任意売却後の残債はどうなるのでしょうか?
結論からいうと、任意売却をした後に残債が残るかどうかは売却額によって決まります。任意売却をしたからといって必ず残債がなくなるとは限りません。残債が生じる場合は、任意売却後も引き続き返済し続ける義務があります。
残債の返済方法は、金融機関によって異なりますが、分割もしくは一括での支払いをすることになります。また、任意売却後に残った残債の支払いができない場合は、債権者への返済額の交渉や自己破産などをすることで残債を整理する方法があります。
この記事では、任意売却をするか迷っている方やローンの返済に困っている方へ任意売却の残債について解説しています。
- 任意売却後の残債について知りたい
- 任意売却をして残債が生じる場合にどうすれば良いかを知りたい
- 任意売却の残債が支払えない場合について知りたい
任意売却について、以上の悩みや疑問を抱えている方はぜひ参考にしてください。
目次
任意売却後の残債にも返済義務がある
競売よりも高い価格で売却を行えることが多い任意売却ですが、それでも残債が発生するケースがあります。売却後の残債は全て返済する義務があります。
債権者である金融機関などは、月々の支払いが滞ったことで任意売却を選んでいることを事前に理解しています。つまり、交渉次第ではすぐに一括で返済を求められるということは少なく、月々の返済額や返済計画を改めて相談・設定していくことになります。
また、任意売却後の残債の支払い義務はローン契約時の連帯保証人にも発生します。もし、連帯保証人が車や持ち家などの資産を所有していた場合、差し押さえられるケースもあるので注意が必要です。
このように、任意売却を行った場合も残った債務に対しては返済義務が発生するため、できるだけ高い価格で任意売却を成功させることが重要です。任意売却の残債を支払わないと、給与や預金の差し押さえにもつながってしまいます。
任意売却をする際は、実績や経験が豊富な不動産業者を選んで少しでも残債を減らしましょう。
任意売却を行った後に生じる残債に時効はあるが非現実的
任意売却を行った後に生じる残債にも、時効は存在します。時効期間は5年または10年です。請求権の行使を知っているかどうかで変わり、「権利を行使することができることを知った時から5年間」または「権利を行使することができる時から10年間」のいずれか早い方と定められています。
つまり、債務者からの支払いが一切なく、5年〜10年の期間が過ぎれば時効が成立し、残債の支払い義務はなくなるのです。
しかし、ほとんどのケースでは時効が成立しません。なぜなら、金融機関などの債権者は、時効前に給与の差し押さえや連帯保証人への請求などをすることが多く、一度裁判上の請求や差し押さえなどの法的な手段を実行されると、時効期間の計算が最初から振り出しに戻ってしまうからです。
債権者が時効になる5年〜10年という期間に何もしないということは考えにくいです。時効による返済の免除を望むのではなく、計画的に返済できる方法を金融機関などと相談するのが良いでしょう。
任意売却で残債が残るパターン
任意売却で残債が残るのは、任意売却の価格がローンの残債よりも低いからです。売却価格が低くなる原因には、「物件の状態が悪い場合」や「元々のローンが債務超過の場合」、さらには「不動産業者の選び方を間違ってしまっている場合」があります。
物件の状態が悪い例には、雨漏りや外壁などからの浸水、シロアリによる浸食などが挙げられます。元々のローンが債務超過の場合には、相場相応で売却ができたとしても売却価格が残債に届かない場合があります。また、任意売却の価格は不動産業者によって大きく左右されるので、不動産業者選びには細心の注意を払いましょう。
詳しくは下記の記事で説明しています。詳しく知りたい方は参考にしてください。
【2022年最新】任意売却ができないケースとは?買い手がつかない・売れない場合を解説!任意売却後の残債は分割返済できる。少額返済も可能
任意売却後の残債を支払う義務があるとはいっても、一括で残債を支払うのは難しいという方も多いでしょう。
そのような方は、任意売却をする際にあらかじめ金融機関などの債権者に「分割返済が可能かどうか」「少額返済が可能か」を相談してみると良いでしょう。ほとんどのケースでは、任意売却後の残債の分割返済が可能です。ただし、金融機関などの債権者の同意が必要で、必ず分割返済ができるとは限らないので注意してください。
任意売却を行う不動産業者が「売却価格の分配案」や「生活状況表」を使用して、債務者の利子や返済額の交渉を行ってくれるケースもあります。相談先は、債権を所有している金融機関やサービサー(債権回収会社)です。
