家を売る準備を進めていると、不動産会社でも、決済の日の司法書士の前でも、運転免許証やマイナンバーカードを求められます。なぜ何度も見せるのか、疑われているのではないかと気になる方もいるでしょう。
結論を先に言うと、不動産売却の本人確認は、不動産会社と司法書士がそれぞれの立場で行います。不動産会社と司法書士は、どちらも犯罪収益移転防止法(犯収法)で本人確認を義務づけられた「特定事業者」です。不動産会社は売買契約を結ぶときまでに、司法書士は登記などの手続きを引き受けるときに確認します。不動産会社と司法書士は、それぞれが自分の仕事について別々に確認の義務を負っているので、同じ書類を何度か見せることになります。売主だけを疑っているのではなく、相手が誰でも同じ確認をする決まりです。なお、買主が法人などで売主のマイナンバーを受け取る場合は、これとは別に、番号法による買主の確認もあります(後の節で説明します)。
確認では、運転免許証やマイナンバーカードのような顔写真付きの書類の原本を見せるのが基本です。コピーを見せるだけでは足りません。不動産会社は確認した内容を記録し、売買契約の日から7年間保存します。
さらに2027年(令和9年)4月1日からは、窓口での確認でも、運転免許証やマイナンバーカードのICチップを機械で読み取る方法が基本になります。運転免許証の読み取りには、暗証番号2つの入力が要ります。
この記事では、誰がいつ何を確かめるのか、使える書類、応じないとどうなるか、2027年4月からの変更点を、条文と警察庁の資料で整理します。
- 不動産売却の本人確認は、不動産会社と司法書士がそれぞれ行う。どちらも犯罪収益移転防止法の「特定事業者」(マイナンバーを受け取る買主の確認は、番号法による別の手続き)
- 不動産会社の確認は、売買契約を結ぶときまでに行う。確かめるのは氏名・住所・生年月日、取引の目的、職業(法人なら事業の内容と実質的支配者も)
- 確認は顔写真付きの書類の原本を見せるのが基本。不動産会社は記録を売買契約の日から7年保存する
- 2027年4月1日から、窓口でもICチップの読み取りが基本になる。運転免許証は暗証番号2つが要る
目次
不動産売却の本人確認は、不動産会社と司法書士がそれぞれ行う
売却の流れのどこで、誰が本人確認をするのかを図にしました。

| 確認する人 | いつ | 根拠 | 確かめること |
|---|---|---|---|
| 不動産会社(仲介・買取) | 売買契約を結ぶときまで。媒介契約のときに済ませる不動産会社もある | 犯罪収益移転防止法4条1項(売買契約などを行うときの確認の義務) | 氏名・住所・生年月日、取引の目的、職業 |
| 司法書士 | 売買の登記などを引き受けるとき(決済の日やその前) | 犯罪収益移転防止法4条1項(登記などの手続きを代理する契約を結ぶときの確認の義務) | 氏名・住所・生年月日などのほか、登記に使う書類 |
不動産会社の本人確認は、売買契約を結ぶときまでに行う
犯収法が不動産会社に本人確認を求めるのは、宅地や建物の売買契約を結ぶとき、またはその代理や媒介(仲介)をするときです(犯収法別表、同法施行令7条1項5号)。不動産会社に仲介を頼む「媒介契約」を結ぶこと自体は、この対象ではありません。
ただ、売買契約より前に確認を済ませておくことはできるので、媒介契約のときに本人確認をする不動産会社もあります。当社の加盟店では、売主の本人確認は媒介契約のとき、買主の本人確認は売買契約のときに行うことが多いです。いつ確認するか、どの方法で確認するかは不動産会社によって違います。媒介契約の前に「本人確認はいつ、何を持っていけばよいか」を聞いておくと、書類の出し直しを防げます。媒介契約の種類と結び方は媒介契約の記事で解説しています。
犯収法とは別に、仲介する不動産会社には、買主に対して、登記簿に載っている名義人を重要事項として説明する義務があります(宅地建物取引業法35条1項1号)。売主が登記簿の名義人と同じ人か、共有ならほかの共有者も売ることに同意しているかも、売却の準備の中で確かめられることがあります。当社の店舗では、共有者が売ることに同意しているかは媒介契約を結ぶ前に、売主が登記簿の名義人と同じ人かは買主から購入の申し込みを受けた後には確かめています。売却の全体の流れは不動産売却の流れの記事をご覧ください。
