不動産の高すぎる査定額には要注意!査定額よりも大切なことは?

不動産の高すぎる査定額には要注意!査定額よりも大切なことは?

監修者
吉田 宏
吉田 宏(株式会社SUMiTAS 代表取締役社長)
  • 二級建築施工管理技士
  • 宅地建物取引士
  • 測量士補
  • 賃貸不動産経営管理士

一括査定サイトを利用したり、複数の不動産会社の査定を受けたりしたときに、高すぎる査定額を出す不動産会社があると、なぜその金額になったのか理由が気になりますよね。

査定額は不動産会社によって若干差があるものの、同じくらいの金額になる場合がほとんどです。高すぎる査定額を信用すると、不動産会社選びで失敗する恐れがあるため注意しましょう

そこで本記事では、次のような内容をお伝えします。

  • 高すぎる査定額を信じてはいけない理由
  • 高すぎる査定額を提示されたときにすべきこと
  • 不動産会社選びで査定額よりも大切なこと

査定額の不安を解消できる内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。

「査定額=売れる価格」ではない!

「査定額=売れる価格」ではない!

査定を受けたときには「高い査定額の不動産会社と契約したほうがいい」と感じてしまうものですが、査定額は売却価格ではありません。査定額が高いからといって、必ずしもその価格で売却できるわけではないのです。

とくに一括査定サイトや簡易査定、AI査定でわかるのは、“おおよその売却価格”なので、実際の売却価格と差が出る場合がほとんどです。

訪問査定においても査定額は“3か月以内に売れるであろう価格”なので、売却時期や周辺ニーズによって売れるまでの期間や価格は異なります。仲介売却における査定額は、あくまで目安の金額だと考えておきましょう。

不動産買取の場合

不動産買取の場合は、査定額がそのまま売却価格になる場合がほとんどです。追加料金の有無や手数料などが同条件ならば、査定額が高い不動産会社を選びましょう。

不動産の買い取りとは:「買取」は文字通り、不動産を不動産会社や買取業者に直接買い取ってもらう売却方法です。

不動産売却で高すぎる査定額を信用してはいけない理由

簡易査定では、不動産の所在地や築年数、面積、間取りなどの物件情報から類似物件を抽出し、過去の取引データと照らし合わせて査定額を算出します。そのため査定額は、どの不動産会社に依頼しても同じくらいの金額になる場合がほとんどです。

たとえば一括査定で査定額2,000万円前後が並ぶなか、1社だけ3,000万円と突出して高い場合は、その査定額を鵜呑みにしないほうが良いでしょう。なぜ高い査定額を信用しないほうがいいのか、その理由を説明していきます。

理由1:営業手法の可能性があるから

高すぎる査定額を提示するのは、売主を集めるための営業手法のひとつです。他の不動産会社よりも「高く売れる」と思わせるために、相場よりも高い査定額を提示している可能性があります。

そうまでして売主を集めるのは、専任媒介契約または専属専任媒介契約を結ぶことで確実に仲介手数料を得るためです。もし高すぎる査定額を提示してきた不動産会社に、専任媒介契約または専属専任媒介契約を提案されたときにはすぐに契約せず、査定額の根拠などを問いましょう

理由2:売却価格は交渉で決まるから

結局のところ、売却価格は査定額ではなく“購入希望者との交渉”によって決まります。

物件探しをしている人の多くは、いろいろな掲載物件を見るうちにその地域の相場を把握していることがほとんどです。そのため、高すぎる価格で売り出していると「この条件ならば値下げをしてほしい」と、値下げ交渉が入る可能性があります。もちろん値下げを断ることもできますが、値下げしないことで売却のチャンスを失ってしまうかもしれません。

不動産の仲介売却では、査定額ではなく、購入者との交渉によって最終的な売却価格が決まることを覚えておきましょう。

理由3:購入希望者が見つかりづらくなるから

物件を探している人たちは、予算の上限を決めている場合がほとんどです。そのため高すぎる売り出し価格にしていると、問い合わせまでつながらず、物件情報すら見てもらえない可能性もあります。

購入希望者が見つからなければ価格の見直しが必要になり、他の不動産会社が提示した査定額と同等、またはそれ以下の金額まで値下げをすることになるでしょう。

それだけではなく、掲載期間が長い物件や、何度も値下げが行われている物件は、購入希望者にとってあまり好印象ではありません。どうしてずっと売れないんだろう」「何度も値下げされるのは、何か理由があるのかもしれない」と不安視され、買主が見つかりづらくなってしまう可能性があります。

