件を売却できる不動産会社を探す
  2. 訪問査定を受ける
  3. 媒介契約を結び売却活動を行う
  4. 購入希望者と不動産売買契約を結ぶ
  5. 引き渡しを行う

それぞれ見ていきましょう。

1:投資物件を売却できる不動産会社を探す

まずは、アパートの売却に対応している不動産会社を探します。
ここでのポイントは、投資物件の取り扱いや売却実績が豊富な不動産会社を探すことです。

過去の実績はもちろんですが、現状でホームページに投資物件が多く掲載されている不動産会社だと、なお良いでしょう。
相談する不動産会社を決めたら、電話やメールでの問い合わせ、または店舗で担当者にアパートを売却する旨を相談してください。

2:訪問査定を受ける

おすすめなのは現地査定を行う訪問査定
おすすめなのは現地査定を行う訪問査定

査定には「簡易査定」「訪問査定」「一括査定」の3種類ありますが、おすすめなのは現地調査を行う訪問査定です。簡易査定と一括査定でも“おおよその査定額”がわかりますが、取引事例が少ないアパートの査定では、あまり信頼度が高くありません。

売却をスムーズに進めるためにも、初めから訪問査定を受けることをおすすめします。

3:媒介契約を結び売却活動を行う

売却活動を行う不動産会社を決めたら、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」のいずれかの契約を結びます。媒介契約は売主と不動産会社の間で決める、売却活動における約束事のようなものです。契約方法によって制約や販売状況の報告回数などが異なるため、それぞれの違いを理解したうえで契約しましょう。

媒介契約の種類不動産売却の媒介契約の違いとおすすめ。一般、専属、専属専任の違い

4:購入希望者と不動産売買契約を結ぶ

媒介契約を結んだら、ポータルサイトやホームページ、チラシ、紹介などで不動産会社が物件を周知して、売却活動を行います。内見希望があればその都度対応し、購入希望者が見つかれば不動産売買契約を結ぶ流れです。

契約を結んだタイミングで、次の引き継ぎ準備をしておきます。

  • 住人へのオーナーチェンジの通知
  • 電気・水道・ガス契約
  • 住人から預かっている敷金
  • アパートにかかわる書類

アパートの使用規約や維持管理費、固定資産税納税通知書などのアパートに関する書類が手元にあるのかを確認し、アパートローンがある方はローンの残高証明書を取得しておきましょう。登記簿謄本や測量図は不動産会社が用意するのが一般的です。

5:引き渡しを行う

引き渡し日には、決済とともに次の流れで引き渡しを行います。

  1. 売主と買主の間で固定資産税などの税金を精算する
  2. 不動産会社に仲介手数料を支払う
  3. 抵当権の抹消登記を行う
  4. 鍵や重要事項説明書を渡し、引き渡しを完了させる

アパートローンがある方は、受け取った売却金でローンを全額繰り上げ返済したのち、抵当権抹消の手続きを行います。

ざっくりとではありますが、ここまでが売却から引き渡しまでの流れです。

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アパート売却に適したタイミング

人が動く時期に居住物件が売れやすいように、アパートにもいわゆる“売り時”があります。ここでは、アパート売却に適した3つのタイミングをお伝えしましょう。

  • 所有期間が5年を越えたとき
  • 築年数20年を越える前
  • 入居率が高いとき

所有期間が5年を越えたとき

アパートを売却して利益が出ると、その額に応じて譲渡所得税と住民税がかかります。

税率は物件の所有期間によって決まり、「短期譲渡所得(所有期間5年以下)」と「長期譲渡所得(所有期間5年超)」で大きく異なります。

所得税住民税
短期譲渡所得30.63%9%
長期譲渡所得15.315%5%

※所得税率は復興特別所得税率(短期譲渡所得0.63%、長期譲渡所得0.315%)を含みます。

参考:国税庁「土地や建物を売ったとき」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_3.htm

表を見てわかるように、所有期間5年をボーダーラインとして税率に倍近く差があります。もし所有期間が5年近いのであれば、5年を超えて税率が下がってから売り出した方が手元に多くお金を残せる可能性もあるでしょう。

