離婚の財産分与の割合とルール、基本の考え方

離婚時の財産分与の割合のルールと考え方

監修者
天池 篤哉
天池 篤哉(株式会社SUMiTAS 取締役)
  • 宅地建物取引士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士

夫婦が離婚をするとき、必ず財産分与が話題にあがります。特にマンションや一戸建てなど住宅を購入している夫婦は、不動産の価値をしっかり確認し、適切な割合で分割することが大切です。

不動産は資産価値が高くなりやすく、査定額により支払う金額や受け取る金額が大きく変動してきます。支払うべき金額と受けとるべき金額を正しく判断できるように、信頼できる不動産会社に相談することが大切です。

離婚時の財産分与の割合は?

離婚する場合の財産分与の割合は、原則2分の1です。夫婦共働きのときも、どちらかが専業主婦(夫)のときも、離婚する時の財産分与の割合は半分づつです。

例外的に、どちらか一方の貢献度が高く2分の1が公平ではないと判断された場合は分与割合が変わることがありますので、このあと紹介します。

財産分与の割合、基本の考え方

離婚する場合の財産分与の割合は、原則2分の1です。共有財産が合計2,000万円の場合、1,000万円づつの50%です。名義や収入は関係なく分けます。

財産分与とは、婚姻中に夫婦が協力して築いた夫婦共同の財産を、離婚の時に夫婦で分けて清算することです。財産分与の割合は原則2分の1です。

どちらかが専業主婦(夫)で婚姻中に収入が一切なかった場合でも、片方が働きにでて今ある財産を築くことができたのは、家事や育児に専念してサポートした妻や夫がいたからです。

しかし、財産分与の割合2分の1という原則は、法律で定められているわけではありません。夫婦で話し合って財産分与の割合を決める場合は自由に決めることができます

まずは夫婦間の話し合いによって、割合・金額を決めることになりますが、合意したら「公正証書」を作成しておきましょう。夫婦間の話し合いで決められない場合や、相手の主張に納得がいかない場合には、家庭裁判所に調停や審判を申し立てる事ができます。

財産分与の割合が2分の1にならないケース

例外的に、財産分与の割合が2分の1にならないケースもあります。2分の1ルールで財産分与したときに不公平となる場合があるためです。具体的には下記のようなケースです。

  • 浪費が激しい場合
    共働きでお財布は別、かつ同じくらいの給与だったにも関わらず、一方はギャンブルや散財など個人的な理由で浪費が激しく貯金は10万円しかないが、もう一方は1,000万円の貯蓄がある場合など。
  • 特殊な能力・才能があり財産を築いた場合
    どちらかが会社経営者で本人の高い能力があったことが認められる場合や、医師や弁護士のように資格取得に本人の努力が大きく、一般の方に比べてかなり高収入を得ていた場合など。
  • どちらかの貢献度が高い場合
    共働きで夫婦が同じくらい働いて稼いでいた家庭で、どちらか一方がすべての家事や育児をこなしてきた場合など。

財産分与の裁判では各夫婦の事情が考慮されるため、詳しい内容は弁護士に相談することをおすすめします。

財産分与の金額は?

司法統計年報の統計によると、婚姻期間が長くなるほど財産分与額も大きくなる傾向です。財産分与は「婚姻中に夫婦が協力して築いた夫婦共同の財産」が対象になりますのであたりまえの結果ですが、ご自身の婚姻期間と照らし合わせて参考にしてみてください。

婚姻期間別の財産分与額の図。婚姻期間1年未満、1年~5年未満、5年~10年未満、10年~15年未満、15年~20年未満、20年以上、25年以上

子どもがいる場合の財産分与の割合

夫婦の間に子どもがいる場合も、財産分与の割合は原則2分の1です。子どもが未成年の場合は財産分与とは別に、養育費を請求することができます。

しかし、離婚することで子どもとその養育者の生活が困窮する場合は「扶養的財産分与」という財産分与の方法もあります。子供が幼いために仕事に就くことが難しい、働くことができても収入が少ない場合などに認められることがあります

財産分与をスムーズに進めるために

財産分与をする場合は、まず財産分与の対象となる財産の総額を正しく確定させることが大切です。その中でもマンションや一戸建てなどの不動産は価格が大きいため、総額に大きく影響します。不動産を所有している夫婦は、まず不動産の査定から進めると全体の金額を把握しやすいのでおすすめです

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監修者
天池 篤哉
天池 篤哉(株式会社SUMiTAS 取締役)
  • 宅地建物取引士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士

2005年から不動産賃貸仲介営業で不動産業のキャリアをスタート。
物件マニアで、『従事している期間毎日10件内見する』という裏目標を立て、6年間実施。札幌市内の賃貸物件約18,000件を内見した。
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