2025年(令和7年)3月18日に、国土交通省が『2025年公示地価』を発表しました。
全用途地域の全国平均は前年度より2.7%上がり、バブル後最大の伸び率になっています。
公示地価は土地の用途によって『住宅地』『商業地』 『工業地』『全用途』の4つに分けられますが、本記事では住宅地と商業地のランキングを紹介します。
さらに公示地価が不動産市場に与える影響や2025年の傾向などについても解説しますので、不動産売買をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
2025年公示地価ランキング(全国)
さっそく2025年1月1日時点での、全国の住宅地と商業地の公示地価をランキング形式で見てみましょう。
【住宅地:価格順】公示地価ランキングTOP10
まずは住宅地のランキングと住所、公示地価、変動率を紹介します。
順位 | 都道府県 | 住所 | 令和7年公示地価 | 対前年変動率 |
---|---|---|---|---|
1位 | 東京都 | 港区赤坂1-14-11 | 5,900,000/㎡ | 10.3% |
2位 | 東京都 | 千代田区六番町6番1 | 4,830,000/㎡ | 10.0% |
3位 | 東京都 | 港区白金台3-16-10 | 4,700,000/㎡ | 10.3% |
4位 | 東京都 | 港区南麻布4-9-34 | 4,320,000/㎡ | 10.2% |
5位 | 東京都 | 港区南麻布1-5-11 | 4,070,000/㎡ | 10.0% |
6位 | 東京都 | 千代田区三番町6番25 | 3,960,000/㎡ | 10.0% |
7位 | 東京都 | 千代田区一番町16番3 | 3,740,000/㎡ | 10.0% |
8位 | 東京都 | 千代田区九段北2-3-25 | 3,680,000/㎡ | 10.2% |
9位 | 東京都 | 渋谷区恵比寿西2-20-7 | 3,490,000/㎡ | 8.4% |
10位 | 東京都 | 港区赤坂6-19-23 | 3,390,000/㎡ | 10.4% |
参考:国土交通省『(13)公示価格高順位表(全国)』
住宅地の公示地価ランキングは、例年通り1〜10位までを全て東京都が占めています。順位も前年度から入れ替わりはなく、1位の『港区赤坂1-14-11』は、8年連続でのトップとなっています。
ただし対前年変動率に関しては、2024年の平均伸び率が6.1%だったのに対して、2025年は9.98%と、どの地点も大きく上昇しています。
【商業地:価格順】公示地価ランキングTOP10
続いて、商業地のランキングと住所、公示地価、変動率も見てみましょう。
順位 | 都道府県 | 住所 | 令和7年公示地価 | 対前年変動率 |
---|---|---|---|---|
1位 | 東京都 | 中央区銀座4-5-6(山野楽器銀座本店) | 60,500,000/㎡ | 8.6% |
2位 | 東京都 | 中央区銀座5-4-3(対鶴館ビル) | 51,700,000/㎡ | 8.6% |
3位 | 東京都 | 中央区銀座2-6-7(明治屋銀座ビル) | 44,400,000/㎡ | 8.6% |
4位 | 東京都 | 中央区銀座7-9-19(ZARA) | 43,100,000/㎡ | 8.0% |
5位 | 東京都 | 新宿区新宿3-24-1(NEWNO・GS新宿) | 40,000,000/㎡ | 5.3% |
6位 | 東京都 | 新宿区新宿3-30-11(新宿高野第2ビル) | 38,600,000/㎡ | 4.6% |
7位 | 東京都 | 千代田区丸の内2-4-1(丸の内ビルディング) | 37,100,000/㎡ | 0.8% |
8位 | 東京都 | 渋谷区宇田川町23-3(渋谷第一勧銀共同ビル) | 33,500,000/㎡ | 7.0% |
9位 | 東京都 | 中央区銀座4-2-15(塚本素山ビルディング) | 32,100,000/㎡ | 8.4% |
10位 | 東京都 | 中央区銀座6-8-3(銀座尾張町TOWER) | 30,800,000/㎡ | 5.1% |
参考:国土交通省『(13)公示価格高順位表(全国)』
商業地のランキングも全て東京都が占めており、前年度から入れ替わりもありませんでした。19年連続で1位となった『山野楽器銀座本店』の公示地価は1㎡あたり6,050万円となっており、これは坪単価に換算すると、約2億円に相当します。
商業地も住宅地と同様に変動率が大きく上昇しており、前年の平均が3.95%だったのに対して6.5%となっていました。
住宅地と商業地の公示地価が前年から大きく上昇した理由については、次章で説明します。
公示地価の決まり方と市場に与える影響
標準地の“1㎡あたりの土地価格”を示す公示地価は、どのように決まるのでしょうか。

