住宅ローンを支払えずに滞納を続けてしまうと、不動産が競売により相場よりも安い値で売却され、住宅ローンの返済に充てられます。対して、任意売却では相場の8割〜10割で売却ができるので、住宅ローンを可能な限り減らすことができます。
この記事では、住宅ローンを払えなくなってしまった場合に検討すべき任意売却について説明します。
目次
住宅ローンが返済できなくなるきっかけ・理由
住宅ローンが返済できなくなるきっかけはさまざまです。職場の状況の変化や自身の身体的な問題、家庭環境の変化など理由は多岐にわたります。具体的には、下記の状況などにより住宅ローンが返済できなくなるケースがあります。
住宅ローンが返済できなくなる主な理由
- 職場の問題(倒産・解雇)
- 家庭の問題(離婚・別居・介護)
- 心身の問題(病気・事故)
- 浪費
- ギャンブル
住宅ローンの保証人にも返済義務がある
住宅ローンの返済ができなくなってしまった場合、住宅ローンの保証人にも返済義務が生じます。どのような状況であれ、住宅ローンが返済できないとあなたの周りの人にも迷惑をかけてしまうので、住宅ローンが返済できないと思ったタイミングで、早めに不動産業者に相談するようにしましょう。
住宅ローンの返済が苦しいなら任意売却を検討しよう
住宅ローンの返済が苦しいなら任意売却を検討しましょう。任意売却を行うことで、住宅ローンの残債を大幅に減らすことができたり、月々の返済額や利息を調整できる可能性があるからです。
下記で任意売却について詳しく説明します。住宅ローンの返済に不安がある方は、ぜひお読みください。
任意売却とは
任意売却は、住宅ローンなどを何らかの事情で返済できなくなり、売却をしてもローンの残債が残ってしまうオーバーローンの状態にもかかわらず、金融機関の承諾を得て売却をすることです。通常、不動産の売却は売ったお金で住宅ローンの残債が完済できないと成立しません。
通常、住宅ローンの支払いが滞ると、金融機関から一括での返済を求められます。返済のために強制的に資産を売却、取り上げられてしまうのです。このように強制的に売却されてしまうのが、競売という方法です。
競売では任意売却とは異なり、物件などを所有している人の同意を得ずに売却を成立させてしまいます。そのため、任意売却よりも低価格で物件を手放すことになるケースが多く、ローンの返済自体が困難になってしまうこともあります。
任意売却は市場価格の8割〜10割で売却できるケースが多いので、返済額を少しでも多く減らすことができます。他にも、引っ越しの費用の一部を売却費用の中から控除できる場合や、明け渡しの日付を所有者で指定できるケースが多く、金銭的な負担が少ない点や家族の負担が少ない点も任意売却のメリットです。
任意売却と競売の違い
任意売却と競売の大きな違いは、債務者の意思をくんでいるかどうかです。任意売却は債務者自身の意思や生活を尊重しながら売却活動を進めていきます。それに対して競売は、法律にのっとり債務者の意思にかかわらず強制的に進められていきます。
競売で不動産が売却されると、不動産の強制的な明け渡しを命じられます。これは法律による強制力があるため、拒否することはできません。家から退去しなくてはいけません。さらに、競売によって売却された金額は、ローンの残債に充てられますが相場の3〜5割ほど安く、競売後に残る残債の金額も多いため、売却後の生活が厳しいものとなるケースもあります。
対して、任意売却を選択すれば、通常の不動産売買の相場の8〜10割の価格で買い手を探すことができるので、競売と比べて売却後の負担が大きく異なります。任意売却を選択する余地があれば、任意売却を選択することをおすすめします。
任意売却のメリット・デメリット
任意売却には下記のメリットとデメリットが存在します。
任意売却のメリット
- 通常の不動産相場の8〜10割の価格で売却できる
- プライバシーが守られる
- 残債の分割支払いの交渉が可能なケースがある
任意売却のデメリット
- 希望通りの売却ができない場合がある
- 債権者や保証人など全ての関係者からの承諾が必要
- 不動産業者を自ら探さなければいけない
任意売却のメリット・デメリットについて、より詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
任意売却とは?メリット・デメリットや競売との違い・残債などを解説任意売却のメリット