詳細を一つずつ解説するので、ぜひ参考にしてください。
連帯保証人も残債の支払い義務を負う
原則として、連帯保証人も残債の支払い義務を負います。任意売却後であっても、残債が返済できないと連帯保証人に迷惑をかけてしまうのです。
任意売却する際には必ず、金融機関に「分割返済が可能かどうか」「少額返済が可能か」を確認し、無理のない返済計画を立てましょう。
残債の利息(金利)も交渉次第
任意売却に成功し、ローンの残債を減らせたからといって、返済計画が難しければ再度支払いが滞ってしまいます。債権者もそのことは理解しており確実な返済を求めているため、適切な利息や金額の返済を交渉することが可能です。
交渉時には、任意売却を行う不動産業者が「売却価格の分配案」や「生活状況表」というものを作成して、金融機関と交渉します。
売却価格の分配案には、任意売却の際に不動産の売却代金を「誰にどの程度配分するか」が明示されています。生活状況表には、債務者の収支などの情報が記載されており、どれくらいの返済であれば無理なく続けられるかを記載します。債権者の中には、任意売却後の利息を取らない債権者もいます。
実際に利息や返済額の交渉を行うのは任意売却を行う不動産業者なので、交渉がうまい会社を選ぶようにしてください。
残債の支払い先は金融機関かサービサー(債権回収会社)
任意売却後の残債の支払い先は、その債権を所有している金融機関かサービサー(債権回収会社)になります。サービサー(債権回収会社)とは、金融機関などから債権を買い取る業者のことです。サービサー(債権回収会社)は、法務大臣から許可を受けた組織です。
支払い先がサービサーに変わったからといって脅されるといったことはないので、安心してください。サービサーに債権が譲渡された場合は、そのサービサーと今後の返済計画を話し合うことになります。サービサーは、本来よりも安い価格でその債権を購入しているケースが多いので、交渉次第では残債を減らすことができるかもしれません。
残債の返済計画の相談先は、金融機関かサービサーなどの債権者です。元々の債権者ではない場合があるので、注意してください。債権者がどこなのか分からなくなった場合は、任意売却を依頼する不動産業者に相談してみてください。
任意売却の残債の支払いができない場合は?
任意売却を行った後残債の支払いができない場合には、以下の2つの選択肢があります。
- 個人再生
- 自己破産
一つ目は個人再生です。個人再生は、債務額を5分の1程度まで引き下げ、原則3年(最大5年)で返済する制度で、債務額にもよりますが、最大で債務額を100万円まで引き下げることができます。個人再生は、住宅ローンに加え、車のローンや教育ローンもまとめて合算することが可能です。
しかし、個人再生を行う場合は、ローン契約時の連帯保証人に請求がされたり、車などの資産が取り上げられる場合もあります。また、個人再生ができるのは安定した収入を得られる場合に限るので、申請のハードルが高い方もいるでしょう。そのような方は、次に紹介する自己破産を検討することになります。
自己破産は、裁判所に申し出ることで残債の支払いを免除してもらうという制度です。残債の支払いが必要なくなるものの、自己破産を行えば信用がなくなり、一定期間(一般的には5年〜10年間ほど)借入やローンを組むこと、クレジットカードの作成ができなくなります。
このように個人再生は申請のハードルが高く、自己破産ではリスクも多いので、できるだけ高い価格で任意売却を成功させることが重要です。少しでも返済額を減らせるように、売却実績や交渉に長けた不動産業者を選びましょう。
任意売却による残債を減らす相談は「SUMiTAS」まで!
この記事では、任意売却による残債について、特徴や支払えない場合の対処法などについて解説しました。任意売却後の残債は、全て返済する義務があります。そのため、残債の返済にあたって、以下のようなポイントが重要です。
残債返済のポイント
- 任意売却による売却価格がどれくらいになるのか
- 売却価格で残債は支払えるのか
- 返済方法はどうなるのか
- 返済額や利息はどれくらいなのか
債権者に対する残債の月々返済額・利子の調整は任意売却を行う会社が交渉します。そのため、任意売却を検討している場合は、実績や専門知識に長けた不動産業者へ相談することが大切です。
任意売却を依頼する不動産業者選びに悩んでいるという方は、金融機関への交渉に長けており、売却価格を高くできる可能性の高い「SUMiTAS」への無料相談を検討してみてください。
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