不動産査定を受けるときには、必ず用意しておきたい書類と、できれば用意しておきたい書類があり、簡易査定と訪問査定でそれぞれ異なります。
書類の準備は、これから売却する不動産の適正価値を知るために必要なので、できるだけ用意しておくほうがスムーズですが、不動産会社が取得してくれるケースもあるので、不動産会社の担当者と相談しましょう。
本記事では査定に必要な書類や取得方法、注意点を説明します。これから査定を受ける方はぜひ、参考にしてください。不動産査定の必要書類一覧はPDFでダウンロードいただき印刷してご利用いただくことも可能です。
- 査定方法に応じて、登記簿謄本や測量図などの書類を事前に用意することが重要
- 過去のリフォームや修繕の履歴書を提出することで、査定額が上がる可能性がある
- 不動産会社の担当者と密にコミュニケーションを取り、スムーズな査定を進めることが大切
目次
不動産査定の種類
冒頭でもお伝えしたように、査定方法によって必要書類が異なります。不動産査定には大きく分けて「簡易査定」と「訪問査定」の2種類あるので、まずはそれぞれの特徴を説明します。
簡易(机上)査定
物件情報のみをもとに、過去の取引データや相場などから“おおよその査定額”を算出する方法を「簡易(机上)査定」といいます。不動産会社やインターネット上ですぐに受けられて、査定結果もすぐにわかる点がメリットです。
一括査定サイトでも、簡易査定が用いられる場合があります。
訪問査定
情報のみから査定を行う簡易査定に対して、「訪問査定」では不動産を実際に訪れて、状態や周辺環境などから、“3か月以内に売れるであろう価格”を算出します。
売り出し価格は訪問査定の結果をもとに決めるため、売却活動を行うためには必須です。
簡易査定の必要書類と取得方法
簡易査定にあたって、必ず用意しておくべき書類はありません。
物件情報を入力するために必要な、
- 不動産の住所
- 面積
- 築年数
- 階数、方位(マンションの場合)
- 構造(戸建て住宅の場合)
などがわかれば、すぐに査定を受けられます。
ただし、面積や方位、構造、築年数などがわからない場合は、登記簿謄本や間取り図などから調べる必要があるため、書類が必要です。
さらに不動産会社で受ける査定や一括査定では、これらの情報に加えて名前や電話番号、メールアドレスなどの個人情報の入力も求められます。
「個人情報を知られたくない」という方は、SUMiTAS(スミタス)が提供する「簡単10秒査定」をぜひご利用ください。個人情報を入力することなく、簡易査定が受けられます。
訪問査定の必要書類と取得方法
物件のより詳しい情報をもとに査定額を算出する訪問査定では、
- 用意しておきたい書類
- できれば用意しておきたい書類
があります。それぞれの書類の取得方法や内容を見てみましょう。
用意しておきたい書類
訪問査定にあたって用意しておきたいのが、次の4つの書類です。
書類 | 取得場所 |
---|---|
登記簿謄本(登記事項証明書) | 法務局 |
土地の測量図 | |
建物に関する図面 | 住宅会社または不動産会社(なければ不要) |
権利証(登記識別情報) | 法務局 |
不動産査定の必要書類一覧はPDFでダウンロードいただき印刷してご利用いただくことも可能です。上記の書類は不動産購入時に取得しているはずなので、手元にあれば、担当者に見せられるように用意しておきましょう。
もし紛失したり場所がわからなかったりする場合も、不動産会社が法務局で取得してくれることが多いので、自分で取得する必要はありません。
それぞれの書類について、簡単に見てみましょう。
登記簿謄本(登記事項証明書)
登記簿謄本は登記事項証明書とも呼ばれ、不動産の権利関係が記されている書類です。地番や地目、家屋番号面積、構造などの物件の情報や、所有権や抵当権などの権利関係についてわかるので、査定だけではなく、売買契約時にも必要になります。
土地の測量図
測量図は、土地の形状や面積、隣地との境界線が記されている書類で、坪単価から査定額を算出するときや、境界線の確認に使われます。測量図が古く境界が曖昧になっている場合は、隣人の立ち会いのもと、確定測量を実施して境界を確定する形になるでしょう。
建物に関する図面
建物の間取りや敷地との位置関係、設備仕様などが記載された書類は、物件情報をより詳細に確認するために必要です。不動産取得時に、住宅会社や不動産会社から受け取っています。
権利証(登記識別情報)
権利証(登記識別情報)は、不動産の登記名義人であることを公的に証明する書類です。アラビア数字と符号の組合せからなる12桁で表記されており、登記申請後に登記名義人にのみ通知されます。

