【遺産相続】家・不動産を相続するときに売却査定を受けるべき理由と分割方法、注意点を解説

不動産を相続するときには査定を受けるべき?理由と注意点を解説

監修者
天池 篤哉
天池 篤哉(株式会社SUMiTAS 取締役)
  • 宅地建物取引士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士

不動産を相続するときには、査定を受けたほうがいい」と、聞いたことはありませんか?

天池篤哉
天池篤哉

査定は売却を前提に受けるものなので、なぜ相続時に必要なのか気になりますよね。相続で査定を受けたほうがいいと言われるのは、相続を円滑に進めるためです。

そこで本記事では、

  • 相続で査定を受けるべき理由
  • 査定を受ける方法
  • 不動産の分割方法
  • 相続前に査定を受ける注意点

など、不動産の相続で知っておきたい内容をお伝えしていきます。相続が発生しそうな方や、すでに発生している方は参考にしてください。

この記事の要約
  • 不動産相続時の査定は、遺産分割協議と相続判断に重要。
  • 査定方法は不動産会社直接相談と一括査定サイト利用があり、各々特徴あり。
  • 相続後の不動産分割方法には換価、代償、共有があり、慎重な選択が必要。

相続で不動産の査定を受けたほうがいい理由

冒頭でも説明したように、査定は売却時だけではなく、相続にあたって不動産の価値を知るために受けることもあります。なぜ不動産相続で不動産の価値を知る必要があるのか、理由を詳しく説明していきます。

遺産分割協議を円滑に進めるため

不動産相続にあたって査定を受けたほうがいい理由の1つが、「遺産分割協議」を円滑に進めるためです。遺産分割協議を簡単に説明すると、“相続人全員で遺産の分け方を決める話し合い”のことで、相続が発生した際に行います。

遺産分割協議で話し合うのは、主に次のような内容です。

  • 遺産がどのくらいあるのか
  • どのように分けるのか
  • 誰がどの遺産を相続するのか

話し合いで遺産の分け方や相続の方法を決めるためには、まずは遺産総額を調べることから始めなければなりません。遺産には、預貯金や現金だけではなく、土地や建物などの不動産も含まれるため、不動産にどのくらいの価値があるのか知っておく必要があるのです。

なお、法定相続分や遺言書とは異なる方法で遺産を相続する場合や、相続登記を行う場合は、協議の内容を記載した「遺産分割協議書」の作成が必要になります。

遺産を公平に相続するため

不動産の価値は購入したときの価格や築年数などから考えがちですが、市場や需要によって変化しています。建物が劣化していても、地価が上がっていれば資産価値も上がっている可能性があるため、簡単に判断することはできません。

そのため、相続時に「たぶん、このくらいだろう」と不動産の価値を自己判断すると、公平な相続にならず、相続後にトラブルへ発展する恐れがあります。

天池篤哉
天池篤哉

法定相続分に応じて公平な遺産相続をするためには、査定によって専門家に不動産の価値をきちんと評価してもらうほうが安心です。

相続と放棄のどちらにするか判断するため

そのため、マイナス財産の金額によっては、相続放棄をしたほうがいいケースもあるかもしれません。相続と放棄で悩んだときに判断が難しいのが、不動産の価値です。

先ほどもお伝えしたように不動産の価値は市場や需要によって変化するため、想像よりも資産価値が高い、または低い可能性もあります。不動産の価値が低いと自己判断して放棄したけれど、相続放棄後に実は価値が高かったとわかることもあります。

プラスとマイナスの財産の割合を確認するためにも、査定によって不動産の正しい価値を知っておきましょう。

相続で不動産の査定を受ける方法

査定は不動産鑑定士に依頼することもできますが、費用相場は15〜30万円と、決して安い金額ではありません。もし不動産の相続後に売却を検討しているのなら、無料で受けられる不動産会社の査定をおすすめします。

ここでは不動産会社に査定を依頼する2つの方法と、それぞれの特徴を説明していきます。

不動産会社に直接相談する

査定を受ける1つ目の方法が、直接不動産会社に相談する方法です。
不動産会社に行けば、物件情報からすぐに“おおよその査定額”を算出する簡易査定や、物件の室内や周辺環境を見て詳細な査定額を出す訪問査定を依頼できます。

不動産会社に直接相談するメリットは、遺産分割協議や相続税などの相続に関する悩みを担当者に相談しながら査定を進められる点です。査定を受けることで不動産会社とつながりができていれば、売却時の相談もスムーズに進みます。

一括査定サイトを利用する

「地域に対応している不動産会社がわからない」「複数社の査定額を知りたい」という方は、一括査定サイトを利用する方法もあります。1度物件情報や個人情報を入力するだけで、複数社から査定結果が届きます。