しかし築年数が経つことで売却価格が下がる可能性もあるため、見極めが難しい部分です。

すぐに高値で売り出すのと、長期所有になるまで待つのとでどちらのメリットが大きいのか、不動産会社に相談のうえ検討しましょう。

築年数20年を越える前

アパートの売却は資産価値と帳簿の面から見て、築20年までが良いとされています。

資産価値は20年までは年々下がっていくため、築20年以内の売却を検討しているのであれば、早めに売却活動を始めましょう。

また帳簿上ではアパートの取得費用を「減価償却費用」として減らせますが、木造アパートは耐用年数である22年を超えると、計上できる額がぐっと減ってしまいます。節税効果が薄れてしまう前に今所有するアパートを売却し、新たに物件を購入するのも節税対策として有効です。

入居率が高いとき

購入希望者となる投資家が探しているのは、高い収益が得られる物件です。

収益は入居率によって決まるため、アパート売却では満室状態のときが売り時だと言えます。購入希望者が見つかりやすいのはもちろん、高値での売却も期待できるでしょう。

逆に空室が多いのであれば、収益性が低いとみなされ売却価格も低くなる恐れがあります。空室が多い場合は不動産会社に相談して空室対策を行い、入居率を高くしてから売り出しましょう。

アパートの売却でよくある質問

アパートを売却する流れや売り時をお伝えしてきたので、最後によくある質問にお答えしていきます。

入居者がいるまま売却できる?

入居者がいるままでも、引き継ぎを行えば売却は可能です。

投資家にとっては「入居者がいる物件=すぐに家賃収入を得られる物件」になるため、購入希望者も見つかりやすくなるでしょう。

オーバーローンの場合はどうすればいい?

アパートの査定額が明らかにローン残高を下回る場合は、次の方法のうちいずれかを選択することになります。

  • 一括繰り上げ返済の不足分を自己資金から補填する
  • 任意売却を検討する
  • 売却をいったん見送る

自己資金から一括繰り上げ返済の不足分を補填できるのならば、オーバーローンでも売却することができます。しかし不足分の補填が難しくローンの返済も厳しいのであれば、金融機関に相談のうえ任意売却を検討するのもひとつの手です。

【図解】任意売却の流れ・期間とは?任意売却時の注意点も解説【図解】任意売却の流れ・期間とは?任意売却時の注意点も解説

もし返済に困っていないのであれば、ひとまず売却は見送ることをおすすめします。どの方法が最も負担やリスクが少ないのか、不動産会社に相談のうえ検討しましょう。

築年数が経っているのなら更地にしたほうがいい?

アパートを解体したほうがいいのかは、状況によります。

築年数が経っていても入居率が高いのであれば、そのまま売却しても買い手が見つかる可能性があります。築古物件であることが理由で空室率が高い場合は、更地化を検討しても良いかもしれません。

どのような状態で売却するのが良いのかは、築年数だけではなくさまざまな観点から考える必要があります。決して自己判断せず、まずは専門家である不動産会社に相談しましょう。

アパート売却はタイミングが重要!売りたいと思ったときに不動産会社へ相談を

アパートを高く・早く売るためには、売却のタイミングが重要です。

今回説明したように、アパートの所有期間・築年数・入居率などから、売り時を判断しましょう。しかし売り時の見極めは素人には難しいので、売却を考えたタイミングでまずは不動産会社に相談するのがおすすめです。

もし空室率が高いのであれば、不動産会社に相談すれば空室対策をするなど、高く売るためのアドバイスをもらえるでしょう。

SUMiTAS(スミタス)は投資物件の売却相談はもちろん、賃貸経営の相談も承っております。アパートの売却をお考えの方は、まずはお気軽にご相談ください。

監修者
吉田 宏
吉田 宏(株式会社SUMiTAS 代表取締役社長)
  • 二級建築施工管理技士
  • 宅地建物取引士
  • 測量士補
  • 賃貸不動産経営管理士

愛媛大学在学中に愛媛県で株式会社アート不動産を創業する。現在アート不動産では、アパマンショップ(賃貸)を5店舗、SUMiTAS(売買)を2店舗・管理センターを1店舗、売買店舗を2店舗運営。吉田 宏の詳細プロフィールはこちら