これから不動産取引を行うのなら、公示地価が不動産市場に与える影響や変動要因も理解しておきましょう。
公示地価の決まり方
公示地価は、発表元となっている国土交通省の土地鑑定委員会によって決定されます。
あらかじめ決められた標準地を不動産鑑定士が2名以上で鑑定を行い、最新の取引事例や想定収益などのさまざまな観点から土地の価値を分析します。
そして分析によって算出された数値を調整したものが、公示地価として発表されます。公示地価はあくまで更地として評価した価格のため、標準地にある建物の状況や土地の使用状況などが価格に影響することはありません。
公示地価の変動要因
公示地価は、再開発の有無や取引事例の件数、賃料や人口の増減など標準地周辺の不動産市況によって変動します。さらに金利の動向も不動産市場に影響するため、地価にも間接的にかかわってくる可能性があります。
公示地価が不動産市場に与える影響
土地の価格を示した公示地価は、不動産価格を決める指標のひとつです。
地価の上昇が続けば強気(高値)の取引が増えて、逆に下落が続くと弱気(安値)の取引が増える傾向があります。そのため売主にとっては地価が上昇傾向にあるときが、売却に適したタイミングと言えます。
ただし実際の売却価格を決める要因は、公示地価だけではありません。

土地の面積や形状、周辺環境なども売却価格に影響するため、公示地価が上昇しているからといって、一概に「高値で売却できる」とは言えないのが難しい部分です。
そのため、売却にあたっておおよその売却価格を知りたいのなら、不動産査定の実施をおすすめします。物件情報と過去の取引事例を参考にする簡易査定は“おおよその売却価格”、現地調査を行う訪問査定では“3か月以内に売れるであろう価格”がわかります。
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2025年公示地価の傾向
最後に、住宅地と商業地における2025年公示地価の傾向に目を通しておきましょう。
住宅地の傾向
住宅地における公示地価の伸び率は、全国平均変動率は2.1%(前年2.0%)と全国的に上昇。さらに東京圏で4.2%(前年3.4%)、大阪圏で2.1%(前年1.5%)、名古屋圏で2.3%(前年2.8%)となっており、とくに大阪圏の伸び率が高くなっていました。
この背景には、『大阪・関西万博2025』の開催に伴う都市開発の影響があると考えられます。
ただし地方圏で利便性がよくないエリアや、人口減少が目立つエリアなどの地価は鈍化、あるいは横ばいと、上昇に至らない地域もみられました。
参考:国土交通省『第3表 圏域別・用途別対前年平均変動率』
商業地の傾向
商業地における公示地価の伸び率は、全国平均変動率は3.9%(前年3.1%)と住宅地と同様に全国的に上昇しています。また東京圏は8.2%(前年5.6%)、大阪圏で6.7%(前年5.1%)、名古屋圏3.8%(前年4.3%)と、商業地もとくに大阪の伸び率が高くなっていました。
これにも『大阪・関西万博2025』に向けた国際イベント需要や訪日観光客(インバウンド)需要が大きく影響していると考えられます。とくに開催地域周辺のホテルや商業施設が集まるエリアでは、上昇が顕著にみられました。
参考:国土交通省『第3表 圏域別・用途別対前年平均変動率』
2025年も公示地価が上昇!不動産売却をお考えの方は早めの行動を
2024年(令和6年)には能登半島地震やマイナス金利政策の解除や追加利上げなど、不動産価格が下がる要因となる出来事がいくつも起こりましたが、2025年(令和7年)も4年連続で上昇する結果となりました。

全国的にも地価の上昇がみられるため、不動産売却をお考えの方は今年中の売却をおすすめします。
しかし記事内でお伝えしたように、公示地価がそのまま売却価格になるわけではありません。売却価格を知りたい方は、まずは不動産査定を受けるところから始めましょう。
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