一戸建ての売却相場は築年数でどう変わるか。14.6万件の取引データでみる実勢と調べ方

一戸建ての売却相場は築年数でどう変わるか。14.6万件の取引データでみる実勢と調べ方

監修者
吉田 宏
吉田 宏(株式会社SUMiTAS 代表取締役社長)
  • 二級建築施工管理技士
  • 宅地建物取引士
  • 測量士補
  • 賃貸不動産経営管理士

一戸建ての売却相場は、築年数でどう変わるのか。国土交通省が公開している実際の取引データ146,358件(2024年〜2025年・全国)を当社で築年数別に集計すると、取引価格の中央値は築20〜24年で築0〜4年の53.8%とほぼ半分になり、築45年を過ぎると下げ止まります

まず全体を一覧表でご覧ください。

築年帯全国の中央値築0〜4年比首都圏の中央値地方圏の中央値
築0〜4年3,900万円100%4,600万円3,200万円
築5〜9年3,200万円82.1%4,100万円2,700万円
築10〜14年2,800万円71.8%3,500万円2,300万円
築15〜19年2,400万円61.5%3,200万円1,900万円
築20〜24年2,100万円53.8%2,900万円1,600万円
築25〜29年1,600万円41.0%2,500万円1,300万円
築30〜34年1,300万円33.3%1,700万円1,100万円
築35〜39年1,100万円28.2%1,600万円900万円
築40〜44年890万円22.8%1,400万円700万円
築45〜49年700万円17.9%1,300万円550万円
築50年以上650万円16.7%1,500万円500万円

出典: 国土交通省「不動産情報ライブラリ」不動産取引価格情報(2024年第1四半期〜2025年第4四半期・宅地(土地と建物))をもとに当社で集計・作成。取引価格の中央値。首都圏は東京・神奈川・埼玉・千葉、地方圏は三大都市圏(首都圏・近畿圏・中京圏)以外の道県。

表を見るとわかるとおり、「築何年で何%下がるか」という率の傾向は全国でおおむね共通ですが、絶対額はエリアで大きく違います。同じ築30〜34年でも、中央値は首都圏1,700万円・地方圏1,100万円と600万円の開きがあります。さらに同じ市内でも駅距離や土地の広さで価格は大きく動くため、この表の金額をそのまま自宅に当てはめることはできません。

だからこの記事は、①全国データでみる「率のカーブ」(傾向の把握)と、②自分のエリアの「実額」の調べ方、をセットで扱います。もうひとつ、当社の10秒査定に実際に寄せられた一戸建てのうち、築年数の記載がある36,641件の集計から、査定に出される一戸建ての3割が築30年以上という実態もお見せします。「古いから売れないのでは」という心配が実態と違うことが、数字でわかるはずです。

この記事の結論
  • 相場は築20〜24年で新築期の約半分。急落帯は築25〜35年、築45年を過ぎると土地値で下げ止まる(首都圏は築50年超でむしろ反発)
  • 絶対額はエリア差が大きい。「全国の率カーブ」で傾向をつかみ、実額は自分のエリアの取引事例で確かめる
  • 査定に出される一戸建ての30.0%は築30年以上。築年数を理由にあきらめる必要はない

築年数別の売却相場。14.6万件の取引データでみる実勢

築年帯別の取引価格の逓減カーブ。築0〜4年を100とした指数で、全国は築10〜14年71.8%、築20〜24年で半値の53.8%まで下がり、築25〜35年が最も急な下落帯。築45年を過ぎると下げ止まり、首都圏は築50年超で1,300万円から1,500万円へ反発することを示したグラフ

図1は、築0〜4年の取引価格中央値を100とした指数のカーブです。全国(青)と首都圏(オレンジ)を並べると、次の3つが読み取れます。

  1. 築20〜24年で約半分(全国53.8%・中央値2,100万円)。築10年ごとにおおむね2〜4割ずつ水準が切り下がっていきます
  2. 急落帯は築25〜35年。築20〜24年の53.8%から築25〜29年で41.0%へと、築5年以降の隣り合う築年帯では最大となる12.8ポイントの下げ。築30〜34年では33.3%と、新築期の3分の1になります
  3. 築45年を過ぎると下げ止まる。全国では築45〜49年17.9%→築50年以上16.7%とほぼ横ばい。首都圏では築45〜49年1,300万円→築50年以上1,500万円と、むしろ反発します