司法書士の本人確認は、登記を引き受けるときに行う
決済の日には、司法書士が売主の本人確認と、登記に使う書類の確認をします。司法書士も犯収法の特定事業者で、売買の登記などの手続きを代理する契約を結ぶときに、本人確認をする義務があります(犯収法別表)。決済の日の流れと司法書士の費用は所有権移転登記の記事にまとめています。
なお、権利証(登記識別情報)をなくしたときに司法書士が作る「本人確認情報」は、名前は似ていますが別の制度です(不動産登記法23条4項1号。登記を申請するときに、権利証の代わりに本人であることを確かめる方法の1つ)。なくした場合の対処は不動産売却の必要書類の記事で解説しています。
買主が法人のときは、マイナンバーの受け取りで別の本人確認がある
この記事の本人確認は、犯収法によるものです。これとは別に、買主が法人や不動産業者で、売主のマイナンバーを受け取る場合は、番号を受け取る買主が、番号法にもとづいて本人確認(番号が正しいかの番号確認と、本人かの身元確認)をします(番号法16条)。買主が不動産会社でない一般の企業でも、番号を受け取るならこの確認があります。根拠の法律が違うので、犯収法の本人確認とは別に身分証を見せることがあります(不動産会社が買主になる買取では、同じ不動産会社が両方の確認を行います)。
不動産会社が買主になる買取でも、本人確認はある
犯収法の対象は宅地や建物の売買契約で、不動産会社が自ら買主になる売買も含まれます。買取で売る場合も、同じように本人確認があります。買取の流れは不動産買取の流れの記事で解説しています。
不動産会社が本人確認をする理由は犯罪収益移転防止法
犯収法は、犯罪で得たお金が別の財産に形を変えて移っていくこと(マネー・ローンダリング)を防ぐための法律です。そのために、特定事業者に、取引の相手の本人確認、取引の記録の保存、疑わしい取引の届出などを求めています(犯収法1条)。宅地建物取引業者、つまり不動産会社は、この特定事業者の1つです(犯収法2条2項42号)。
確認は、売主が誰であっても行います。法律が、特定事業者は売買契約などを「行うに際しては」相手の確認を「行わなければならない」と定めているため(犯収法4条1項)、不動産会社の判断で省くことはできません。何度も身分証を求められるのは、売主を疑っているからではありません。
本人確認には、他人になりすました取引を防ぐ役割もあります。2027年4月に、本人確認書類の画像や写しを使う確認の方法が廃止されるのも、本人確認書類の偽造などによる「なりすまし」のリスクが理由とされています(警察庁が公表した改正の概要)。
不動産会社が本人確認で確かめる4つのこと
犯収法4条1項は、確かめる事項を次の4つと定めています。
- 本人特定事項: 個人なら氏名・住居(住所)・生年月日、法人なら名称と本店の所在地
- 取引を行う目的
- 職業(法人なら事業の内容)
- 実質的支配者(法人の場合。事業経営を実質的に支配できる立場の人)の本人特定事項
氏名・住所・生年月日は、書類で確かめます。一方、取引の目的と職業は、書類ではなく売主からの申告で確かめる方法と定められています(犯罪収益移転防止法施行規則9条・10条1号)。売る目的や職業を聞かれたら、そのまま伝えれば足ります。
目的や職業を聞かれると身構えるかもしれませんが、これも法律が定めた確認事項です。不動産会社は、取引で受け取る財産が犯罪による収益ではないか、取引の相手が犯罪で得た財産を隠すなどの行為をしていないかを判断し、疑いがあれば行政庁に届け出る義務も負っています(犯収法8条1項)。
不動産売却の本人確認で使える書類と、コピーが通らない理由
窓口で見せる書類は、2027年3月までは次のように分かれます(犯罪収益移転防止法施行規則6条1項1号・7条1号)。
| 書類の種類 | 主な書類 | 窓口での確認のしかた |
|---|---|---|
| 顔写真付きの書類 | 運転免許証、マイナンバーカード、在留カード、写真付きの身体障害者手帳など | 原本を見せれば済む |
