不動産査定にデメリットはある?方法別にチェック!

不動産査定にデメリットはある?方法別にチェック!

監修者
天池 篤哉
天池 篤哉(株式会社SUMiTAS 取締役)
  • 宅地建物取引士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士

査定では物件の住所や間取りなどを伝えるため、今住んでいる家を売却する場合は「情報を簡単に知らせていいのか、何かデメリットがあるのではないか」と、心配になってしまうでしょう。

査定を受けること自体に大きなデメリットはありませんが、デメリットとも取れる注意点はいくつかあります

そこで本記事では、

  • 一括査定
  • 簡易(机上)査定
  • 訪問査定

の方法ごとにデメリットを説明していきます。
これから売却を検討している方はぜひ、参考にしてください。

この記事の要約
  • 不動産査定には「一括査定」「簡易査定」「訪問査定」の3つがあり、各方法にデメリットが存在。
  • 一括査定は匿名で利用できず、査定額にばらつきが出やすい。
  • 簡易査定はおおよその価格しかわからず、売却には訪問査定が必要。

不動産売却で行う査定の種類

冒頭にも挙げたように、査定には

  • 一括査定
  • 簡易(机上)査定
  • 訪問査定

の3つの方法があります。まずはそれぞれの特徴を見ていきましょう。

一括査定

一括査定サイトを利用して、複数の不動産会社に査定依頼をするのが「一括査定」です。

物件情報と個人情報を1度入力するだけで複数社から連絡がくるので、効率よく査定を受けることができます。一括して査定を申し込むことから“一括査定”と呼ばれていますが、査定方法は簡易査定と同じです。

簡易(机上)査定

「簡易(机上)査定」は、物件の住所や面積などの情報から、データをもとにおおよその査定額を算出する方法です。不動産会社で相談しながら受けることもできますが、インターネット上ですぐにおおよその査定額がわかるシステムを提供している不動産会社もあります。

訪問査定

不動産会社の担当者が物件へと出向き、詳細に調査する査定方法を「訪問査定」といいます。物件情報だけではなく、室内の状態や周辺環境、マンションであればエントランスや階段、駐輪場などの共用部分も確認して査定額を算出します。

訪問査定でわかるのは“3か月以内に売れるであろう価格”なので、訪問査定で提示された価格をもとに売り出し価格を決める場合がほとんどです。

不動産売却で一括査定を利用するデメリット

一括査定を利用するデメリット

それぞれの査定方法の特徴をお伝えしたので、ここからは気になるデメリットを説明していきます。まずは一括査定のデメリットから見ていきましょう。

  • 匿名で利用できない
  • どの査定額が正しいのか悩んでしまう

匿名で利用できない

一括査定では、複数社から査定の連絡を受けるために、物件情報のほか、名前、電話番号、メールアドレスなどの個人情報の入力が必要です。1度の情報入力で複数社から査定を受けられるタイムパフォーマンスの良さが魅力ですが、一方で“複数社に個人情報が伝わる”点はデメリットとも取れるでしょう。

個人情報を入力したからといって悪用される可能性は低いですが、絶対にされないとも言い切れません。

「査定依頼をしていない会社から連絡がきた」とトラブルになった事例もあるようなので、個人情報の入力に抵抗がある方は直接不動産会社に相談することをおすすめします。

どの査定額が正しいのか悩んでしまう

一括査定でわかるのは、物件情報と過去の取引データを用いた“おおよその査定額”なので、基本的にはどの不動産会社も価格は同じくらいになるはずです。しかし、中には他社よりも高額な査定額を提示して顧客をつかもうとする不動産会社もあるため、査定額に大きな差が出ることもあります。

査定額にバラつきが出たときに「結局どのくらいの価格なのかわからない」と悩んでしまう点が、一括査定のデメリットです。

不動産売却で簡易査定を利用するデメリット

簡易査定を利用するデメリット

続いて、簡易査定を利用するデメリットを見てみましょう。

  • おおよその査定額しかわからない
  • 売却するのなら訪問査定が必要になる

おおよその査定額しかわからない

前述したように簡易査定でわかるのは、物件情報と過去の取引データのみをもとに算出した“おおよその査定額”です。訪問査定で室内や周辺環境を加味した結果、簡易査定の査定額と大きな差が出ることも少なくありません。