なお、築0〜4年帯には新築直後の取引が含まれるため件数が突出しています(53,282件)。この帯を「新築期の水準」として100に置き、以降の実勢を率で見るのがこのカーブの読み方です。

急落帯は築25〜35年。先送りの影響が最も出やすい帯

売却の判断でこのカーブが一番効いてくるのが、築20年代後半です。全国の中央値は築20〜24年の2,100万円から築30〜34年の1,300万円へ、この10年で800万円(20.5ポイント)下がります。首都圏はさらに急で、築25〜29年の2,500万円から築30〜34年の1,700万円へ、1段で800万円(17ポイント)の下げです。なお、この800万円は築年帯を横に並べた中央値の差であり、同じ家が10年後にいくら下がるかを示す数字ではありません。

築年数は待っていても戻りません。市況による上下はありますが、築年数そのものは価格を押し下げる方向にしか働かない帯です。迷っている数年のぶんだけ不利になりやすいと考えておくのが安全です。築20年台の家の売却を検討し始めたら、まず現時点の実額を把握することをおすすめします。

築45年を過ぎると「土地値」で下げ止まる。首都圏は反発する

カーブの右端では逆のことが起きます。築45年を過ぎると建物の価格への寄与はごく小さくなり、価格の主成分が土地に切り替わるため、下げが止まります。全国では築45〜49年と築50年以上の差はわずか1.2ポイントです。

注目したいのは首都圏です。築50年以上の中央値は1,500万円と、築45〜49年(1,300万円)より高くなっています。築50年を超える家が多く残っているのは駅の近くなど早くから開けた成熟住宅地であることが多く、そうした立地の土地値が価格を押し上げているためだと当社ではみています。「古すぎて値段がつかない」のではなく、古い帯では家の値段ではなく土地の値段を見る。これがデータから言える結論です。

「木造の耐用年数22年」と市場価値は別の話です

築年数の話で必ず出てくるのが「木造住宅の耐用年数は22年」という数字です。これは税務上の減価償却に使う法定耐用年数であって、住めなくなる年数でも、市場価値がゼロになる年数でもありません。実際のデータでは、22年を含む築20〜24年帯の取引価格の中央値は全国2,100万円で、価値ゼロにはほど遠い水準です。「22年経ったから売れない」と考える必要はありません。

査定に出される一戸建ての3割は築30年以上

「うちみたいに古い家を査定に出す人なんているのか」。この疑問には、当社のデータでお答えできます。

SUMiTASの10秒査定に寄せられた一戸建て36,641件の築年帯分布。最多は築5〜9年の16.8%で、築30年以上が合計30.0%(約11,000件)、築50年以上も9.0%を占めることを示した棒グラフ

SUMiTASの10秒査定に2025年7月〜2026年7月に寄せられた一戸建て36,641件(築年数の記載があるもの)の分布です。最多は築5〜9年の16.8%ですが、築30年以上が合計30.0%(11,000件)、築50年以上だけでも9.0%(3,306件) を占めます。

査定に出される一戸建ての3割が築30年以上。築古の家の売却検討は、例外どころか日常です。そして前の章で見たとおり、築20〜30年台は待つほど実勢が切り下がる帯です。当社は、相場が下がる帯にいる家ほど「今いくらか」を早く知る価値が大きいと考えています。

出典: SUMiTAS 10秒査定の利用履歴(2025年7月〜2026年7月・36,641件)をもとに当社で集計。

自分のエリアの相場を調べる3ステップ

全国の率カーブで傾向をつかんだら、次は自分のエリアの実額です。不動産会社に連絡しなくても、公開データだけでここまで調べられます。

自分のエリアの相場を無料の公開データで調べる3ステップ。レインズのMarket Informationで成約価格を検索、国土交通省の不動産情報ライブラリで取引価格を地図から確認、国税庁の路線価で土地の水準感をつかむ、という順に整理した図

