ローンの返済が厳しくなったときや、急に大きなお金が必要になったときの資金調達方法のひとつに「リースバック」があります。けれど「リースバック」を調べると
- 「やばい」
- 「やめたほうがいい」
など、マイナスな言葉が出てくるため、不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。
そこで本記事では、リースバックが「やばい」と言われる理由や、よくあるトラブルと対処法をお伝えしていきます。リースバックの利用を検討している方は、参考にしてください。
目次
リースバックはやばいのか
結論からお伝えすると、リースバックは“やばい”取引ではありません。たしかにリースバックは仲介売却や買取と比べてトラブルが多い取引ではありますが、内容や注意点をしっかり理解したうえで利用すれば、ある程度のトラブルは避けられます。
まずはリースバックがどんな制度なのか、やばいと言われるのはなぜなのか、リースバックの基本をお伝えしていきます。
リースバックは資金調達方法のひとつ
リースバックは売却や買取と同じように、住宅売却による資金調達方法のひとつです。不動産会社が提示した金額に納得がいけば、すぐに住宅を現金化できます。
そして売却や買取との大きな違いは、売却後も家賃を払えば住宅に住み続けられることです。定期借家契約であれば2〜3年、普通借家契約の場合は借主(リースバック利用者)が希望する限りは家に住み続けられます。
リースバックした家には何年住める?家に住み続けるためにできることは?リースバックがやばいと言われる理由
リースバックがやばいと言われる大きな理由は、次のようなトラブルが多いことが関係しています。
- 取引内容を理解していなかったことによるトラブル
- 悪質業者に当たったことによるトラブル
リースバックは住宅をすぐに現金化できて、なおかつ引っ越しの必要がないというメリットばかりが目立ちます。
しかし、買取相場は市場価格の60〜80%と低く、家賃は売却価格をもとに決まるため、周辺の家賃相場より高くなることがほとんどです。
しかしこれらのデメリットを理解せず契約してしまい、契約後に「思ったより売却価格が低かった」「家賃が高すぎる」と感じ、トラブルになってしまうのです。
また、リースバック業者の中には、売り手の“すぐにお金が必要”という弱みに付け込んで、半ば強引に契約したり、売り手に不利な内容で契約させたりする業者もあります。
リースバックの取引自体が複雑な内容であることや、悪質業者の存在が、リースバックが「やばい」と言われる大きな理由なのです。
リースバックでよくあるトラブルと対処法については、次項で説明していきます。
リースバックでよくあるトラブルと対処法
先ほどもお伝えしたように、リースバックはトラブルが発生しやすい取引です。
けれどトラブルと対処法を知っておけば、トラブルが起こらないよう契約時に対策できます。ここでは、リースバックでよくあるトラブルと対処法を頭に入れていきましょう。
家賃の支払いが難しくなった
リースバックでよくあるのが、家賃の支払いが難しくなるトラブルです。
「住宅の売却後も家賃を払えば住み続けられる」と聞くと、周辺の家賃相場をイメージするかもしれませんが、リースバックの家賃は売却価格と期待利回りから決まります。
計算式は
家賃 =売却価格 × 期待利回り(6〜8%)÷ 12か月
で、住宅を2,000万円で売却した場合の家賃は10〜13万円ほどになります。
売却価格に期待利回り値がかけられるため、リースバックの家賃は周辺の家賃相場よりも高くなることがほとんどです。
家賃の支払いトラブルを避けるためには、契約前に家賃を提示してもらい、それが返済できる額であるかを慎重に判断する必要があります。リースバックの契約期間は2〜3年が一般的なので、最低でも3年は払える額であるのかを、他の支出と合わせて考えましょう。
買取相場よりも大幅に低い金額で売却した
買取相場は市場価格の60〜80%ですが、悪質な業者に当たるとさらに低い価格を提示されることがあります。大切な家を相場よりも大幅に低い価格で売却するのは、絶対に避けたいトラブルです。
リースバック業者に価格を提示されたとき、その価格が妥当であるか、それとも低いのかを判断するために、周辺の売却相場を調べ、相場観を身に付けておきましょう。周辺の売却相場の60〜80%程度が、リースバックの買取価格の相場です。
知らない間にオーナーが変わっていた
売却した住宅を第三者に売却され、知らない間にオーナーが変わっていることがあります。オーナーチェンジ自体は問題ではなのですが、問題なのは、オーナーチェンジによる「契約内容の変更」です。
