家を買って10年前後。転勤や家族構成の変化で住み替えを考え始めたものの、「買った値段からいくら下がったのか」「ローンがまだたくさん残っているのに売れるのか」が分からず、査定に出すのをためらっている方は多いはずです。
先に実測を示します。築10〜14年の一戸建ての取引価格は、全国の中央値で2,800万円。新築期(築0〜4年・中央値3,900万円)の71.8%です。「家の価値は10年で半分になる」と書いてある記事をよく見かけますが、実際の取引データでは、半分(53.8%)まで下がるのは築20〜24年です。築10年は、まだ7割強で売れている帯です。
| 築年帯 | 全国の中央値 | 首都圏(1都3県)の中央値 | 新築期比(全国) |
|---|---|---|---|
| 築5〜9年 | 3,200万円 | 4,100万円 | 82.1% |
| 築10〜14年 | 2,800万円 | 3,500万円 | 71.8% |
| 築15〜19年 | 2,400万円 | 3,200万円 | 61.5% |
※国土交通省「不動産取引価格情報」の2024〜2025年に取引された一戸建て(全国146,358件)を当社で集計した中央値です。立地・土地面積・建物の状態による個別差が大きく、土地相場の高いエリアほど総額は上振れします。
築年数ごとの相場の一覧や、相場の自分での調べ方といった共通の基礎は、築年数別ガイドのまとめ記事に整理しています。
- 築10年の一戸建ては新築期の7割強で売れている。「10年で半値」は実測とは違う
- ただし1帯(5年)進むごとに約400万円ずつ下がる。待つコストは年80万円ペース
- 住み替えの計算は「売却相場」ではなく「売却見込み額とローン残債の差」から始める
目次
築10年前後の相場実勢。実際の取引データで見る

「新築の半値」は、築10年の話ではありません
築10年の売却について調べると、「価値は新築の約50%」という説明を多く見かけます。実際の取引データでは、この数字は築10年には当てはまりません。新築期の価格を100%とすると、築5〜9年は82.1%、築10〜14年は71.8%。半値(53.8%)に達するのは築20〜24年です。
「半値になる前に売れる」というのが、築10年前後の住み替えの実態です。買った価格と比べれば下がってはいますが、売却代金でローン残債を返し、次の家の頭金を作る計画が組みやすい帯だと言えます。
ただし、1帯進むごとに約400万円下がる
一方で、この帯の値下がりは止まっていません。全国の中央値で、築5〜9年3,200万円 → 築10〜14年2,800万円 → 築15〜19年2,400万円。5年ごとに約400万円、年になおすと約80万円のペースで水準が切り下がっています。首都圏では築5〜9年4,100万円 → 築10〜14年3,500万円と、5年で600万円の差があります。
売ると決めているのに「もう少し様子を見よう」と延ばすと、このペースで見込み額が動きます。住み替えの意思が固まっているなら、先に延ばす理由はあまりありません。逆にまだ迷っている段階なら、無理に急ぐ必要もありません。今の価格を知ったうえで、残債と比べて判断する。次の章がその計算です。
住み替えの計算は「残債との差」から始める
築10年の住み替えが築30年・築40年と決定的に違うのは、住宅ローンの残債がまだ大きいことです。たとえば35年ローンの返済10年目では、元金の7割前後が残っているのが一般的です。だから最初にやることは査定ではなく、この2つの数字を並べることです。

- ローン残債を確認する。金融機関のWebサイトや残高証明書で、現在の残債額を正確に把握します
- 売却見込み額を知る。査定で「今いくらで売れそうか」の概算をつかみます
- 差し引きで2つに分かれる。売却見込み額が残債を上回るか(アンダーローン)、下回るか(オーバーローン)で、その後の動き方が変わります
アンダーローン(見込み額 > 残債)の場合は、売却代金で完済して次の購入に進む、住み替えの基本形です。ただし手取りの計算では、仲介手数料などの諸費用と引っ越し費用を差し引いて考えてください。残った額が次の家の頭金になります。
オーバーローン(見込み額 < 残債)の場合も、売れないわけではありません。不足分を自己資金で補って完済する方法のほか、不足分を次の家のローンに組み込む「住み替えローン」を扱う金融機関もあります。いずれも早めに金融機関と不動産会社へ相談することが前提になります。不足額がいくらなのかが分からないと相談も始まらないので、やはり出発点は残債と見込み額の2つの数字です。