任意売却のメリットについて詳しく説明します。
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通常の不動産相場の8〜10割の価格で売却できる
任意売却は、不動産業者の仲介により買主を探すため相場の8〜10割の価格で売却できる可能性があります。競売と任意売却では売却価格に違いがでます。 -
プライバシーが守られる
任意売却は一般の不動産売買と同じ販売方法を取るので、所有物件の情報が競売情報として世間に出ることがありません。任意売却は競売に比べ、プライバシーが守られるメリットがあります。 -
残債の分割支払いの交渉が可能なケースがある
任意売却は残債の分割支払いができる可能性があります。「売却価格の分配案」や「生活状況表」を作成し、どのようなプランで返済を積み重ねていくのかを明確にした上で、債権者の同意が得られた場合に、売却後も残債の分割支払いができるようになります。
月々の支払い金額は収入を考慮して調整してもらえるので、無理のない再スタートを切ることが可能です。
任意売却のデメリット・リスク
任意売却のデメリットについて詳しく説明します。
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希望通りの売却ができない場合がある
任意売却は通常の不動産売却と同じ方法で買主を探します。住宅ローンをより多く返済するために売却の希望価格を近隣相場とかけ離れた価格設定にしていたり、不動産自体に大きな問題がある場合には、希望通りの売却が難しくなります。
売却が思うように進まない場合は、不動産業者と相談しながら売却価格の見直しや不動産が抱える問題の改善を行いましょう。 -
債権者や保証人など全ての関係者からの承諾が必要
任意売却を行うには、関係者全員の承諾が必要になります。関係者とは、債権者、連帯保証人、所有権共有者(共同所有の場合に限る)など該当不動産に関わるすべての人のことを指します。 -
不動産業者を自ら探さなければいけない
任意売却を依頼する不動産業者は、自ら探さなければいけません。任意売却は不動産業者選びが重要です。どの不動産業者を選ぶのかで、満足がいく売却ができるかどうかが決まります。悪徳業者も存在するので不動産業者選びは迅速かつ慎重に行いましょう。
金融機関などの債権者側から不動産業者を紹介されるケースもありますが、債権者に紹介された不動産業者に依頼するのは適さないケースもあります。紹介された不動産業者に依頼してしまうと債権者に有利な方向に、交渉を進められる可能性があります。
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住宅ローンの現状に合わせた、通常の売却の可否や任意売却も視野にいれた適切なアドバイスが行えます。いずれかの方法で売却を行うことができれば、金銭的な負担を減らすことができます。
任意売却後の残った住宅ローンはどうなる?完済できた場合は?
売却価格によって、住宅ローンが完済できる場合とできない場合があります。任意売却後に完済した場合は、残債がゼロになるため売却以降の支払いはありません。任意売却をした後に、住宅ローンが残った場合は、支払い義務が生じます。
残債の一括返済が難しければ、月々の返済金額を債権者と交渉し、新たに返済計画を取り決めることが可能です。月々の返済金額は、新生活に無理のない範囲で返済を承諾がもらえることが多いです。債権者との交渉を行ってもこの先の返済が難しいのであれば、自己破産を選択するケースがあります。自己破産については下記で詳しく説明します。
残債が払えない場合は自己破産の選択肢もある
任意売却後、残債の支払いが難しい場合は自己破産の選択肢もあることを覚えておいてください。自己破産とは、債務の返済ができない支払い不能の状態を裁判所に認めてもらい、債務の支払い義務を免除してもらう債務整理のことです。自己破産をすれば債務が免除されますが、生活に必要のない財産は差し押さえられて売却されます。また5〜10年間は新規のローンやクレジットカードの発行ができなくなるデメリットもあります。
このように自己破産を選べば債務の支払いは免除されますが、免除された債務の支払い義務は連帯保証人に移ることを忘れてはいけません。これらのことを踏まえたうえで、しっかりとした支払い計画を用意して債権者との返済交渉に望みましょう。
住宅ローンの返済はできないけど住み続けたい場合は?