STEP1 レインズ「Market Information」で成約価格を見る

不動産流通機構が運営するサイトで、実際に売買が成立した価格(成約価格)を都道府県・地域から無料で検索できます。売り出し価格ではなく「実際に売れた価格」を見られるのがポイントです。築年数・面積のしぼり込みもできるので、自宅と条件の近い事例を探します。

STEP2 国交省「不動産情報ライブラリ」で取引価格を見る

この記事の図1の元データです。国土交通省が取引当事者への調査をもとに公開している取引価格情報を、地図から市区町村・地区単位で確認できます。STEP1と情報源が異なるため、両方を見ると事例の数が増え、エリアの水準感がより正確になります。

STEP3 路線価で土地の水準を見る

築40年を超えるような家では、価格の主成分は土地です。国税庁が毎年公表する路線価(公示価格の8割程度の水準とされます)を見ると、自宅の土地のおおまかな水準感がつかめます。「土地の値段×面積」が、築古の家の価格を考えるときの土台になります。ただし解体が必要な建物が残っている場合や再建築ができない土地では、この水準を下回ることもあります。

調べるときのコツは、1件の事例で決めつけず、築年帯・土地面積・駅距離が近い事例を3〜5件集めて「幅」でつかむことです。取引事例が少ないエリアでは幅が大きく出ますが、それ自体が「うちのエリアは事例で決めにくい」という重要な情報です。

そして、公開データでわかるのはあくまで「似た条件の他人の家」の価格までです。自宅の実額に落とし込む最短の方法として、SUMiTASの10秒査定をご用意しています。住所と物件情報を入れるだけで、匿名・電話番号の入力不要で概算価格を確認できます。「まだ売ると決めていない」段階の材料集めにお使いください。

10秒査定で相場を確認する 

匿名・電話番号の入力なし。10秒で概算価格がわかります

築年帯ごとの売り方の要点

築年数によって、売り方の論点は変わります。ここでは全体地図として要点だけを押さえます。

築10年前後: 最も売りやすい帯。スピードが価格に直結する

査定依頼の最多帯(築5〜9年16.8%)で、買い手からの人気も高く、住み替えを前提にした売却が中心です。相場の水準は築10〜14年で新築期の71.8%。まだ十分に高く売れる一方、築年帯ごとの水準は築10年台でも1帯進むごとに下がっています。住み替えの意思が固まっているなら、売却活動を先に延ばす理由はあまりありません。住宅ローンの残債と売却見込み額の比較が最初の確認事項です。

築20〜30年: 急落帯。価格設定と見せ方で結果が分かれる

前述のとおり実勢が最も大きく動く帯です。中央値は全国1,300万〜2,100万円(築20〜34年)と幅があり、建物の状態・リフォーム歴で評価が分かれます。急落帯だからこそ、売り出し価格の設定と、直すべき箇所・直さなくてよい箇所の見極めが結果を左右します。

築40年前後: 建物は土地値に近づく。土地の条件が主役になる

相場の水準は新築期の22.8%(築40〜44年・中央値890万円)。建物の評価は小さくなり、土地の広さ・形状・接道といった土地側の条件が価格の主役になります。建物の扱い(そのまま売るか、手を入れるか)の判断もこの帯からが本番です。

築50年以上: 下げ止まり帯。「土地として」の出口も含めて選ぶ

全国の中央値は650万円で下げ止まり、首都圏では1,500万円と反発する帯です。集計期間の2年間だけで築50年以上の取引は全国18,844件あり、売れないどころか集計対象全体の12.9%を占めています。当社の10秒査定でも、築50年以上の査定依頼は9.0%と10件に1件近くを占めます。それだけ悩む人が多い帯です。古家付き土地として売るか、更地にするかの分岐が最大の論点になります。

この帯の売り方の詳細は、築50年の一戸建ての売却相場の記事で解説しています。

相場より高くなる・安くなる主な要素

同じ築年数でも、実際の価格は次の要素で上下します。中央値は「ちょうど真ん中の事例」にすぎません。

要素高くなりやすい安くなりやすい
立地駅近・生活利便が高い・成熟住宅地駅遠・利便施設が遠い
土地整形地・広すぎない・前面道路が広い不整形・間口が狭い・接道条件が悪い
建物の状態雨漏りやシロアリ被害がない・水回りの更新済み大きな不具合・長期間の空き家
売り方適正な売り出し価格・複数事例に基づく価格設定相場から外れた強気の価格で長期化