| 顔写真のない書類 | 健康保険の資格確認書、印鑑登録証明書、住民票の写しなど | 健康保険の資格確認書などに別の書類(住民票の写しなど)を加えて見せるか、書類を見せたうえで、自宅あてに届く書留の転送不要郵便を受け取る |
パスポートは、2020年2月4日以降に発行されたものには住所の欄がないため、今の住所が書かれた別の書類(住民票の写しなど)を合わせて見せます。
転送不要郵便は、転居先へは転送されず、書類に書かれた住所にだけ届く郵便です。不動産会社がこれを送り、売主が受け取ることで、その住所に住んでいることを確かめます。郵便の代わりに、不動産会社の担当者がその住所を訪ねて書類を手渡す方法も認められています(施行規則6条4項)。
見せるのは原本です。条文が求めているのは書類の「提示」で、コピーを見せる方法は認められていません。有効期限のある書類は期限内のもの、期限のない住民票の写しや印鑑登録証明書などは発行から6か月以内のものに限られます(施行規則7条)。
一方で、不動産会社が見せてもらった書類のコピーを取ることはあります。確認の記録に、提示を受けた書類の写しを添えて保存する方法が認められているためです(施行規則20条1項3号)。
書類の住所が今の住所と違う場合は、今の住所が書かれた別の書類を合わせて見せます。税金や社会保険料、電気・ガス・水道の領収証書(いずれも6か月以内のもの)なども使えます(施行規則6条2項)。登記簿の住所が今の住所と違う場合の手続きは、本人確認とは別の話で、不動産売却の必要書類の記事で解説しています。
マイナンバーカードを見せる場合、身分証として使うのは表面です。個人情報保護委員会は、表面を身分証明書の写しとしてコピーすることは問題ないが、番号法で定められた場合以外では裏面の個人番号はコピーできないとしています。売却で個人番号そのものを求められる場面は別にあります。
不動産会社が残す本人確認の記録は7年保存
不動産会社は、本人確認をしたら直ちに記録を作り、売買契約が結ばれた日から7年間保存しなければなりません(犯収法6条、施行規則21条)。記録に残すのは、主に次の事項です(施行規則20条1項)。
- 確認した担当者と、記録を作った担当者
- 確認した方法と、見せてもらった書類の名称・記号番号
- 氏名・住所・生年月日、取引の目的、職業
- 代理人が来たときは、代理人の氏名・住所・生年月日と、本人との関係
この記録は売主が作るものではありません。売主がするのは、書類を見せることと、目的と職業を伝えることです。
代理人・法人・共有名義の不動産売却の本人確認
代理人が手続きをする場合は、売主本人の確認に加えて、実際に手続きに来た代理人の本人確認も行います(犯収法4条4項)。代理人として認められるのは、同居の親族や法定代理人(成年後見人など)、売主が作った委任状を持っている人、売主に電話をかけるなどして代理を確かめられた人などです(施行規則12条5項1号)。親の家を子が代わりに売る場合は、代理で売ること自体の準備も要ります。親の不動産売却の記事をご覧ください。
法人が売主の場合は、登記事項証明書などで法人の名称と所在地を確かめるほか、事業の内容と、実質的支配者を確認します。窓口に来た担当者の本人確認も行います(犯収法4条1項・4項、施行規則7条2号・10条2号)。
共有名義の場合は、共有者のそれぞれが売主として契約するので、一人ひとりが本人確認の対象になります。遠方に住む共有者がいるときは、その人がどこで確認を受けるかを早めに不動産会社と相談しておくと、手続きが滞りません。
このほか当社の店舗では、売主の立場に応じて次の点も確かめています。確かめた内容によって、その後の手続きの進め方が変わります。
- 代理人が手続きをする場合: その代理人が、不動産の取引を繰り返し行っていないか
- 法人が売主の場合: 消費税の課税事業者かどうか
- 共有名義で、離婚などの事情から共有者が別々に対応したい場合: 委任状でどちらかに任せるか、共有者がそれぞれ別々に手続きをするか
海外に住んでいる方は、使える確認の方法や書類が、国内に住む方と違うことがあります。売却を決めたら早めに不動産会社に伝えてください。
不動産売却の本人確認に応じないとどうなるか
本人確認を断ったままでは、売却を進められません。犯収法5条は、相手が本人確認に応じないときは、応じるまでの間、特定事業者は取引の義務の履行を拒むことができると定めています。不動産会社は、確認が済むまで契約や引き渡しの手続きを進めなくてよい、ということです。