なお、完済期の住み替え(売り先行・買い先行の選び方や引き渡しまでの段取り)は、築30年の記事で詳しく扱っています。段取りの全体像はそちらをご覧ください。
築10年で売るのは「早すぎ」ではありません
「まだ10年しか住んでいないのに売るのは早いのでは」という感覚を持つ方は多いのですが、実測では逆です。当社の10秒査定に寄せられた一戸建ての査定依頼36,641件(2025年7月〜2026年7月・築年数の記載があるもの)のうち、最も多いのは築5〜9年で16.8%。築0〜4年(13.8%)、築10〜14年(12.7%)と合わせると、築15年未満で全体の43%を占めます。
査定に出す人が最も多いのは、実は築浅の帯です。転勤・家族の増減・親との同居など、住まいの前提が変わったタイミングで早めに動く。それが査定依頼の実際の分布です。
高く売れる帯だからこそ、書類で差がつく
築10年の買主は、同じ予算で新築も視野に入れて比較しています。この帯の売却で価格に効くのは、リフォームではなく「新築との差を埋める書類」です。
- 定期点検の記録: ハウスメーカー・工務店の定期点検(多くは10年目まで)の記録が残っていれば、メンテナンス状態の証明になります
- 保証の承継: 住宅設備や防水などの保証が買主に引き継げるかを確認しておくと、買主の安心材料になります
- 新築時の書類一式: 設計図書・住宅性能評価書・長期優良住宅の認定通知書など。あるかないかで買主側の住宅ローンや保険の手続きにも影響します
いずれも「探して1か所にまとめる」だけででき、費用はかかりません。築30年の売却で「リフォーム履歴の書類」が効くのと同じ理屈で、築10年では新築時の書類と点検記録がその役割を果たします。
築10年の一戸建ての売却でよくある質問
築10年で売るのは損ですか?
「買った価格より下がっているから損」とみるか、「新築期の7割強で売れるうちに動く」とみるかの問題です。実測では築10〜14年の全国中央値は2,800万円で、この先も1帯ごとに約400万円ずつ水準が下がっていきます。住み替えの必要が生じているなら、価格だけを理由に先送りする合理性は小さい帯です。判断の起点は、残債と売却見込み額の差になります。
住宅ローン控除(住宅ローン減税)の期間中に売ったらどうなりますか?
住宅ローン控除は自分が住んでいることが適用の条件のため、売却して住まなくなれば、それ以降の年分の控除は受けられなくなります。残りの控除と売却のタイミングをどう考えるかは個別性が大きいので、詳しくは税務署または税理士にご確認ください。
築5年でも考え方は同じですか?
相場の考え方は同じで、築5〜9年は新築期の82.1%とさらに有利な水準です。1点だけ、税の注意があります。売却で利益が出た場合、譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年以下だと、5年超の場合より譲渡所得への税率が高くなります(短期譲渡所得)。該当しそうな方は、売却時期の判断もあわせて税務署・税理士にご確認ください。
まだ売ると決めていないのですが、査定してもいいですか?
問題ありません。査定は売却の申し込みではなく、価格の見立てを知る行為です。むしろこの記事で書いたとおり、住み替えの判断は「残債と見込み額の差」を知らないと始まりません。SUMiTASの10秒査定は匿名・電話なしで概算価格を確認できるので、迷っている段階の材料集めとしてお使いください。
まとめ: 「いくらで売れるか」より先に「差がいくらか」
築10年の一戸建ては、新築期の7割強で売れています。「10年で半値」は実測とは違います。一方で値下がりは年80万円ペースで進んでいるので、住み替えの意思があるなら、判断を延ばすことにコストがかかる帯でもあります。
最初の一歩は、ローン残債の確認と、今の売却見込み額を並べることです。SUMiTASの10秒査定は、住所と物件情報を入れるだけで匿名・電話なしで概算価格を確認できます。残債の数字と並べる最初の材料として、お使いください。
匿名・電話番号の入力なし。10秒で概算価格がわかります
本記事の相場データは、国土交通省「不動産取引価格情報」(2024〜2025年取引分・住宅地の土地と建物)を当社で集計したものです。査定依頼の統計は当社「10秒査定」の利用履歴(2025年7月〜2026年7月)の集計です。金額はいずれも中央値で、個別の物件の価格は立地・土地面積・建物の状態により大きく異なります。税制に関する記述は2026年8月時点の情報です。
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