理由4:囲い込みをされる可能性があるから

前述したように、高すぎる査定額を提示するのは、媒介契約を結ぶための営業手法の場合もあります。そのような方法で契約を取る不動産会社ならば、囲い込みのリスクがあるため注意が必要です。

囲い込みとは、物件を自社の顧客にしか紹介せず、文字通り“物件を囲い込んでしまうこと”をいいます。物件を囲い込む理由は、自社で買主が見つかれば、1度の仲介で売主と買主の双方から仲介手数料を受け取れるからです。

囲い込みをされると買い手が見つかりづらくなり、査定額よりも大幅に低い金額への値下げが必要になる可能性もあります。

不動産売却で高すぎる査定額を提示されたときにすべきこと

他の不動産会社よりも高い査定額や、物件状態に対して高いと感じる査定額を提示されたときには、その金額を鵜呑みにしないことが大切です。ここでは、高すぎる査定額を提示されたときにすべきことを2つお伝えします。

なぜ査定額が高いのか理由を聞く

高すぎる査定額を提示されたときには、なぜ査定額が高いのか理由を必ず尋ねてみてください。問いに対してデータ市場需要から根拠をしっかり説明してくれるのならば、その査定額を信じてもいいでしょう。

しかし「売れますよ」「人気だから」など曖昧な答えしか返ってこなければ、すぐに契約はせず、他の不動産会社の査定も受けることをおすすめします。

他の不動産会社の査定も受ける

自分が想像していたよりも高いと感じる査定額を提示されたときには、他の不動産会社にも査定依頼をしてみてください。本当にその査定額が高いのか、それとも相場に沿った価格なのかは、他の査定額と比較してみなければ判断できないからです。

不動産は築年数だけではなく、周辺ニーズや地価の変動によって価格が決まるので、資産価値が上がっている可能性も0ではありません

相場を知るために複数社の査定額を比較したいのなら、一括査定サイトの利用も検討しましょう。一括査定サイトの利用についてまとめた記事がありますので、ぜひこちらも参考にしてください。

不動産会社選びで査定額よりも大切なこと

物件の査定額が不動産会社選びの基準になりがちですが、査定額よりももっと大切なのは、会社の実績や担当者との相性です。詳しく説明していきます。

不動産の売却実績

不動産会社にはそれぞれ得意な分野があるので、売却をしたいのなら、相談すべきは売却実績が豊富な不動産会社です。そのなかでも、土地・一戸建て・マンション・オフィスなど、自分が売りたい不動産の取り扱いが多く、売却ノウハウを持っている会社に相談することをおすすめします。

“不動産を売る”という同じ行動でも、その対象によって売り方が異なるからです。

担当者との相性や知識量

不動産会社選びも大切ですが、もっと大切なのは担当者との相性や知識量です。担当者との相性が悪いと打ち合わせがストレスになりますし、知識量が少ないと売却活動が難航してしまいます。

初めての不動産売却では、ついつい査定額に気を取られてしまうかもしれませんが、“不動産を売るのは会社ではなく担当者”という点を念頭に、信頼できる担当者がいる不動産会社と契約しましょう。

高すぎる査定額には要注意!必ず理由の確認を

査定額が高い不動産会社ほど魅力的に感じるものですが、査定額は売却価格ではありません。あまりにも高すぎる査定額を提示されたときにはうのみにせず、なぜ高い査定額になったのか、必ず理由を尋ねましょう。

査定額だけで契約する不動産会社を決めると、囲い込みや売却活動の難航など、さまざまなリスクがあります。提示された査定額が妥当なのかを判断できないときには、一括査定サイトの利用や、他の不動産会社への相談を検討しましょう。

SUMiTAS(スミタス)では、お客さまの物件情報や過去のビッグデータをもとにした、根拠のある査定額を提示します。より詳細な査定額が知りたい方には訪問査定も行っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

監修者
吉田 宏
吉田 宏(株式会社SUMiTAS 代表取締役社長)
  • 二級建築施工管理技士
  • 宅地建物取引士
  • 測量士補
  • 賃貸不動産経営管理士

愛媛大学在学中に愛媛県で株式会社アート不動産を創業する。現在アート不動産では、アパマンショップ(賃貸)を5店舗、SUMiTAS(売買)を2店舗・管理センターを1店舗、売買店舗を2店舗運営。吉田 宏の詳細プロフィールはこちら