ただし一括査定サイトでわかるのは“おおよその査定額”なので、詳細な査定額を知るためには訪問査定が必要です。結局不動産会社に相談することになるので、二度手間に感じてしまうかもしれません。

営業電話への対応が必要に

一括査定では平均して6〜10社から査定結果が届き、査定価格を算出するために必要な情報の確認や、先を見据えた営業の電話もかかってきます。それらの電話対応が必要になる点も納得したうえで利用しましょう。

相続した不動産を分割する方法

不動産相続で査定を受けたほうがいい理由に「遺産を公平に相続するため」と、説明しました。そして査定額以外にも公平な相続のために知っておきたいのが、不動産の分割方法です。

不動産の分割方法には、

  • 換価分割
  • 代償分割
  • 共有分割

の3つの方法があり、それぞれ分け方が異なります。

ここでは遺産が不動産しかないと仮定した場合の、分割方法を図解付きで説明していきます。

換価分割とは

換価分割
図解:換価分割とは

不動産を最も公平に分割できるのが、「換価分割」です。換価分割では不動産の売却金を、それぞれの法定相続分に応じて分配します。

不動産を現金に換えることで1円単位の遺産分割が可能になり、トラブルを避けられる点がメリットです。

代償分割とは

図解:代償分割とは
図解:代償分割とは

「代償分割」は、相続人のうち1人が不動産を相続し、他の相続人に現金を“代償金”として支払う方法です。相続人が被相続人名義の不動産に住んでいる場合などに、選択されることが多い方法です。

代償分割は「価値と相続分に応じた代償金を支払う」という一見簡単な分割方法に思えますが、トラブルになることも少なくありません。

相続人に代償金の支払い能力がなければ成り立たないうえに、代償金の決め方も法的に定められていないからです。法定相続分に応じて代償金を決めるのが一般的ですが、代償金の多い少ないをめぐって、トラブルに発展する恐れもあります。

共有分割とは

図解:共有分割とは
図解:共有分割とは

不動産における「共有分割」は、相続人それぞれの法定相続分に応じて不動産を所有する分割方法です。分割といっても不動産を実際に分けるわけではないので、不動産自体は共有名義になります。

たとえば子3人で1つの不動産を共有分割するのなら、不動産の1/3ずつ相続登記を行い、共有取得します。「ひとまず共有でいいだろう」と選択されることが多い分割方法ですが、3つの方法の中で最もトラブルが多い点に注意が必要です。

売却や活用には共有人全員の同意が必要である点や、管理義務や税負担の割合などが、トラブルの原因になります。「とりあえず」で共有名義にするのではなく、リスクを知ったうえでしっかりと話し合い、分割方法を決めましょう。

相続で不動産査定を受けるときの注意点

天池篤哉
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ここまでの説明で、不動産相続には査定が必要だとおわかりいただけたと思います。最後に、相続で不動産査定を受けるときの注意点をお伝えします。

ここまでの説明を見て、「遺産分割協議がスムーズに進むように、先に査定を受けて不動産を現金化しておこう」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、相続登記が完了していない不動産は売却できません

厳密に言えば、遺産分割協議が終わっていれば、不動産会社への相談や査定、契約、売却活動をすることは可能です。ただし買主に不動産を引き渡せるのは、必ず相続登記後となります。相続登記には一般的には2~3週間、早くても1週間前後はかかるため、早めに手続きしておくことをおすすめします。

査定や売却をスムーズに進めるためには、遺産分割協議の際にあらかじめ相続人の中から代表者を決めて、委任状を他の相続人から受け取っておくと良いでしょう。

相続する不動産の査定はSUMiTASにご相談を!

不動産の価値は市場や需要によって変化するため、素人では簡単に判断できません。相続が公平にできているのか、相続と放棄のどちらがいいのかなどを判断するためにも、査定を受けておくと安心です。

不動産査定は一括査定サイトからも申し込めますが、査定サイトでわかるのは“おおよその査定額”なので信頼性に欠けます。相続で査定を受けるのなら、不動産会社に訪問査定を依頼しましょう。

SUMiTAS(スミタス)では訪問査定はもちろん、相続のお悩みから売却まで、幅広いサポートが可能です。相続で不動産の売却をお考えの方は、まずはご連絡ください。

監修者
天池 篤哉
天池 篤哉(株式会社SUMiTAS 取締役)
  • 宅地建物取引士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士

2005年から不動産賃貸仲介営業で不動産業のキャリアをスタート。
物件マニアで、『従事している期間毎日10件内見する』という裏目標を立て、6年間実施。札幌市内の賃貸物件約18,000件を内見した。
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