契約内容の変更によって賃料が変更されたり、再購入できなくなったり、借主にとって不利な内容に変わる可能性があります。
オーナーチェンジによるトラブルを避けるためには、リースバック契約時に「オーナーが変わっても、契約内容を維持する」という内容を書面で残しておくことが大切です。
オーナーが変わっても契約内容まで変わる場合はほとんどありませんが、可能性は0ではありません。万が一のときのために、しっかりと対策しておきましょう。
「買い戻し」とは元の契約と同等の内容で費用の返還をし、契約を解除させることです。リースバックの場合は、契約解除ではなく新たな売買契約となるので、「再購入(再売買)」という言い方が適切です。両者を区別せずに「買い戻し」と表現しているケースも多く見受けられるので、微妙に意味が異なることを覚えておきましょう。
再購入を拒否された
契約内容によっては、リースバックした住宅を再購入できます。一定期間後に資金が入ってくる予定のある方は、再購入を前提としてリースバックを利用する方も多いです。
しかし、リースバックした住宅を再購入できないというトラブルも起こっており、その場合は退去を余儀なくされます。
再購入を拒否されるトラブルを避けるためには、契約時に「再購入が可能であること」と「再購入の価格」の2つの項目を必ず契約書に記載してもらうことが大切です。
口約束は水掛け論になってしまうので、必ず書面で残しておきましょう。
契約期間中に退去を命じられた
リースバック後も、定められた契約期間内はそのまま住宅に住み続けられます。
しかし、家賃の滞納などで契約違反があった場合は、契約期間内であっても退去を命じられる可能性があります。
家賃を3か月以上滞納すると約款違反と見なされ退去を命じられるので、家に住み続けるためには家賃を滞納しないよう気を付けましょう。
親が勝手にリースバック契約をしていた
親が勝手にリースバック契約をしていたというのも、よくあるトラブルです。業者の中には、高齢者をターゲットにして強制的に契約させたり、不利な条件で契約させたりする悪質な業者もいます。
リースバックした住宅の所有者はリースバック業者になるため、相続人であっても住宅を相続できません。住宅を再購入するためには売却価格よりも高値で購入することになるため、金銭的な負担が生じてしまいます。
相続によるトラブルを防ぐためにも、リースバックを検討する際には必ず家族に相談しましょう。親が住宅を所有している場合はリースバックについて説明し、安易に契約しないよう注意しておくことも必要です。
リースバックで失敗しないために大切なこと
ここまではリースバックの基本知識や、よくあるトラブルと対処法をお伝えしてきました。
リースバックで失敗しないためには、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか。最後に、リースバックで失敗しないために大切なことを2つお伝えしていきます。
信頼できる不動産会社に相談する
前章を見てわかるように、リースバックで起こるトラブルは悪質な業者によるものが多くあります。リースバックで失敗しないために大切なのは、信頼できる不動産業者に相談することです。
リースバック以外にさまざまな不動産取引を扱う不動産会社であれば、取引のメリットだけではなく、デメリットやリスクも説明してくれます。逆にリースバックのメリットばかりを話し、契約を急かすリースバック業者や不動産会社は要注意です。
まずは相談をしながら担当者と会話し、安心して任せられそうであるのか、担当者の人柄をしっかりとチェックしてください。
不安な点は契約前に解消しておく
リースバックのトラブルは悪質な業者によるものも多いですが、取引の内容を理解していないが故に起こるトラブルも多くあります。リースバックバックを利用する際にはリースバックの仕組みをしっかりと理解し、不安や疑問点がある場合は曖昧にせずにどんな小さな不安や疑問も解消してから契約してください。
「できます」「できません」の口約束は、後にトラブルを招きます。
どんなささいなことでも、必ず書面で残しておきましょう。
リースバックを安心して利用するためには、必ずトラブル対策を!
リースバックが「やばい」と言われるのは、契約内容の複雑さや悪質な業者による取引中のトラブルの多さが原因です。
取引内容を理解して悪質な業者を避ければ、リースバックは安心して利用できます。
リースバックの第一歩として、まずは信頼できる不動産会社やリースバック業者を探しましょう。
SUMiTAS(スミタス)では不動産売却や買取など、売却全般の相談を承りまっております。「すぐにまとまったお金が必要」「すぐに住宅を売却したい」という方は、お気軽にご相談ください。