住宅ローンの返済はできないけど住み続けたい場合、早めに金融機関へ相談をして返済額や返済期間の変更をしてもらうなどの対応をとってもらいましょう。
また、同じ物件に住み続けたい場合、価格の折り合いがつけば任意売却後に改めて賃貸借契約を結び賃借人として住み続ける「リースバック」という方法もあり、リースバックのサービスの中には、自身で不動産を買い戻せる仕組みも存在しています。どの選択肢があなたにとって理想かを考え、不動産業者と一緒に任意売却を進めてください。
任意売却に関するよくある質問
住宅ローンと任意売却についてよくある質問に回答します。
- 保証人にも督促状は届きますか?
- 保証人にも督促状が届く場合があります。
- 住宅ローンの滞納をせずに任意売却は可能ですか?
- 住宅ローンを滞納せずに任意売却を行うことは不可能です。金融機関としては月々の住宅ローンの支払いが可能であるならば、当初の予定通り支払いをしてほしいと考えます。金融機関が予定通りの支払いを望む理由は下記の2つです。
・金利収入を得たいから
・残債の担保を残したいから
【住宅ローンの滞納をせずに任意売却ができない理由①|金利収入を得られなくなるから】
金融機関が予定通りの支払いを望む一つ目の理由として、任意売却を行うと金利による収入が得られなくなることが挙げられます。
金融機関は貸したお金に金利をかけており、その金利が収入になっています。金融機関は金利収入をできるだけ長く得たいので、住宅ローンの滞納なしに任意売却は行えないのです。
【住宅ローンの滞納をせずに任意売却ができない理由②|残債の担保を失うから】
住宅ローンの滞納をせずに任意売却ができない二つ目の理由として、任意売却が金融機関にとって新たなリスクを生む可能性が挙げられます。
住宅ローンでは「自宅」を担保にしているケースがあります。任意売却の価格が住宅ローンを完済できない価格である場合、残債が残った状態で「自宅」の所有権が金融機関から購入者へ移ります。金融機関から見ると、もともと自宅を担保に順調に返済されていた住宅ローンが、自宅という担保がない残債に変わります。つまり、有担保で返済を期待できた住宅ローンが、無担保の残債になってしまうリスクがあるのです。
金融機関から見て、任意売却は残債の担保を失う恐れがあるので、住宅ローンの滞納をしていない状態では任意売却を行うことができません。
- 任意売却期間中の住宅ローンはどうなるの?
- 任意売却期間中の住宅ローンの支払いは、実質的に猶予されるケースが多いです。多くの場合、金融機関が任意売却を許可した時点から猶予されます。
債務者の任意売却が完了するまで猶予をもらっている状態なので、あくまで任意売却期間中のみ支払いが不要という状況です。支払う必要がなくなったのではありませんので、任意売却が完了すれば残債の支払い義務が再開されます。
- 任意売却をした後に再度住宅ローンを組めるか?
- 任意売却後、すぐに住宅ローンを組むことは難しいケースが多くなっています。状況にはよりますが、一般的に残債の完済から5〜10年後に再度住宅ローンを組むことができます。
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任意売却であれば、競売よりも高い価格で売却を行うことが期待できます。また、競売によって強制的に債務整理をされるよりも、債務者の意思を尊重した上で債務整理ができるので、心に余裕を持って今後の計画を立てることができるでしょう。
住宅ローンの支払いが難しい場合でもそのまま放置するのではなく、まずは不動産業者に相談しましょう。任意売却の実績が豊富な「SUMiTAS」なら、秘密を厳守し、無料で相談を承ります。
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