また、売主や代理人は、本人確認のときに氏名・住所・職業などを偽ってはならないとも定められています(犯収法4条6項)。
2027年4月から不動産売却の本人確認はこう変わる
2027年(令和9年)4月1日から、本人確認の方法が変わります。根拠は、2025年6月24日と2026年3月6日に公布された、犯罪収益移転防止法施行規則を改正する2つの命令です。窓口で書類を見せる確認は、次のようになります。

- ICチップ付きの顔写真付き書類(運転免許証・マイナンバーカード・在留カードなど。パスポートは、今の住所が書かれた書類も合わせて見せる): 書類を見せたうえで、ICチップの情報を機械で読み取る(改正後の施行規則6条1項1号イ)
- ICチップのない顔写真付き書類(写真付きの身体障害者手帳・運転経歴証明書など)や、住民票の写し・印鑑登録証明書など: 書類を見せたうえで、自宅あてに届く書留の転送不要郵便を受け取る(同号ロ)
いまの「顔写真のない書類を2種類見せる方法」はなくなります。健康保険の資格確認書のように顔写真もICチップもない書類は、窓口の確認では使えなくなります(住所を確かめるための追加の書類としては使えます)。顔写真付きの書類がない方は、住民票の写しや印鑑登録証明書を見せたうえで、書留の転送不要郵便を受け取る方法になります。
警察庁の周知用のチラシは、運転免許証のICチップを読み取らせるには暗証番号2つの入力が必要で、暗証番号を忘れたときは警察署などで確認できると案内しています。運転免許証を使う予定の方は、売却の前に暗証番号を確かめておくと安心です。マイナンバーカードは、不動産会社がデジタル庁の「マイナンバーカード対面確認アプリ」で読み取る場合、暗証番号の入力なしでICチップの情報を表示できると、国土交通省が不動産会社向けの資料で案内しています。
犯収法の確認を郵送やオンラインで受ける場合も、本人確認書類の画像を送る方法や、写しを送る方法が原則として使えなくなり、ICチップの情報を送る方法などが中心になります。
2027年4月より前に不動産会社が本人確認を済ませて記録を残していれば、同じ不動産会社との4月以降の取引で、確認を一からやり直す必要はありません(警察庁が公表した改正のQ&A)。司法書士など別の事業者の確認は、それぞれ行われます。また、同じQ&Aによると、どの確認方法を使うかは不動産会社などの特定事業者に委ねられていて、すべての種類の書類に対応する必要はありません。当社では、ICチップの読み取りに向けた準備として、まず読み取りのアプリなどを開発している業者から話を聞いています(2026年10月時点)。なお、警察庁のチラシは、金融機関などの判断で2027年4月1日より前に先行して実施する場合があると案内しています。2027年4月の前後に売却する方は、どの書類を持っていけばよいかを媒介契約の前に不動産会社へ聞いておいてください。
不動産売却の本人確認のよくある質問
不動産売買の本人確認は義務ですか?
不動産会社と司法書士にとっては、犯罪収益移転防止法で定められた義務です。売主に「応じる義務」を直接定めた条文はありませんが、応じないと、不動産会社は応じるまで取引の義務の履行を拒めるため(犯収法5条)、売却は進みません。
不動産売買で本人確認記録は必要ですか?
必要です。ただし作るのは不動産会社などの特定事業者で、売主ではありません。確認したら直ちに記録を作り、売買契約の日から7年間保存する義務があります(犯収法6条、施行規則21条)。
買取で本人確認をしなくてもいい場合は?
不動産会社が買主になる買取も宅地や建物の売買契約なので、仲介で売る場合と同じように本人確認があります。買取だから省ける、ということはありません。
不動産売却の本人確認はいつ行われますか?
不動産会社の確認は、売買契約を結ぶときまでに行われます。媒介契約のときに済ませる不動産会社もあり、当社の加盟店では、売主の確認は媒介契約のときに行うことが多いです。司法書士の確認は、登記などの手続きを引き受けるとき(決済の日やその前)です。
不動産売却の本人確認で職業や売る理由を聞かれるのはなぜですか?