とくに最後の「売り出し価格の設定」は、売主が自分でコントロールしやすい要素です。相場から外れた価格で売り出して長期化すると、値下げを重ねた末に相場を下回る結果になりがちです。

一戸建ての売却相場でよくある質問

一戸建ての売却にかかる費用はいくらですか?

主な費用は、仲介手数料(上限は取引額400万円超の場合「売買価格×3%+6万円+消費税」)、売渡し関係の登記費用(住宅ローンが残っていれば抵当権抹消の費用)、売買契約書の印紙税です。このほか物件によって、測量や解体、残置物の処分などの費用がかかる場合があります。なお価格800万円以下の物件では仲介手数料の特例もあります。

3,000万円で買った家は、いくらで売れますか?

「購入価格×築年数の率」では計算できません。購入価格には当時の市況や新築価格の上乗せ分が含まれており、現在の相場とは別物だからです。目安にするなら、購入価格ではなく今の同条件の取引事例を見ます。この記事の一覧表で自宅の築年帯の水準を確認し、調べ方3ステップでエリアの実額に当てはめる。この順番が正確です。個別の概算は10秒査定(匿名・電話番号不要)でも確認できます。

一戸建ては築何年まで売れますか?

「築何年まで」という期限はありません。実データでは、2024年〜2025年の2年間だけで築50年以上の一戸建ての取引が全国18,844件あり、当社の集計対象146,358件の12.9%を占めます。当社の10秒査定でも、査定に出される一戸建ての9.0%は築50年以上です。築年数が進むほど「建物の価格」から「土地の価格」に軸足が移るだけで、売れなくなるわけではありません。

査定価格と相場は何が違うのですか?

相場は「似た条件の物件が過去にいくらで売れたか」という統計、査定価格は「あなたの家が今いくらで売れそうか」という個別の見立てです。相場では拾えない建物の状態・土地の形状・そのときの売り出し状況を織り込むのが査定です。順番としては、まず相場で幅をつかみ、査定で自宅の位置を確かめる。査定価格は売れる金額の保証ではない点も押さえておいてください。

まとめ: 率でつかみ、実額はエリアで確かめる

一戸建ての売却相場は、築20〜24年で新築期の約半分、急落帯は築25〜35年、築45年を過ぎると土地値で下げ止まる。これが14.6万件の取引データからみえる全国の実勢です。ただし絶対額はエリアと個別条件で大きく変わるため、率カーブで傾向をつかんだら、実額は自分のエリアの事例と査定で確かめてください。

査定に出される一戸建ての3割は築30年以上。築年数がいくつでも、検討を始めること自体はごく普通のことです。SUMiTASの10秒査定は匿名・電話番号の入力不要で概算価格を確認できます。「今いくらか」を知ることから始めてください。

10秒査定で相場を確認する 

匿名・電話番号の入力なし。10秒で概算価格がわかります


本記事の相場データは、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報(2024年第1四半期〜2025年第4四半期・宅地(土地と建物))およびSUMiTAS 10秒査定の利用履歴(2025年7月〜2026年7月・36,641件)をもとに当社で集計・作成したものです。集計は取引価格の中央値ベースで、特殊な事情のある取引や極端な高額・低額取引、広大地などは除外しています。価格はエリア・時期・個別の条件により大きく変動します。

監修者
吉田 宏
吉田 宏(株式会社SUMiTAS 代表取締役社長)
  • 二級建築施工管理技士
  • 宅地建物取引士
  • 測量士補
  • 賃貸不動産経営管理士

愛媛大学在学中に愛媛県で株式会社アート不動産を創業する。現在アート不動産では、アパマンショップ(賃貸)を5店舗、SUMiTAS(売買)を2店舗・管理センターを1店舗、売買店舗を2店舗運営。吉田 宏の詳細プロフィールはこちら