不動産査定は複数社に申し込む?メリットとデメリット、会社選びのポイントを解説

監修者
天池 篤哉
天池 篤哉(株式会社SUMiTAS 取締役)
  • 宅地建物取引士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士

不動産を売却するときには不動産会社に査定依頼をしますが、「複数社に依頼すべきなのか」と、悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。査定は2~3社ほどに依頼するのが理想ですが、依頼にあたっていくつか注意点もあります。

吉田 宏
吉田 宏

本記事では複数社に査定依頼をするメリットや注意点、会社選びのポイントを解説しますので、参考にしてください。

不動産査定は複数社に申し込むべき?

冒頭でもお伝えしたように、不動産査定は複数社に申し込むことをおすすめします。では何社で査定を受ければいいのか、査定の種類と特徴を交えながら説明します。

2~3社ほどに相談するのがおすすめ

不動産査定の依頼は2〜3社が目安で、時間と気力に余裕があれば、4社、5社ほど比較するのがより理想です。

2~3社ほどに相談するのがおすすめ
2~3社ほどに相談するのがおすすめ

その際には、

  • 大手不動産
  • 中小不動産
  • 地元の不動産会社

を入れるように意識してください。

会社規模が違う不動産会社からそれぞれ査定を受けることで、査定額とともに、売却活動の違いや営業スタイルなども比較できます。たとえば大手不動産は全国に支店や営業所を持ち、ブランド力と広告力が魅力ですが、売却マニュアルがあることが多く、柔軟さに欠ける場合がある点がデメリットです。

一方中小不動産は、県内ならば地方や郊外にも営業所がありますが、大手と比べてブランド力は劣る傾向があります。

そして地元(地場)の不動産会社は、小規模ながらも地域に根付いて営業しているため、地域情報に強く、長い付き合いの顧客も抱えていることが多い点がメリットです。しかし一般的な認知度が低く、ウェブやSNSでの広告にも慣れていない場合があります。

吉田 宏
吉田 宏

このように、会社規模で特徴が異なるので、自分に合う不動産会社を探してみてください。

不動産査定の種類

不動産査定には、

  • 簡易(机上)査定
  • 訪問査定
  • 一括査定

の3種類の方法があります。

簡易(机上)査定

簡易査定は、物件情報を元に、過去の取引データから“おおよその査定額”を算出する査定方法です。店舗で行う簡易査定は、数時間〜1日程度で査定結果がわかります。

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訪問査定

訪問査定は、実際に物件を訪れて物件の状態や周辺環境の調査を行い、“3か月以内に売れるであろう価格”を算出する査定方法です。さまざまな観点や評価項目から査定額を算出するため、査定結果の提示までには1〜2週間ほどかかります。

一括査定

一括査定は、一括査定サイトを通して複数社に査定を申し込む査定方法です。簡易査定と訪問査定の両方に対応しており、地域に対応している不動産会社を知りたいときや、入力の手間と時間を省きたいときに適しています。

不動産査定を複数社に申し込むメリット

複数社に査定を申し込むメリットは、2つあります。

  • 相場価格がわかるようになる
  • 複数社で比較検討できる

それぞれ見ていきましょう。

相場価格がわかるようになる

査定額は物件情報や周辺環境(訪問査定の場合)などから算出するため、どの不動産会社に依頼しても同じくらいになります。そのため査定額を見るうちに、だんだんと相場価格がわかるようになる点がメリットです。

相場価格を把握しておけば、高すぎる査定額を提示されたときに気づけるだけではなく、売り出し価格を決めるときにも役立ちます。

複数社で比較検討できる

前述のように、売却活動の進め方や担当者の対応方法などは不動産会社ごとに異なるので、自分に合うと思う場合もあれば、合わないと感じる場合もあるでしょう。複数社での査定は、自分と相性の良い不動産会社を見つけられる点もメリットです。

査定を通して会社ごとの特徴が見えてくるはずなので、自分に合う不動産会社を見つけられるでしょう。

不動産査定を複数社に申し込むときの注意点

複数社での査定にはさまざまなメリットがある一方で、次のような注意点もあります。

  • 申し込みや連絡に手間と時間がかかる
  • 契約する会社以外は断らなければならない

それぞれ詳しく説明します。

申し込みや連絡に手間と時間がかかる

不動産会社の選定や申し込み、連絡には手間と時間がかかります。とくに訪問査定を受ける場合は、スケジュール調整や査定額の提示までに1〜2週間ほど時間がかかるので、売却期限がある方は要注意です。

また、査定を受けるにあたって、それぞれの不動産会社の担当者と連絡を取り合うことも負担になるかもしれません。2〜3社ならばそれほど負担に感じないかもしれませんが、4社、5社となると連絡自体が面倒になる心配があります。

契約する会社以外は断らなければならない

査定を受けたら、売却活動に向けて不動産会社と媒介契約を結びます。

しかし専任媒介契約と専属専任媒介契約のどちらかで契約する場合、契約できるのは1社のみなので、他の不動産会社には断りの連絡が必要です。

不動産会社は断られることに慣れているため、査定後に断ったからといって責められたり違約金を請求されたりする心配はありませんが、断るのが苦手な方にとっては負担に感じてしまうでしょう。

不動産査定を複数社に依頼するときのチェックポイント

複数社で査定を受け、どの会社と媒介契約を結ぶか悩んだときには、次のポイントで比較してみてください。

  • 担当者の対応スピードや態度
  • 得意とするジャンル

ポイント1:担当者の対応スピードや態度

不動産は売り出してから定期的に価格の見直しをすることが多く、時間がかかるほど売却価格は下がっていく傾向があります。そのため物件を早く・高く売るためには、内見のスケジュール調整や連絡への対応を迅速に行ってくれる担当者に任せることが大切です。

対応の早さは査定相談や実施、連絡などを通してわかるはずなので、すぐに連絡を返してくれる不動産会社(担当者)と契約しましょう。

ポイント2:得意とするジャンル

売却とひとくちに言っても、一戸建て住宅やマンション、土地、アパート、テナント物件などのさまざまな種類があり、それぞれ得意ジャンルも異なります。

たとえばマンション売却を得意とする不動産会社は、マンションを探している顧客を抱えていることが多く、紹介ですぐに購入希望者が見つかるかもしれません。

売却の間口を広げるためにも、自分が売却する物件を得意とする会社に依頼しましょう。

不動産査定は複数社への依頼がおすすめ!担当者の対応などから比較を

大切な不動産をできるだけ早く・高く売るためには、複数の不動産会社に査定依頼をするのがおすすめです。

査定依頼をする会社を選ぶときには、大手、中小、地元の不動産会社の中から、2〜3社ほどに依頼してください。複数社で査定を受けるうちに、物件の価格相場や不動産会社ごとの特徴、担当者との相性などもわかるようになります。

不動産売却において、不動産会社選びはとても重要です。
売り出し価格を決めるためだけではなく、信頼できる不動産会社と担当者に売却を依頼できるように、本記事で挙げたポイントなどをチェックしてみてください。

監修者
天池 篤哉
天池 篤哉(株式会社SUMiTAS 取締役)
  • 宅地建物取引士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士

2005年から不動産賃貸仲介営業で不動産業のキャリアをスタート。
物件マニアで、『従事している期間毎日10件内見する』という裏目標を立て、6年間実施。札幌市内の賃貸物件約18,000件を内見した。
天池 篤哉の詳細プロフィールはこちら