犯罪収益移転防止法が、不動産会社が確かめる事項として、氏名・住所・生年月日に加えて、取引の目的と職業を定めているためです(犯収法4条1項)。目的と職業は書類ではなく、申告で確かめます。
運転免許証もマイナンバーカードも持っていない場合、不動産売却の本人確認はどうすればいいですか?
まず、ほかの顔写真付きの書類が使えます。パスポート、運転経歴証明書(2012年4月1日以降に交付されたもの)、在留カード、特別永住者証明書、身体障害者手帳などです(施行規則7条1号イ)。2020年2月4日以降に発行されたパスポートは住所の欄がないので、今の住所が書かれた住民票の写しなどを合わせて見せます。2027年4月からは、ICチップのない運転経歴証明書や身体障害者手帳は、見せたうえで書留の転送不要郵便を受け取る形になります(改正後の施行規則6条1項1号ロ)。
顔写真付きの書類がひとつもない場合は、時期によって方法が違います。
- 2027年3月まで: 健康保険の資格確認書など(氏名・住所・生年月日が書かれたもの)に、住民票の写しなど別の書類を加えて見せる方法があります。または、資格確認書や住民票の写しなどを見せたうえで、自宅あてに届く書留の転送不要郵便を受け取る方法です(施行規則6条1項1号ロ・ハ)
- 2027年4月から: 住民票の写しや印鑑登録証明書などを見せたうえで、書留の転送不要郵便を受け取る方法になります。健康保険の資格確認書は、窓口の確認には使えなくなります(改正後の同号ロ)
郵便の代わりに、不動産会社の担当者が住所を訪ねて書類を手渡す方法も認められています(施行規則6条4項)。郵便や訪問の手順が加わる分、確認が済むまでに日数がかかることがあります。また、どの書類と方法に対応しているかは不動産会社によって違うので、顔写真付きの書類がないことは、媒介契約の前に不動産会社へ伝えておいてください。当社の店舗では、いまは健康保険の資格確認書など本人確認に使える書類を2点見せていただく形で確認しており、2027年4月からは書留の転送不要郵便を使う方法になる可能性があります(2026年10月時点)。
まとめ: 不動産売却の本人確認は、顔写真付きの書類の原本を用意して臨む
不動産売却の本人確認について、この記事でお伝えしたことをまとめます。
1. 本人確認は、不動産会社と司法書士がそれぞれ行います。どちらも犯罪収益移転防止法の特定事業者で、それぞれが自分の仕事について別々に確認の義務を負っているので、何度か書類を見せることになります。買主が法人などで売主のマイナンバーを受け取る場合は、番号法による買主の確認も別にあります。
2. 不動産会社は、売買契約を結ぶときまでに、氏名・住所・生年月日と、取引の目的・職業を確かめます。目的と職業は申告で足ります。記録は売買契約の日から7年保存されます。
3. 見せるのは原本です。運転免許証やマイナンバーカードなら、今の住所が書かれていれば1枚で済みます。応じないと、取引は進みません。
4. 2027年4月1日からは、窓口でもICチップの読み取りが基本になります。運転免許証を使うなら、暗証番号2つを確かめておきます。
書類を早めにそろえておけば、本人確認で手続きが滞るのを防げます。媒介契約の前に、いつ・何を持っていけばよいかを不動産会社に聞いておいてください。
当社では、匿名で物件の相場の目安が分かる10秒査定をご用意しています。電話番号の入力は不要です。売却を考え始めたら、まず相場の確認からお使いください。
本記事の内容は2026年10月時点の法令・制度にもとづきます。本人確認の義務と確認事項は犯罪による収益の移転防止に関する法律4条1項、特定事業者の免責は同法5条、確認記録の作成と保存は同法6条、確認の方法と本人確認書類は同法施行規則6条・7条、確認記録の記録事項は同規則20条によります。2027年(令和9年)4月1日からの変更は、令和7年6月24日と令和8年3月6日に公布された同規則の改正命令によるもので、施行前の内容です。施行までに運用の細目が示されることがあります。運転免許証の暗証番号の案内は警察庁の周知用チラシ(2026年7月掲載)、マイナンバーカードのコピーの扱いは個人情報保護委員会「『特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン』に関するQ&A」Q6-13によります。
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