他の書類と違って再発行ができないため、紛失した場合は「事前通知制度」または「資格者代理人による本人確認情報の提供の制度」で本人確認を行わなくてはなりません。
できれば用意しておきたい書類
必要ではなくても、できれば取得しておきたいのが次のような書類です。
書類 | 取得場所 |
---|---|
売買契約書・重要事項説明書 | 住宅会社または不動産会社 |
固定資産税納税通知書 | 市税事務所または税務室 |
住宅ローン返済予定表 | 金融機関 |
マンションの管理規約・使用細則 | マンションの管理会社 |
不動産購入時のパンフレット | 住宅会社または不動産会社 |
リフォーム・修繕履歴書 | リフォーム会社またはマンションの管理会社 |
インスペクションの結果報告書 | 住宅会社または不動産会社 |
不動産査定の必要書類一覧はPDFでダウンロードいただき印刷してご利用いただくことも可能です。それぞれの書類について、簡単に見てみましょう。
売買契約書・重要事項説明書
売買契約書・重要事項説明書は、不動産を購入するときの売却価格や条件などが記載された書類です。不動産の情報を知るための資料となるため、手元にあれば不動産会社に提出しましょう。
固定資産税納税通知書
その年度の固定資産税が記された書類で、毎年5〜6月頃に届きます。不動産売買では売買契約を結ぶ際に売主と買主で固定資産税の負担割合を決めるため、税額の目安を知るために必要です。
住宅ローンの返済予定表
住宅ローンの返済予定表は、融資実行日または借入日から1週間〜10日前後で届く返済額が記された書類です。契約時だけではなく金利を見直すタイミングでも送られてくるため、変動金利であれば半年ごと、固定金利は金利が確定した時点で発行されます。
もし紛失してしまった場合は、住宅ローンを契約した金融機関で再発行することも可能です。
マンションの管理規約・使用細則
管理規約と使用細則は、マンションの共用部分の範囲や使用方法、決まり事などが記載された書類です。リフォームやリノベーションの決まりも記載されているため、査定だけではなく情報共有のためにも必要になります。
不動産購入時のパンフレット
不動産購入時のパンフレットには、不動産の価格や間取り、設備仕様、アピールポイントが記載されています。査定額を算出するためのデータとしてだけではなく、売却活動時に掲載内容や広告を作成するときにも役立ちます。
リフォーム・修繕履歴書
5年以内に自分でリフォームを行った場合や、マンションで大規模修繕が行われた場合は、修繕履歴書を用意しておくと、査定額が少し上がる可能性があります。工事後にリフォーム会社や管理会社が発行しますが、手元にない場合は修繕時期や内容だけでも伝えておきましょう。
インスペクションの結果報告書
インスペクションは、建物の健康診断のような調査です。売却にあたってインスペクションを受けた場合は、結果報告書を提出することで不動産会社が建物の現状を確実に把握できます。

ここまでに挙げたのは、“あれば提出したほうがいい書類”なので、ない場合に無理に取得する必要はありません。不動産会社が取得してくれる場合もあるので、提出を求められたときに用意できればしておきましょう。
不動産査定で書類を提出するときの注意点
不動産査定に必要な書類がわかったので、最後に書類を提出するときの注意点を3つ説明します。
- 必要書類を不動産会社に確認しておく
- 査定結果に影響する書類は必ず用意しておく
- 書類の予備またはコピーも取っておく
それぞれ見ていきましょう。
必要書類を不動産会社に確認しておく
不動産会社によって査定に必要な書類が若干異なり、自分で用意せずとも担当者が取得してくれる場合もあります。とくに登記簿謄本や測量図は、不動産会社が用意するのが一般的です。
査定にあたってどのような書類が必要なのか、何を自分で用意すればいいのかを必ず確認しておきましょう。
査定結果に影響する書類は必ず用意しておく
書類が足りなかったり不備があったりすると、査定結果に影響する可能性があります。
とくにリフォームや修繕履歴、インスペクションの結果報告書などは査定にプラス面で影響するため、もし受けたのであれば用意しておきましょう。
紛失してしまった場合も口頭で伝えることはできますが、書類のほうが確実です。可能であれば、リフォーム会社や管理会社、インスペクションの実施会社などに問い合わせて、再発行してもらいましょう。
書類のコピーを取っておく
不動産会社に提出した書類は返還してもらえる場合がほとんどですが、念のためにコピーを取っておくと安心です。手元に予備があれば、他の不動産会社で査定を受けることになったときや、自分で情報を確認したいときにも、すぐに情報を調べられます。
不動産査定に書類は必須!前もって準備を!
簡易査定にあたって提出すべき書類はありませんが、訪問査定を受けるときには、不動産の状態がわかる資料を用意しておきましょう。
本記事でご紹介した必要書類と書類取得場所を一覧でまとめたPDF形式のファイルを無料ダウンロードいただくことで便利にご利用いただけます。

査定は不動産の情報が多いほど、より売却価格に近い金額がわかります。情報によっては査定額が上がる場合もあるので、今回挙げた中で用意できそうな書類は、訪問査定までに用意しておきましょう。