そのため簡易査定は、売却を悩んでいるときの判断材料として利用するのがおすすめです。

なお、SUMiTAS(スミタス)の「10秒簡易査定」であれば、物件情報のみの入力で、個人情報を入力することなく、すぐにおおよその査定額がわかります。

個人情報の入力に抵抗がある方も安心して使えますので、売却の第一歩としてぜひご活用ください。

売却するのなら訪問査定が必要になる

簡易査定を受けるだけでは不動産を売却できないので、売却活動を始めるためには必ず訪問査定を受けなければなりません。何度も不動産会社へ足を運んで手続きするのは、手間も時間もかかります。すでに売却の意志が固まっているのなら、初めから訪問査定を受けましょう

不動産売却で訪問査定を利用するデメリット

訪問査定を利用するデメリット

前章でお伝えしたように、売却活動を始めるためには、必ず訪問査定を受けることになります。より詳細な物件情報を伝えるので、何かデメリットはあるのかと心配になる方も多いはずです。訪問査定のデメリットとも言える注意点は、以下の2つです。

  • スケジュール調整に手間がかかる
  • 掃除や整理に手間がかかる

それぞれ見ていきましょう。

スケジュール調整に手間がかかる

訪問査定では不動産会社の担当者が物件へと出向いて調査するため、スケジュール調整が必要です。土日祝日希望だと、査定までに時間がかかることもあるでしょう。

また、室内の状態や周辺環境も加味して査定額を算出するため、査定額の提示までに3〜4日ほどの時間を要します。

すぐに査定を受けられない、すぐに査定額がわからないというのは、売主にとってはデメリットとも取れる部分です。しかし不動産売却に訪問査定は欠かせないので、売却を急ぐのであれば、電話やウェブサイトなどからすぐに訪問査定を申し込むことをおすすめします。

掃除や整理に手間がかかる

訪問査定を受けるからといって、掃除や整理が必要になるわけではありませんが、室内をきれいにしておいたほうが物件の印象は良くなります。掃除や整理に手間がかかるのは、デメリットとも取れる部分です。

しかし売却で内見が決まったときには、遅かれ早かれ室内を掃除しなければなりません。スムーズに売却を進めるためにも、売却を決めた段階で早めに片付けに取りかかることをおすすめします。

査定方法で悩んだときのポイント

売却活動を始める際には訪問査定が必要になるため、「初めから訪問査定を受けるべきか」「簡易査定と一括査定サイトのどちらを使ってみるべきか」の2択で悩まれる方が多いと思います。

最後に、査定方法で悩んだときのポイントを2つお伝えしましょう。

  • 査定を受ける目的で決める
  • 売却の意志が固まっているのなら訪問査定を受ける

査定を受ける目的で決める

「どのくらいの価格で売れるのか知りたい」「どんな不動産会社があるのか知りたい」「不動産会社の対応を比較したい」など、査定を受ける目的は人それぞれです。

どの方法にするか悩んだときには、目的から決めましょう。

売却を悩んでいるのなら簡易査定か一括査定、詳細な査定額を知りたいのなら訪問査定が適しています。地域に対応している不動産会社を知りたいときには、一括査定が便利です。

目的から自分に適した査定方法を考えてみてください。

売却の意志が固まっているのなら訪問査定を受ける

「簡易査定を受けてから、訪問査定を受けたほうがいいのではないか」と考える方もいらっしゃいますが、簡易査定は飛ばしても問題ありません。簡易査定はおおよその価格を知るために受けるものなので、売却の意志が固まっている方や詳細の価格を知りたい方は、初めから訪問査定を受けることをおすすめします。

初めから訪問査定を依頼すれば、最小限の手間と物件・個人情報の入力で査定を受けられる点もメリットと言えるでしょう。

不動産査定のデメリットは方法によって異なる!自分に合った査定方法の選択を

本記事でお伝えしてきたように、査定自体に大きなデメリットはありませんが、デメリットとも取れる注意点がそれぞれあります。悩んだときには、査定を受ける目的や、自分の状況からどの方法が適しているのかを考えてみてください。
しかし複数社で査定を受けると、どの不動産会社と媒介契約を結べばいいのか悩んでしまいます。

「複数社で査定を受けるべき」との声もありますが、査定を複数社で受けるよりも先に、信頼できる担当者を見つけたほうがより安心して売却のステップへと進めます。

売却で大切なのは、査定額ではなく担当者との相性です。まずは不動産会社を探し、信頼できる担当者を見つけましょう。

監修者
天池 篤哉
天池 篤哉(株式会社SUMiTAS 取締役)
  • 宅地建物取引士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士

2005年から不動産賃貸仲介営業で不動産業のキャリアをスタート。
物件マニアで、『従事している期間毎日10件内見する』という裏目標を立て、6年間実施。札幌市内の賃貸物件約18,000件を内見した。
天池 篤哉の詳細プロフィールはこちら